今までは自分が使っている送信機に合わせた受信機を作ればよかったが、ここにきて他メーカの送信機でも使いたいという要望が増え、自分だけで楽しむわけににもいかなくなってきた。幸い SANWA(AIRTRONICS) RD6000 を預かる機会があり、SANWA の送信機でも使える受信機にも対応した。 JR の送信機は少々古い (NET-S127H CORE) が、当初赤外線送受信機を手がけたときのものがあるので、Futaba 、JR 、SANWA と 3 メーカーに対応した受信機をプログラムを同時にテストしてみた。海外ではモード 2 で使うケースもあるので全部で 6 種類のプログラムになる。と思っていたらモードが変わってもシリアルパルスの配列は変わらないことがわかった。そこで 3 種類のプログラムにまとめなおした。それぞれのソースは Andy Birkett のものをベースにしてプログラムを改造した。シリアルパルスの割り当てはご覧のように三社三様である。
Circuit diagram | ch 1 | ch 2 | ch 3 |
Futaba (Throttle is set to reverse mode) |
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Aileron | Elevator | Throttle |
Aileron | Throttle | Elevator | |
JR | |||
irxa301j.hex for PIC12C509A | Throttle | Aileron | Elevator |
Elevator | Aileron | Throttle | |
SANWA AIRTRONICS |
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irxa301s.hex for PIC12C509A | Elevator | Aileron | Throttle |
Throttle | Aileron | Elevator |
スティックを動かす方向によるパルス幅の変化の違いはリバースモードの設定で合わせられるので問題ない。また、エルロンとエレベータの違いは単にマグネットアクチュエータのコイルを入れ替えれば済むのでこちらも問題ない。しかしニュートラルのパルス幅が少しずつ異なる。また、変化するパルス幅にも違いが見られた。手元の個体ではニュートラルが、Futaba が約 1.55msec 、 JR と SANWA が約 1.6msec 。トリムをセンターにしての可動パルス幅は Futaba で約 0.9msec 、JR と SANWA が約 0.8msec となっていた。スロットルにも違いが見られ、Futaba (throttle reverse) の最スローのおよそ 1.05msec に対し、 JR と SANWA ではおよそ 1.2msec だった。 Futaba 用に作った受信機を JR と SANWA で使うとスロットルを最スローにしてもモータが回ったままになってしまい、エルロンとエレベータはスティックを一杯に倒してもフルに動かないということになる。スロットルコントロールとマグネットアクチュエータコントロールを各チャンネルに割り当て、それぞれのパルス幅に合わせた PWM 制御を行なうことになるので 1 台の受信機で共用することができない。結局それぞれに合わせてプログラムを組替えることで対応した。
トレーナ端子を持たない送信機を赤外線システムに変更するには、送信機内部から必要なパルスを取り出すことになる。 JR の送信機では D.S.C. ジャックからシリアルパルスを取り出すことができるものの、送信機内部の電源を取り出すことができないので何らかの工夫が必要になる。 SANWA RD6000 ではトレーナ端子からシリアルパルスと電源を取り出すことができる。
以前公開した赤外線コントロールユニットの回路図は Futaba 用としてあるが、 SANWA RD6000 では PPR モードに切り替えることでそのまま使うことができる。ただし、DIN コネクタが Futaba のものと異なるので、この部分の変更が必要となる。
プログラムのを秋月電子の PIC プログラマで書き込む場合、コンフィギュレーションワードは hex file の中に書き込んであるので設定の必要はない。 IC-Prog で書き込む場合も全く設定を必要としない。他のライタを使う場合には __CONFIG _MCLRE_OFF & _CP_OFF & _WDT_OFF & _IntRC_OSC とする。