物事は総合的に評価し判断することが重要である.部分的な見方だけでなく総合的に考えようというのがシステム的考え方あるいはシステムアプローチ(
systems approach)である.全体をよくするには,各部分をよくすることだけで十分であろうか.一般に複雑なシステムではその部分部分を最善にしても全体として最善にならないことが多い.そこで,システムアプローチにより,各部分間の相互関係を調和のとれたものにすることが要求される.
歴史的にも,ここ数百年は分析的な科学が技術の進歩発展をもたらしたといわれるが,今後は大規模プロジェクトや環境問題などを扱う総合的な科学がそれにも増して重要になるであろう.
このように,今までの科学は分析の科学であったが,これからは,「システム工学」や「複雑系の科学」[1]のような総合の科学が重要になると考えられる.
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