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ロコモーションパブリッシング
1,575円 (税込)
ISBN: 4862120261 (2005/11)
おすすめランク★★★★☆
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昨年11月、神戸に行った時にジュンク堂の三宮店で購入した一冊。
タイトルどおり、一冊まるまるラミーというラミーファンにとって待望の書。
これまで、エイ出版社から出ている「机上空間」というムックで12ページのラミー特集とシイベルから送ってもらったカタログが、手元にあるラミーの最大の情報源だった。
しかし、今回とりあげたこの本は126ページのラミー特集である。
スゴイ!待ってました!と叫びたくなる。
この、ラミーというブランド、わたしの中ではデザインに優れた不思議なブランド。
同じドイツ製品のモンブランやペリカンは底流には同じ血が流れているのが読み取れるのだが、このラミーはどうも遺伝子がちがうのか、ドイツらしさがにじみ出ていない無国籍風なところがいい。
また、洋モノには珍しい、非常にコストパフォーマンスが高い製品が多く、お買い得感があるのも大きな魅力。
いつも行く近所の文具屋の店長と万年筆談議に花を咲かせていた時、ラミー2000の万年筆、価格は2万円だが書き味はそれ以上のものがあり、このカウンターの万年筆の中では一番コストパフォーマンスが高い万年筆だよと店長が言っていたのを思い出す。
ラミーの筆記具、わたしが最初に買ったのはローラボールのティポ。
続いて万年筆のサファリ。
そして、ローラボールのスイフトと3種類持っているのだが、いずれも製品にも、他社にはない一工夫やこだわりがある。
しかし、価格的には、同等の国産モノにちょっとプラスαすれば買えてしまう。
例えば、廉価版万年筆としては、とても高い評価を受けているサファリの万年筆。
デザインがまず独特の雰囲気で、はじめて見たら何これ?と思うようなところがあるのだが、手にしてみると、なかなか考えられたデザイン。
グリップの形状も工夫があり、持ちやすくてとても書きやすい。
これで3,675円というのは、かなりお買い得だ。
そう思ったので、一年間で7本のサファリを買ってしまった。
最初に買った万年筆がラミーだったせいで、今は万年筆にどっぷりと漬かった生活になっている。
本来、筆記具はガンガン使ってこそ道具も喜ぶという意見もあるかもしれないが、ある程度の金額を出したペリカンなどは、ガンガンどころか超過保護状態で、毎日、磨き磨きしながら使ってあげたいタイプ。
しかし、ラミーの製品はガンガン使えるところがいい。
単にペリカンなどに比べて価格が安いからということもあるが、不思議と外で使いたくなるのだ。
なので、手帳に挟んで持ち歩いているのは、スイフト。
職場で使っているのはサファリの赤軸の万年筆だ。
本書は、そんなわたしの大好きなラミーを、いろいろな角度から紹介している。
現役の商品は当然だが、オールドラミーや国内未取り扱いのモノも掲載されている。
あと嬉しいのは、生産現場が紹介されていること。
自分が好きなものが、どういうとこころで作られているのかというのは、とても興味がある。
ただ、生産現場は見なければよかったという場合もあるので、注意は必要だが・・・。
現在どのような製品があるのかを網羅した資料は、これまで薄いカタログしかなかったので、本書の解説付きの内容だけでも貴重なのだが、加えて、過去からの製品の流もわかりやすく紹介されているのが嬉しい。
ラミーの魅力を思う存分紹介している一冊だと思う。
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