スピードコントローラ NO.6

[Previous] [Next] [Index]
ATtiny15L を使った BEC 機能搭載スピードコントローラの製作
 ここまで勉強してきた AVR の知識を総動員してリチウム電池 2 セル用のスピードコントローラを作ってみた。 ATtiny15L に備わっている PWM 出力を利用して 20KHz という今までにない高速な PWM を実現できた。とても滑らかなスロットルレスポンスが得られる。また、今回初めて送信機のスロットルポジションを自動設定できる機能を搭載してみた。これで送信機のメーカを問わず使えるようになる。

 Futaba 送信機の場合はあらかじめスロットルをリバースに設定する。これは JR 、SANWA と異なりスロットルが Low から High に変化するにつれてパルス幅が減少する方式になっているため。また多くの市販のスピードコントローラも Futaba の送信機を使う場合はリバースに設定するように指示している。

 送信機のメーカによるパルス幅の違いをそれぞれ最適なスロットル範囲に設定するため、送信機のスロットルスティックを最スローにしたときのパルス幅とフルハイにしたときのパルス幅を取得し、その範囲で PWM 出力を制御する。まず送信機のスティックを最スローにして受信機の電源を入れ、速やかにスロットルスティックをフルハイにする。フルハイの設定が完了すると受信機に接続されたモーターが一瞬回転する。次に速やかにスロットルを最スローにする。最スローの設定が完了するとモータが一瞬回転する。これでスロットル範囲の設定が完了する。


全メーカ送信機対応スピードコントローラ micro03.hex for ATtiny15L

 今回は 0.2mm の両面ガラスエポキシ基板を使ってみた。銅箔を含めると 0.3mm 強の厚さがあるがとにかく薄い。いつものようにカッタナイフでパターンをカットしたが気を付けないと基板が切れてしまう。基板サイズは 18mmx8mm 。(基板表)(基板裏)

 パターンがなるべく単純になるように部品の配置を考えてみた。この時点ではスルーホールのための穴あけが済んでいないが、部品を半田付けしたあと 4 個の穴を 0.5mm のドリルで開ける。

 基板に部品を半田付けしたあと基板の余白を削り落とし、 17mmx8mm の大きさになった。ケーブルなしで 0.7g 。電源コネクタケーブル、受信機へのコネクタケーブル、それとモータへのコネクタケーブルを半田付けして 1.5g で完成。今までにない軽さで仕上げることができた。

 BEC の出力電流は 800mA 、 FET に IRF7805 を使ったが、データシートでは 25 度 C で 13A の許容電流がある。まあ連続で 5A は十分に流せる。念のために基板部分をシュリンクチューブで保護してみたが、今回のスピードコントローラに見合うチューブがなくやや太いチューブを使ったためすっきりと仕上がらなかった。

 早速テストしてみたくて、 TINY にセットして藤沢市六会体育館で行われた飛行会でテストフライトを行った。結果は素晴らしく、 AVR のプログラミングにも少々自信がついてきた。


[Previous] [Next] [Index]
2003/10/15