リチウムバッテリモニタ

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リチウム電池が使用下限電圧になると LED の点滅で知らせる飛行機搭載用バッテリモニタ
 リチウムポリマ電池は使用下限電圧が 3V と言われている。過放電は電池の寿命を短くする。十分余裕のある容量の電池を使って早めに電源を切れば問題ないが、できるだけ軽量な電池を使って飛ばす飛行機では常に電圧をモニタする必要がある。

 電池の電圧をチェックする方法にはいろいろあるが、Aeronutz で紹介されていた小さな IC チップを使う方法で、電池の下限電圧に達したら自己点滅 LED で知らせるバッテリモニタを作ってみた。

 以前にも同様の実験を行ったが、今回使用するのは LM810 というリセット IC で 3.08V になると出力がハイになる。±3% の誤差があるので最低電圧で 2.99V ほどになる。 IC の許容出力電流は 20mA。今回秋月電子で調達した自己点滅 LED は外径 5mm の赤色高輝度タイプ。消費電流は 20mA なのでベストマッチだ。自己点滅 LED は 5V 以下で使用する場合電流制限抵抗が不要なので、たった二つの部品でバッテリモニタを作ることができる。 LED は 0.3g と少々重いので不要な部分を削り落として軽量化する。

 あとで調べてみたら LM810 と同等のリセット IC が他のメーカからからも出ていることがわかった。調べた範囲で同等品を掲載したが、定格を見る限り問題なく使えると思われる。また自己点滅 LED は内部に発振回路が内蔵されていて今回の使用電圧では電流制限抵抗が不要だが、入手困難な場合は通常の LED を使用してもよい。その場合は LED と直列に 120Ω 程度の電流制限抵抗が必要となる。

LM810M3-3.08 National Semiconductor 有償($8)でサンプル調達可能
MAX810TEUR-T MAXIM JAPAN MAXIMから無償でサンプル調達可能
Digi-Keyで 1 個から調達が可能
MAX6327R31T MAXIM JAPAN MAXIMから無償でサンプル調達可能
TCM810TENB713 Microchip Digi-Keyで 1 個から調達が可能
ASM810TEUR Alliance Semikonductor  
FM810T FAIRCHILD  
STM810T STMicroelectronics  
IMP810TEUR-T IMP  
TS810CXD TSC  
CAT810TEUR-T CATALYST  

 自己点滅 LED は毎秒 2 回点滅する。高輝度タイプなのでインドアでは十分明るい。機能に差し支えない範囲でぎりぎりまで削って軽量化した。

 LED のリード線ははんだ付けできるぎりぎりの長さでカットし、リセット IC をはんだ付けして極細のリード線を取り付けた、画像は電源装置から 3.05V を供給して LED が点滅している様子。長さ 50mm のケーブルを含む完成重量は 0.06g。ほとんど無視できる重さだ。またバッテリに接続したときの消費電流も 15μA と非常に少ないのも嬉しい。

 このバッテリモニタを受信機にセットして飛行機に搭載すれば、バッテリが下限電圧に達するまで安心して飛行を楽しむことができる。


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2004/03/03
2004/03/16 update LM810M3-3.08 と同等の品種を追加
2004/03/24 update MAX6327R31T を追加