北九州市でボランティアや地域振興に取組む個人や団体を、

毎年顕彰されている 公益財団法人「芳賀文化財団」から

2023年12月 テキスト訳サークル「こもれび」を顕彰していただきました。

顕彰していただきました

活動の概要

 視覚に障害のある人は、紙媒体の書物や印刷物をそのままの状態で読むことは大変難しい状況にあります。
 そこで、当グループでは、障害のある人が、音声読み上げソフトを使って『聞く』ことができるように、以下のようなテキスト訳を行っています。


① 利用者の方から持ち込まれた書籍や学術書、各種資料などを、スキャナーで読み取り、文字データに変換したものをメモ帳やワードに書き出します。

 

② 書き出された文章が、原本通りになっているかどうかを確認しながら、聞きやすく、わかりやすくするための編集作業を行い、完成したデータを依頼者へ提供します。(著作権のあるものは御購入された方だけへの提供となります)


テキスト訳とは?

 紙媒体の書籍や印刷物をOCRソフトで読み取って、Word や メモ帳で文字データにすることをテキスト化(テキスト訳)といいます。(基本的にメモ帳を使用しています)

① スキャナーで読み取ったデータをOCRソフトを使って文字変換をし、メモ帳に書き出します。


②  OCRにより文字変換されたデータは、誤変換、脱字が多いため、原本と比較しながら修正をする必要があります。メンバー間で校正を繰り返し、確認作業を行います。


③  図やグラフ、表、イラストなどの代替えテキスト部分はOCRソフトでは対応できないため、視覚に障害がある人に音声だけで理解していただけるよう、その内容を文章にして提供します。その文章表現で図やグラフなどがわかりやすく伝わるかについても、メンバー間で精査をおこないます。


現状と目的

< 現状 >
 現代社会は、多くの情報で溢れています。しかし、視覚障害者にとって、必要かつ欲しい情報を素早く入手することは、難しい状況にあります。
 北九州市だけでも身体に障害のある人は約 5万人。その中で視覚に障害のある人は 6.8%(約 3,400人)といわれています(平成29年度3月末)。


 視覚障害者=点字と思われがちですが、点字を触読できる人は、1割程度といわれています。残りの9割の視覚障害者は、情報を入手するために何らかの支援を必要としています。点訳・音訳は完成までにかなりの時間を費やすので、今すぐにでも欲しい情報がなかなか手に入りにくいのが現状です。最近では、音声で読み上げる書籍も登場してきましたが、一部の書籍に限られています。


 また、ネット検索により、視覚障害者も音声ソフトで様々な情報を入手できるようになってはいますが、多くの場合、ネットの画面やPDFなどの資料が、全ての項目をきちんと読みあげるように工夫されていないことが多いため、「聞く」ことで全体を把握するのが難しいという現状もあります。

< 目的 >
 テキスト訳は点訳・音訳に比べ、短期間で完成させることができるという優位性があります。
 私たちは、視覚に障害がある人たちが必要とする書籍、学術書、取扱説明書(ネット上のPDF資料)などをテキスト化したデータを出来るだけ早く提供することを目的とします。