小型赤外線送信機の製作 NO.2

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PIC16F84A によるプログラム

 普段使っている Futaba 送信機のニュートラル時のパルス幅は約 1.5msec 、スティック左で約 1msec 、右で約 2msec のパルス幅となる。スロットルはリバース設定で使っているのでスティック LOW で約 1msec 、 HIGH で約 2msec 幅となる。以上の 2 チャンネルを使うが、パルス列がエルロン、エレベータ、スロットルと続くため 3 チャンネル分のパルス列を作ることになる。パルス列の繰り返し周期は多くの送信機が採用している 20msec-25msec にならって 20msec とする。出力パルス幅は 450μsec とした。この 450μsec を 38KHz ないし 56.9KHz で変調して赤外発光ダイオードを駆動する。 4MHz の発振子にはセラロックを使用。

 ポットの抵抗値変化を A-D 変換してパルス幅の変化に置き換える。 PIC 関連書籍のなかに PIC16F84A を使って簡易 A-D 変換を行っているプログラムがあったので、今回のジョイスティックに合わせてカットアンドドライで周辺回路の定数を決めた。 1msec から 2msec のパルスを扱うにはジョイスティックのポットが 10KΩ と低いので組み合わせるコンデンサの容量は 0.047μF が必要だった。安定度を考慮してマイラコンデンサを使うことにしたがこれが結構大きい。

小型3チャンネル赤外線送信機ソースファイル ir3857tx3.asm for PIC16F84A

小型3チャンネル赤外線送信機 HEX ファイル ir3857tx3.hex for PIC16F84A

 本来ならエルロンおよびエレベータチャンネルのセンターポジションとスロットルチャンネルのスローポジションはトリムポットを使うことで簡単に合わせられるが、小さくまとめることを優先し、プログラムである程度の調整をしたあと抵抗およびコンデンサの選別で微調整する方法とした。

 マグネットアクチュエータ搭載機では通常ラダーもエレベータもニュートラルで飛行できるようなセッティングにしてある。従って普段使っている送信機のトリムはスロットルも含めてニュートラルポジションにある。トリム調整機構を持たないジョイスティックでは普段使っている Futaba の送信機と互換性を保つために実際に飛ばしている飛行機 Push-E に合わせて抵抗値とコンデンサ容量の微調整を行った。

 赤外発光ダイオードは 1 フレーム 20msec の間に 0.9msec しか発光しない。つまり 4.5% のデューティで発光する。パルス駆動ではかなりの電流が流せる。そこでゴム動力インドア R/C 機の送信機と同様赤外発光ダイオードを 3 個直列にして 7.2V での駆動とした。赤外線発光ダイオードの指向性が強いので多数の LED を使ったときよりも指向性が強くなるのは致し方ないところであるが、少しでも指向性を改善するため 18 個の LED を使うことにした。

 小型とはいえ 38KHz と 56.9KHz の変調周波数を切り換えられたほうがいい。そこで電源投入時のスロットルポジションによる変調周波数の切り換えを当初考えたが、思うようにプログラミングができなかった。そこでジョイスティックのセンタープッシュスイッチを押下しながら電源を投入すると 38KHz 変調波、何もせずに電源スイッチを投入すると 56.9KHz の変調波となるようにプログラムを変更した。

 送信機の内部に余裕がある場合は、PIC の 6 番ピンと 8 番ピンに接続されている 3.3KΩ の抵抗を 5KΩ のトリムポットに交換すると、ラダーのニュートラルとスロットルのスローポジションが調整できるようになる。

 ジョイスティックのスロットルスティックはローからハイに向かって抵抗値が大きくなるように結線し、ラダースティックはは左から右に向かって抵抗値が大きくなるように結線する。
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2003/07/01
2004/07/17 初期化ルーチンを訂正したソースファイルに変更。HEXファイルを追加