4.3 機械化作業計画
4.3.1 組作業の負担面積 目次(第4章)へ
4.3.1.1 単純負担面積
ある作業期間中,その作業のみを行う場合の負担面積を単純負担面積(Hm)という.たとえば,種子予措作業では,C=0.333ha/h,Ta= 6.4h,n = 2であるので,(4.22)式からCd=4.26 ha/日,また,P=21,K=75%,N = 1であるから,(4.24),(4.25)式からHm=67.1(ha)が得られる.
4.3.1.2 複合負担面積
実際には,ある作業期間に複数の作業を行う必要がある場合,その組作業の負担面積は,各作業の単純負担面積より小さくなるが,これを複合負担面積(Hc)とよぶ.
〔例1〕 作業期間が同一である組作業
表4.3の作業15,16は,C=2.4ha/h,D=3.75日,Td=8h/日,Ta=5.8h/日,また,2作業のha当り所要作業時間t=2/C=0.83(h/ha)であるかるから,(4.27),(4.29)式からHc=D・Ta・m/(t・N)=26.2(ha)が得られ,これは単純負担面積の1/2になっている.
作業期間が同一である複合負担面積(Hc)は,一般に次式から得られる.
Hc = S / Tc
= S / ( t1 / m1 + t2 / m2 + t3 / m3 + ・・・・ ) eq. 4.30
ここで,S:総作業可能時間(h)=D・Ta
ti:i作業のha当り所要時間(h/ha) m i:i作業の機械台数
Tc:組作業のha当り所要時間(h/ha)
図 4.2 三つの作業の作業期間が重複している場合
〔例2〕作業期間が異なる組作業(3章2.2参照)
〔例3〕3つの作業の作業期間が一部重複している場合の負担面積は,つぎのように求められる(図4.2参照).
全作業可能時間Sを,三つの作業の所要時間比f1,f2,f3を用いてS1,S2,S3に分け,これらが各作業の可能時間S1,S2,S3の範囲で作業可能かどうかを検討する.ここで,T =t1+t2+t3とする.
s1 = S * f1
= S * t1 / T eq. 4.31
s2 = S * f2
= S * t2 / T eq. 4.32
s3 = S * f3
= S * t3 / T eq. 4.33
1)S12 ≧ s1+s2,S23 ≧ s2+s3のとき
もしS1 ≧ s1,S2 ≧ s2,S3 ≧ s3 ならば,
H = S / T
= s1 / t1
= s2 / t2
= s3 / t3 eq. 4.34
もしも,S1 < s1 ならば
H = S1 / t1 eq. 4.35
S2 < s2ならば
H = S2 / t2 eq. 4.36
S3 < s3ならば
H = S3 / t3 eq. 4.37
2作業以上が,制約時間内におさまらないときは,そのHの最小値が負担面積である.
2) S12 < s1+s2または,S23 < s2+s3ときは,それぞれ,S12期間における作業1,2の負担面積,S23期間における作業2,3の負担面積はつぎのように求められる.
H = min [ S12 / ( t1 + t2 ) , S1 / t1 , S2 / t2 ] eq. 4.38
または,
H = min [ S23 / ( t2 + t3 ) , S2 / t2 , S3 / t3 ] eq. 4.39
したがって,(4.34)〜(4.39)式をまとめて,
H = min [ S / T , S1 / t1 , S2 / t2 , S3 / t3 , S12 / ( t1 + t2 ) , S23 / ( t2 + t3 ) ] eq. 4.40