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 17   【文房具】101本の万年筆 中島 茂信
UPDATE:
2006/06/11 (Sun) 
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阪急コミュニケーションズ
2,940 円 (税込)
ISBN: 4484062216 (2006/05)
おすすめランク★★★★☆
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世界的に有名な万年筆コレクタ、すなみまさみち氏のコレクションの中から、傑作と呼ばれるものから個性的なものまで101本のペンを紹介している。
「Pen」という雑誌の中の「一本の万年筆」というコーナーで連載がつづいていたものをまとめたものとのこと。
 
実はこのPenという雑誌、時たま、建築の面白い特集をする時だけ購入していた。
そういえば最近は購入していない。
永久保存版として保存している号が何冊かあるので引っ張り出してみた。
あたりまえだが、ちゃんと一本の万年筆というコーナーがあった。
しかし、雑誌購入当時は、このコーナーを見た記憶が全くないので、本当に万年筆というものに興味が全くなかったのだろう。
最後に、購入したのが2004年の4月号なので、少なくとも2年前は、今と趣向が違っていたことがわかって面白い。
 
そうしたコーナーをまとめた本書の構成だが、見開き1ページに一本の万年筆が紹介されており、その見開きで内容は完結している。
保存していた雑誌4冊分と比べてみた。
文章の中に、説明の年号を入れたりと、若干の補筆がされているが、基本の部分は、まったく同じ。
写真も、雑誌に掲載しているものと同じだった。
なので、今まで「Pen」でこのコーナーを楽しみに読んでいた方は新鮮味がないであろうが、わたしのように読み飛ばしていたような人は、楽しく読めるはずだ。
 
内容は、とても読みやすい構成に仕上がっている。
見開きで一本の万年筆を紹介していると先に触れたが、左ページに万年筆の紹介文と、その万年筆が販売されていた時代の広告が掲載されている。
わたしは、こうしたレトロ広告のデザインもすきなので、この構成は嬉しかった。
 
右ページは、ペン本体の写真がド〜ンと掲載されており、ペン先の拡大写真、そのペンの特徴部分の写真が数点掲載されている。
こうしたパタンが、すべてのページに共通している。
わたしは、こうした標準化されたものを見ると、それだけで気分がよくなる。
 
雑誌一ページのコーナーということもあるのだが、完結にそのペンの魅力を紹介している文章からも、一本のペンにまつわる歴史や背景がよく伝わってくるので、読んでいて楽しい。
 
欲を言えば、わたしのあまり好きでないパーカーがたくさん取り上げられており、大好きなペリカンが2本しか掲載されていないことが面白くない。
監修者に言いたい。
「もっと、いいペリカン、たくさんあるんじゃないの〜?」
 
正直、なんでもいいのでペリカンファンの私としては、もう、5〜6本はペリカンを取り上げて欲しかった。
 
もう一つ言うと、本の形。
せっかく内容は標準化されているのに、本の形が変なこと。
こういう普通のサイズでない本は、本棚に収納した時、美しくない。
本の高さが違うのはまだ許せるが、本棚に納めた時、背表紙が凸凹になるのは生理的に受け付けない。
 
まあ、いろいろ書いたが、定価2,940円。
いきなり買わずに、まずは本屋で手にして、冷静に考えて買いたい一冊である。



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