PIC の出力段にドライバを置くことで低抵抗のコイルを使うことが可能になる。通常はトランジスタによる H ブリッジ回路を使うが、マグネットアクチュエータ一つに 4 個のトランジスタを必要とするなど部品点数が多くなるので組むのが厄介である。オーディオアンプ IC または OP アンプ IC を使えば 30Ω ぐらいのマグネットアクチェータでもドライブできるようになる。
OP アンプを使うと負荷抵抗を小さくできるので今まで以上に太い線が使え、巻き数も少なくて済む。またリチウム電池 1 セルの電圧でマグネットアクチュエータをドライブできるので、使えるコイル抵抗の幅が大きく広がる。大きなトルクを必要とする場合にも有利である。
オーディオアンプでは PHILIPS の TDA7050 、 OP アンプでは ANALOG DEVICES の AD8532 、AD8534 、MAXIM の MAX4016 、MAX4020 等が使える。今回は入手可能な±120mA の許容電流を持つ MAXIM の MAX4020 を 3 チャンネル受信機に組み込んでみた(回路図)。この IC には 4 組の OP アンプが内蔵されている。 14 ピンの IC でピンピッチは PIC12C509/SN と同じハーフピッチ。この IC で 50Ωのコイルを駆動することができる。受信機の PIC プログラムは「赤外線ラジコン送受信機 NO.16 (受信機編)」にあるすべての hex file が使える。
3 チャンネル受信機の基板裏側に OP アンプを配置する方法で受信機を作ってみた。今回も 0.5mm 両面ガラエポ基板をカッタナイフによりパターンカットした基板表と基板裏。一回り大きな基板を作り部品を半田付けしてから回りの余分な基板を削って 14mmx11mm の大きさに仕上げた。
IRXA301-2 receiver bottom
手元にある Micro-Mag アクチュエータを繋いで動作テストを行った。このアクチュエータは 100Ω のコイルが使われてる。赤外線センサは仮につけたもので、飛行機に搭載するときは受信機と赤外線センサはケーブルで接続することになり、複数のセンサを取り付けることも可能である。