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 9   【知的生産】思考の整理学 外山 滋比古
UPDATE:
2007/03/04 (Sun) 
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筑摩書房:546円(税込)
ISBN: 4480020470 (1986/04)
おすすめランク★★★★★
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オアゾの丸善本店、3階の文庫売場のレジ前に大量に平置きされていた一冊。
見るからに古そうなデザインだなと思い、奥書きをみると1986年発行となっていた。
ちなみに、この86年は文庫版が出た年で、元の発行は1983年らしい。
いずれにしても20年以上前の本で、わたしが購入したのは31刷になる。
 
なぜ、今頃、このような古い本が平置きで売られていたのかは不明。
わたしの知らないところで、有名な本なのかもしれない。
初めて見た本だったが、パラッと見て面白そうだったので購入。
 
ちなみに、丸善で手にしたときに目に入ってきた「3章」を紹介すると、次のとおりである。
 
・情報の”メタ”化
・スクラップ
・カード・ノート
・つんどく法
・手帖とノート
・メタ・ノート
 
このテーマを見たら、わたしの琴線に引っかかってきたのも、ご理解いただけると思う。
 
 
内容は、社会科学系の先生の提案する合理的知的生産術ではなく、人文科学系のどこかおっとりとした知的生産術。
加えて、アイデアの熟成について、ネタを寝かせる効用を何度も掲げているので、余計にゆったりとしたイメージを受けるが、平易な文章なので、あっという間に完読。
 
知的生産に関する33のテーマについて、1タイトル3〜4ページでエッセイ風に書かれているので、つまみ食いしながら読むのも良いかも。
 
   ◇
 
本書で紹介している数あるテーマの中でも、特に「手帖とノート」について項目が面白い。
 
ここでは手帖は記録のツールとして活用(要はメモ)。
記入した後は、しばらく寝かせる。
そして、見返してピンとくるネタはノートに転記して、広いスペースでアイデアを膨らませるという、著者の手法が紹介されている。
 
わたしも、このHPの原稿作成は、似たような方法を取っているので、おお、なるほどと共感しながら読むことができた。
 
私の場合、リドの手帳に、思い付いたネタ(この場合は項目程度)を、適当な更新日に割り振って記入。
ヒマを見つけて、そのネタを眺めて、ピックアップしたテーマ(現実は書く気がおきたテーマ)をノートに転記して、ラフ原稿に落としこむ。
ノートに転記されるまでの間は、手帳のなかで熟成されていて、ラフ原稿になったあともしばらく寝かせて、ノートの中で熟成。
 
しばらくしてその原稿を読み返して、適当な朱を入れる。
その後、ようやくテキストデータに落としこむ。
このテキスト化の段階で、また推敲が入る。
 
最終的に、HP作成ソフトに取り込んで、最終チェックとしている。
 
私の場合は、ここで終わりだが、本書では、次のステップとして、メタ・ノートを作成することも紹介している。
この、メタ・ノートについては、もう少し研究をしてみたいと思う。
 
   ◇
 
この本が出版された時代に比べ、現在では情報技術の進歩により、大量の情報を容易に「検索・取得・加工」することが可能となった。
 
一瞬、知的生産の環境も進化ような錯覚に陥るが、情報の取得と、新たなアイデアを生み出すということを混同しないことが大切である。
 
最近の知的生産系の書物は、IT活用と絡めたものが多い。
しかし、知的生産系については、ITは雑音だ。
本書のように、ITに毒されていない時代の本を読むと、雑音のない純粋な知的生産の部分が見えてくるので面白い。
 
知的生産を行うには、自分の手で書き込み、自分が考えることが近道だと、再認識させられた一冊であった。



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