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日本能率協会マネジメントセンター
1,050円(税込)
ISBN: 4820743929 (2006/10)
おすすめランク★★★★☆
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2004年に、手帳200%活用ブックというオレンジ色の本があったが(今年も、手帳売場に置いてあることが多い)、その本と同じシリーズと思われる。
ただ、今回の緑本は、前回のオレンジ本と異なり、正直面白い。
オレンジ本は、具体的な活用事例も出ていたが、どちらかというと、編集者が作った一般的な手帳活用方法の紹介が主であった。
この、一般的な事例を列挙したタイプの手帳本は幾つか出ているが、私は、そういうスペースを取るのならば、編集者個人の手帳でもかまわないので、具体的実践例を本人の手帳を公開しながら解説してほしい。
編集者が頭の中で考えたことより、具体的実践例の方が、いくら不完全なものであっても、読んでいるが取りこみやすいと思うからだ。
今回の緑本は、そんな私が好きな具体的事例の紹介に徹している。
掲載方法がインタビュー形式なので、当然、編集者のイメージする方向にまとまった内容になっているはずだが、邪魔な記事がないため、楽しく読むことができた。
そんな中で面白いと思ったのが、P46の博報堂の榊原氏の記事。
「企画を考えることと、企画を作るのは全く別のこと」という言葉から始まる榊原氏のインタビューには、仕事を進める上でのヒントになることが、いくつか含まれている。
氏は20年前、上司から企画を作るための手書きのフォーマットを渡されたという。
そのフォーマットに従い、ステップを踏んでいけば、企画が出来上がるようになっていたらしい。
ツールはPCなどに変わったが、氏の企画作りの方法は、いまでもそのフォーマットと同じだとのこと。
わたしも、自動車会社でシステム開発を行っていた時、これに似たプランニングのフォーマットを、先輩から叩き込まれた。
そして、仕事の内容は変わったが、やはり、プランニングの手法はこの時のフォーマットに従って、今でも仕事を進めている。
こうした発想の手順は、何か一つ自分のモノにしてしまうと、大体の仕事がこのパタンでこなせるというものが多い。
これが、会社経営などに話を広げていくとベストプラクティスとよばれたり、定石集とよばれたりして、コンサルティングの商売ネタになったりもする。
きっと、皆さんのまわりにも、明文化されているかどうかはわからないが、こうした定石集がころがっていると思う。
早く、拾った人が、周りに一歩差を付けれるかも・・・。
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