赤外線送受信機 NO.9 (受信機)

[Previous] [Next] [Index]
超軽量飛行機への搭載を考えた超軽量赤外線受信機の製作
 今回は軽量化に徹した赤外線受信機を作ることになった。今までにない超軽量な飛行機プロジェクトを計画し、その飛行機に搭載する。どのような飛行機にも搭載できるものではなく、今回のプロジェクトのために特別に受信機を作ることになる。

 飛行機の完成目標は 8g 。最初に作った 1.3g の赤外線受信機でもまだ重過ぎる。そこで今回は回路を見直し、動作するぎりぎりの部品構成で作ることにした。 FET は従来の約半分の重さである 2SK1483 を使う。 ON 抵抗が今までのものより大きくなるが軽さを優先した。赤外線受光素子も一つで済ませる。送信機のトレーナ端子に接続して使う赤外線コントロールユニットとの組み合わせなら、バレーコート 1 面ぐらいの体育館での飛行は全く問題ないと思われる。

 回路部品で一番重いのが赤外線受光素子の 0.6g 。前回同様受光素子は軽くするために周りの贅肉を削り落として使う。 削り込めば 1/3 の 0.2g にはなる。飛行機で最も電力を消費するモータに 4mm のページャーモータを使う。 PWM 制御で回転数をコントロールするため、 50% デューティ付近で電源リップルが最大となる。 140mAh リチウムポリマ電池を電源とした場合、その電圧は 1.3V ほどであった。 DC-DC コンバータで 5V に昇圧されたラインでは 300mV ほどになっていた。通常の電子回路では決して少ない値ではないが、今回の用途では取り立てて問題になるほどの事はないと考え、 5V 回路の平滑に使っていた 33μF のコンデンサを省くことにした。というより、この程度の容量のコンデンサをつけてもリプルはほとんど改善されなかった。赤外線受光素子の電源ラインに挿入していた RC フィルタも今回は省略した。 PIC のバイパスコンデンサは無視できるほどの重さなので使うことにした。 FET の出力回路に使うショットキダイオードはモータ負荷が小さいことから省略した。モータのノイズキラーコンデンサも省略。こんなに何もかにも省いて本当に大丈夫だろうか。所詮趣味に使うものと割り切ってテストに挑む。

 ということで今回の回路はかなりすっきりした。 DC-DC コンバータとマグネットアクチュエータドライバとスピードコントローラを含む 2 チャンネルの赤外線受信機となる。目標としてなんとしてでも 1g 以内に収めたい。スピードコントローラとマグネットアクチュエータドライバのプログラムは今までのものをそのまま使う。今回組み上げる回路図と実際に使用する部品。画像の 6V33μF を使わない替わりに 0.1μF のチップコンデンサが追加になる。赤外受光素子は既に軽量化してある。アクチュエータコイルを接続するためのコネクタはいくつも連なっているものをカットして使用。 2 個の PIC は SN タイプ。 6 ピン の IC が DC-CD コンバータ。画像の部品全部で 0.6g 弱なのでうまく組めば 1g に収まりそうだ。とりあえず DC-DC コンバータを組み立ててみた。部品が細かいのではんだ付けが大変だ。上側が入力側で下が 5V 出力になる。入力側から出ている赤い線はモータへ電源を供給するためのもの。配線がやけに太く見える。

 ケーブルの重さも無視できない。分解した携帯電話に細いケーブルが使われていたので、 DC-DC コンバータの配線を早速細いものに取り替えた

 配線材料を極力使わないで済むように部品のレイアウトを見直し、赤外線受光素子の背中に部品を配置して組んでみた。画像の IRX01-2 COMBO RECEIVER の完成重量は 0.76g とかなり軽量に仕上がった。

 その後 0.76g の赤外線受信機は A-1 1 号機に搭載して、三浦市潮風アリーナで動作確認のためのテスト飛行を行った。 45mx36m という広い体育館内でも問題なく動作してくれたので、バレーコート 1 面での飛行を想定した超軽量飛行機への搭載も全く問題ないと判断した。

 このところ軽量な赤外線受信機ができるようになったことで、いよいよ CO2 モータを搭載したインドアエアプレーンが飛ばせるのではないかと意識し始めた。 CO2 モータを搭載した場合にはスピードコントローラ機能が不要になるので、赤外線受信機は更に軽いものができそうだ。 


[Previous] [Next] [Index]
2003/01/10