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 50   【知的生産】創造の方法学  高根 正昭
UPDATE:
2004/09/03 (Fri) 
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講談社:714 (税込)
ISBN: 4061455532 (1979/09)
おすすめランク★★★★★
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初版が昭和54年発行の、とても古い本である。
タイトルをだけでは内容を想像しにくいが、社会科学の基礎となる、仮設検証の方法を説明した内容となっている。
 
この本は、もう十数年まえになるが、大学1年の後期の授業で使用したテキストだった。
わたしの大学のゼミは3、4回生の時にあったのだが、それまでに2回プレゼミという、まあゼミに入る予行演習みたいな授業があり、そこで使用したのだ。
 
「何をどれだけ憶えるか?」や「何をどれだけ知っているか」に偏重していた高校生までの学校教育と比較して、自分でテーマを決めてそれをどのように検証していくかという、経済学部で必要な思考方法を担当教官も伝えたいと考え、このテキストを選んだのだろうと思う。
 
ただ、このことに気が付いたのはかなり後のことで、その大学1年当時は、そんなことを考えるより麻雀のテクニックを磨くことの方が大切だった。
事実、このテキストを使った授業は、初回、試験の直前及び試験当日の3回しか出席していないし、このときは試験対策のためにとりあえずテキストであるこの本を買っただけで初めて開いたのは、テキスト持込可の試験会場だった。
 
実際に本腰を入れて読んだのは、卒論のテーマを決める頃だった。
 
本書の素晴らしいところは、問題どうたてて整理するかに始まり、原因と結果の論理、命題と仮説、仮説と検証、記述と説明、社会科学の中での変数(概念)など、経済学などの社会科学に不可欠な思考方法が新書本として非常にコンパクトにまとめられていることだ。
そして、このテキストを使用した授業に3回しか出席しなかったわたしでも、あとから読んで理解できたので、この手の本(といっても他にあまり目にすることがないが・・・)としては内容的にもわかり易い部類に入るのではと思う。
 
なぜかは憶えていないが、卒論前ギリギリに、たまたまこの本を手にしたのはとても運が良かった。
また、論文を書く時にはもちろんだが、実際に仕事を進める上で、仮説検証が必要になることはとても多い。
社会人になる前に、仮説検証の基礎をこの本を読んで身につけることができたのは、とてもラッキーだった思う。
 
学生時代、赤のダーマトグラフで大切だと思ったところに線を引くのがクセだったので、今あらためて読み返してみると、その当時の自分がどこがポイントと感じていたのかがわかって面白い。
 
コラムを書く前に、絶版になっていないか確認してみたら、今でも取り扱いはあるみたいだ。
わたしが持っているのは、昭和61年8月の第6刷、定価480円(この当時はまだ消費税というものはなかった)。
同じ本で比較してみると、18年で約1.5倍の名目インフレが進んだことになる。



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