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エイ出版社:714円(税込)
ISBN: 4777904202 (2005/09)
おすすめランク★★★★☆
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久しぶりに購入したカバン本。
著者は、万年筆画という独自の世界を開拓されている古山浩一氏である。
以前から近所の本屋に、ヨレヨレのモノが一冊だけ置いてあり、たまに立ち読みをしていた。
セブン&ワイなどで注文すれば、すぐに綺麗な本が届けられるのだが、ほとんど立ち読みしてしまったので、なかなか購買行動にまで移せず。
そんな状況の中、GWに博多に遊びに行った時に、青山ブックセンターにきれいなものがあったので確保して帰った。
本書は50のカバンについて、著者が描いたカバンの絵+エッセイの構成になっている。
実際に、カバンを買う際の参考とするのならば、絶対写真の方がイメージが伝わりやすい。
でも、読み物として読む場合、こうした絵の方が想像を膨らませて読むことができるので面白いと思う。
紹介されているカバンの多くには、著者が実際に使い込んだ感想が書かれている。
この著者は、かなりのハードユース系のようなので、乱暴に使うとどうなるということもわかり、勉強になる。
BREEのカバンの項では、何を持ち運んだのか知らないが、書類カバンの取っ手が抜けたとあった。
私のBREEのブリーフケースの取っ手を見てみたが、芯材を一枚革で包んで、両端はチューブを潰したように革が2枚重なった状態になっている。
それを、カバンの側面と天のマチを構成する革を縫い合わせる所に挟みこんで一緒に縫いこんである。
糸もかなり太いものなので、少々のことでは抜け落ちることはないはずだ。
そういうカバンをぶっ壊す使い方をする著者が、実際に使ったレポートがいくつも紹介されているので、参考になることも多い。
車でいえば、お客の試乗した感想を読むというより、市販車でラリーに出た感想を読んでいるような感覚か?
私は神経質なので、自分のモノにはチョッとした小キズが付いたりするのもイヤだが、他人が他人のモノをどう扱うかまで、口出しをするつもりはない。
なので、他人の乱雑系レポは、冷静に参考資料として読めるのだ。
読んでいて、楽しい一冊である。
カバン好きの方ならば、同じ感想をもたれるのではないだろうか。
余談になるが、この著者は何故か色々なところで見かける確率が高い。
Aというお店で見かけて、続いてBというお店に行ったら、あらら、こちらにもというヤツだ。
行動パタンが似ているのだろう。
なぜか、私が見かける時はショルダー系のバッグを肩にかけていることが多い。
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