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 46   【知的生産】発想法 川喜田 二郎
UPDATE:
2004/12/20 (Mon) 
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中央公論新社:693円(税込)
ISBN: 4121001362 (1967/06)
おすすめランク★★★★☆
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おなじみKJ法の解説本である。
初版は1967年なので、知的生産の技術の約2年前に出版されている。
37年前に書かれた内容であり、当然内容としても古い。
しかし、考え方自体は現在でも活用できるものがいくつも盛り込まれている。
 
わたしが新入社員だっだころ、このKJ法は研修メニューの定番だった。
名前はKJ法と直接的な名称を使うことは少なかったが、グループ演習で研修のフィナーレを飾るケースが多かったのでは。
 
大判のポストイットと大判用紙を使用して、問題点や答えをそれぞれが思いつくだけポストイットに書き込む。
それをグループで集めて似たものをグルーピングしてタイトルを付け、連関図を作成。
それを元にグループの検討結果をレポートにまとめる。
こうした研修を受けたことのある方も多いのでは。
いわゆるその研修の元本が、この「発想法」である。
 
不思議なことに、最初に就職した自動車メーカの研修でも、転職した今の職場でもこのKJ法の研修を受けたのだが、これまでに、まわりでこの手法を使っているのを見たことがない。
みんなこっそりと使っているのだろうか?
 
あれだけ手間隙かけて、場合によってはコンサルから高いお金を払って講師を招いての研修なのに、これだけ実務に生かさずにいながら、研修の定番になっているのは不思議なことでもある。
 
いずれの研修部門もなぜこのKJ法を新入社員教育で採用しているのかその意図はわからない。(もしかして1967年から前例踏襲で、何も考えずに研修メニューを作成していたのならそれはそれですごいかもしれないが・・・)
 
わたしが思うに、この本からは、グルーピングの手法を身につけることができれば良いのではと思う。
元々は、野外科学というフィールドワークで収集した大量のデータをどのように整理分析するかを目的で編み出された手法であるが、仕事でそんなことをするのは研究開発部門の人くらいではなかろうか?
 
今は大量のデータがシステムにある時代である。
そのデータの分析に、このグルーピングの手法を活用すれば、仕事を進める上で役に立つと思う。
 
具体的にわたしが実践している方法は、分析項目をKeyにソートをかける。
そして、一定の階層にデータを分類して、その階層(グループ)を比較分析していく。
そこから色々とデータの特性を解析していくのである。
 
あと、KJ法の趣旨からはずれるかもしれないが、仕事で活用する場合、結果を推測してそれを証明するためにグルーピングの手法を活用すると、案外うまくくいくことが多い気がする。
(新しい発想は生まれてきませんが・・・)



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