PICkit 1 Flash Starter Kit

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Microchip社 の 8-14 ピンフラッシュデバイス評価ボード
 最近は赤外線受信機にフラッシュタイプのデバイスを使うことが多くなった。Microchip 社から 8 ピンから 14 ピンまでのフラッシュデバイスに限定した PICkit 1 Flash Starter Kit 評価ボードが $36 と安価で発売されたのを知った。なんと USB ポートにつないで使える。外部電源が必要ないのだ。
 Windows 98SE、Windows ME、Windows 2000、Windows XPで使える。

 秋月電子のライタも、JDM ライタも RS232C ポートにつないで使っている。今使っている XP 搭載のノート PC には RS232C ポートがない。仕方がないので開発したプログラムを Windows98 を搭載した PC に転送してから書き込んでいる。 LAN でつながっているとはいえ、2 台の PC を使わなければならないので不便を感じていた。USB ポートで書き込みができることがわかったのですぐに注文した。

 サポートデバイスは 14 ビットコア 8 ピンの PIC12F629、PIC12F635、PIC12F675、PIC12F683、14 ピンの PIC16F630、PIC16F636、PIC16F676、PIC16F684、PIC16F688。それと 12 ビットコアのベースラインシリーズで PIC10F200、PIC10F202、PIC10F204、PIC10F206、PIC12F508、PIC12F509、PIC16F54、PIC16F57、PIC16F505 と種類も多い。

 何よりも Microchip の製品なので、新しいデバイスへの対応が早いのも魅力だ。PICkit 1 Flash Starter Kit を注文しあと MPLAB IDE 6.60 をダウンロードして今まで使っていた 6.40 をアップデートした。これで PIC10F シリーズが使えるようになる。PICkit 1 にも 6.60 の CD が付属している。とりあえず Winsows 2000Pro をインストールしてあるデスクトップ PC の MPLAB IDE をアップデート。

 届いた PICkit 1 Flash Starter Kit の中身はご覧の通り。評価ボード、USBケーブル、PICkit 1 Flash Starter Kit CD 、MPLAB IDE 6.60 CD、プログラム書き込み済みの PIC12F675、手前のケースの中に PIC16F684 の新品、登録カード、Tips 冊子、Windows98SE への USB インストール手順冊子。

 PICkit 1 Flash Starter Kit CD には二つのライタソフトが入っている。一つは 14 ビットコア用のライタソフトで PICkit 1 Classic。もう一つは 12 ビットコア用のライターソフトで PICkit 1 Baseline Flash。そのほかに PICkit 1 Sygnal Analysis というのがある。これは別売りの拡張ボードを使うときに必要なソフトだ。このコーナーで今まで使っている PIC だけなら PICkit 1 Flash Starter Kit DC を挿入して表示される画面から [Quick Start] の [Install PICkit 1 Classic Software] をクリックしてインストールすれば、他はインストールの必要がない。

 PICkit 1 評価ボードにはすでにデモ用のプログラムが書き込まれた PIC12F675 がセットされている。PC の USB ポートと PICkit 1 を USB ケーブルでつなぐとグリーンの POWER LED とオレンジの BUSY LED が点灯し、PIC の出力ポートにつながっている 8 個の LED が点滅をはじめる。ボード上のボリュームを回すと点滅スピードが変化する。またタクトスイッチを押すたびに点滅する順序が逆になる。デモ用の PIC を外しても BUSY LED は点灯したまま。秋月のライターを使っているので、このあたりはちょっと違和感を感じる。

 ついてきた新品の PIC16F684 をセットして PICkit 1 Classic Flash Programmer を立ち上げてみた。まず驚いたのはセットしたデバイスを自動的に判別している。[Device Configulation] の [Device] に PIC16F684 と表示されているのがわかる。デバイスにプログラムを書き込む場合は [File] をクリックして [Import HEX] で HEX ファイルを読み込み、[Write Device] をクリックすればいい。とても簡単だ。画面がシンプルなのも好感が持てる。

 では PICkit 1 Flash Programmer を閉じて、MPLAB IDE の統合環境で使ってみよう。まず MPLAB IDE を立ち上げ、[Configure] の [Select Device] から PIC16F684 を選択し、次に [Programmer] の [Select Progrrammer] で [5 PICkit 1] にチェックを入れる。

すると評価ボードのチェックが行われ、[Read]、[Program]、[Verify]、[Erace Device] アイコンがツールバーに追加される。[Output] ウインドウにはファームウェアのバージョンが表示される。

 あとはいつもの通り、MPLAB IDE でプログラムを開発してコンパイルし、デバッグが済んだらそのまま [Program] アイコンをクリックすればデバイスへの書き込みまで完了してしまう。これぞまさに統合環境だ。

 その後 Windows XP をインストールしてあるノート PC (MPLAB IDE 6.40 をインストール済み) に Install PICkit 1 Classic Software のみをインストールして、評価ボードに PIC12F629 をセットし、プログラムの書き込み、読み出し、ベリファイ、消去を試してみた。全く問題なく、MPLAB IDE 統合環境で作業ができた。特に注目すべき点は、消去してもプログラムメモリの最終番地にある内部発振周波数の校正値は消えずに残っている。これなら安心してプログラムの書き込みと消去を繰り返すことができる。

 ベースラインシリーズの中に世界最小の 6 ピン PIC がある。PIC10F シリーズがそれ。6 ピンの PIC は SOT-23 サイズと小さい。PICkit 1 の評価ボードには直接セットできないので別売のアダプターボードが必要になる。
 PIC10F シリーズを使うと、スピードコントローラとマグネットアクチュエータ 1 組を組み込んだ 2 チャンネルの赤外線受信機が作れる。エレベーターコントロールの必要ない低翼面荷重のインドアプレーンに搭載するのにいい。

 その後 Windows XP Service Pack 2 をインストールしたら MPLAB IDE 統合環境で PICkit 1 が選択できなくなってしまった。セキュリティの関係からか、Microchip 本社のホームページにも不具合があることが書かれていた。

 2004 年 12 月になって MPLAB IDE がバージョン 7.00 になった。早速インストールしてみたところ、PICkit 1 が選択できなかった問題は解決されていた。
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2004/11/01
2004/11/09 Windows XP Service Pack 2 インストール時の問題追加
2004/12/17 MPLAB IDE v7.00 で PICkit 1 が認識されることを追加