3 チャンネルになればラダーのほかにエレベータが使えるようになる。インドアエアプレーンでは V テールの飛行機も結構多く、 V テールミキサーが必要になる。また無尾翼機ではエレボンミキシングが必要になる。ところが前回赤外線方式に改造した送信機にはミキシング機能がない。赤外線方式でも今までの RF 送受信機と変わらない使い方ができれば、受信機が軽くできるメリットを生かしていろいろなインドアエアプレーンに使えるはずだ。
当初ミキサー回路の搭載を検討したが、悲しいかなプログラミングレベルが及ばず断念。そこで普段使っている PCM1024Z 送信機に赤外線コントロールシステムを搭載できないか考えてみた。送信機自体の改造をしなくて済む高周波モジュールをセットするコネクタを利用する方法と、トレーナ端子を使う方法の二つがある。
高周波モジュールのコネクタを利用する方法で検討したところ、高周波モジュールを外した状態ではモジュールのコネクタに肝心のシリアルパルスが出ていないことがわかった。モジュールをセットしないと信号が出力されないようになっているらしい。そこでモジュールコネクタの使用は断念した。
トレーナ端子を利用する方法については、すでに FSM フライトシミュレータのアダプタを作ったときに、シリアルパルス出力が 2 番ピンから負論理ででていることがわかっている。電源出力だけわかれば赤外線モジュールは簡単にできそうだ。調べた結果 4 番ピンに電源が供給されていることがわかった。ただし 4 番ピンには送信機の電源スイッチが切ってあっても電源が供給されている。トレーナ端子の 5 番ピンと 4 番ピンを繋ぐと送信機の電源が ON になり、高周波出力は OFF になる。
以上の調査から、トレーナ端子(6P-DIN)を利用することにした。 DIN プラグを使った赤外線コントロールユニットを作り、トレーナ端子に差し込んで赤外線送信機として機能させる。赤外線コントロールユニットに電源スイッチを設けて、そのスイッチで送信機の電源も一緒に ON させる。
トレーナ出力のシリアルパルスは負論理なので、トランジスタを介して正論理にしてから PIC12C509A の 4 番ピン入力に送り込む。これは入力信号がない場合に 38KHz 変調出力が出力ピンから出ないようにするためである。また正論理入力とすることで、 PIC プログラムも前回作ったものがそのまま使える。電源と入力を除く全てのピンを出力になるようにプログラムしてある。hex ファイル。
トレーナ端子を利用する方法なら送信機の改造は一切必要ないので、トレーナ機能のある Futaba の送信機なら簡単に赤外線送信機になる。 早速簡単な回路を組んでトレーナ端子に DIN プラグを差込み、きちんと動作するかを確認した。普段使っている送信機が使えればいろいろな機能も備わっているのでとても便利だ。
前回改造した送信機には 40 個の赤外発光ダイオードを使用した。 RF 送信機に比べたらその消費電力は比較にならないほど少ない。秋月電子通商の赤外投光器キットを使っているが、キットには 56 個の赤外発光ダイオードが入っている。なるべくなら余らせることなく使いたい。そこで今回は 55 個の赤外発光ダイオードを使って組むことにした。今回の回路図。
ありあわせのケースにあわせ、ユニバーサル基板を使ってコントロールユニットを作った。ケースにはこんな感じでセットした。赤外発光ダイオードは指向性を広げるためにこのようにユニバーサル基板をドライヤーで熱して曲げてみた。
ケースの側面に電源スイッチを取り付けて、 DIN プラグのついたケーブルを送信機の裏側に差し込む。完成した赤外線コントロールユニット。送信機への良い装着方法がなかなか考えられず苦肉の策で取り付けてみた。