わたしが図書館でかりてくる本のほとんどは歴史関係の本。
その中でも昭和初期から昭和20年代までの範囲が多い。
写真が掲載されている特集モノはほとんど借りつくしてしまったので、最近は歴史分析モノが多い。
土曜日に借りてきた一冊の中に瀬島龍三氏の「大東亜戦争の実相」という本がある。
まだ、読みかけなのだがコレが中々良い。
瀬島氏は大本営参謀から関東軍参謀を歴任され、敗戦とともにソ連抑留。
昭和31年に帰国後、33年に伊藤忠商事に入り会長まで上り詰めたあと、現在同社の特別顧問という肩書き。
その他NTTの相談役などすごそうな肩書きをたくさん持つすごい人だ。
経歴だけを見ると、いかにもゴルゴ13に登場しそうな雰囲気だが、そんな経歴の氏がハーバード大学で行った講演録である。
わたしは戦中戦後の官僚の意思決定システムに興味があるのだが、戦中の軍という中の官僚組織の意思決定のプロセス、明治憲法下の軍がかかえた矛盾などが、とてもわかりやすい展開で述べられている。
複雑怪奇なことを理路整然と述べるとは、このようなことを言うのだなと妙に実感させられてしまった。
本当に頭の良い方なのだと思った。
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