前回、神田の金ペン堂で「カスタム74」を購入した話を紹介した。
今回は、その時に一緒に購入した、サファリオレンヂの話。
なので、こちらも1年近く前の話になる。
今年のサファリの限定色はブルー系ということで、全く購買意欲が刺激されない。
しかし、2009年限定色については、伊東屋本店でF・Mのペン先をそれぞれ一本ずつと、BPについても一本入手していた。
2004年の限定橙も一本持っているので、万年筆ではオレンヂ・サファリは3本の所有。
でも、店頭から姿を消し始めたころに、また一本欲しくなってきた。
しかし、そう思いはじめた2010年の初めごろには、店頭からオレンヂ軸はほとんど姿をみかけなくなったなァ、と思っている間に、気が付いたら店頭から全く姿を消してしまっていた。
前日まで、伊東屋のオンラインショップで在庫ありとなっていたので、本店店頭に行ってみると、すでに完売です!と言われた。
一方、場末の文具店では、ケースから出したものを、後生大事にディスプレイケースに一本だけ展示されているものを見かけたりもした。
が、ケースから出ているということは、数人の手に触れられている可能性が高い。
ウルトラ神経質の私にとって、そのような状態のものを買うなどとは、当然、選択肢にはない。
なので、たまにブツを見つけても、いつまでたっても入手できない状態であった。
そんな時に、カスタム74を求めに、プラッと金ペン堂に立ち寄ったのだった。
カスタムを買うときには、全神経を集中して選んでいるので、周りの景色など目に入ってこない。
で、購入のブツも決まり、ほっとしながら息子さんと店主の奥さんと三人でお喋りをしていると、ペリカンと向かい側のショーケースの中に、大量のサファリがあるのが視界にはいってきた。
そして、サファリの大群の中には、4〜5本のオレンヂ軸が積まれているではないか。
(※ 2010年2月の話。昨日、見に行ってみましたが、当然、オレンヂは売り切れでした。)
確か、趣味文Vol.5の金ペン堂特集記事には、1万円以上の万年筆には調整を施していると紹介されていたので、サファリは検品だけだと思っていた。
なので、金ペン堂でサファリの万年筆を買おうという頭がまったくなかったのだが、こちらのお店、実は、Lamyの品ぞろえも結構いい。
加えて、最近のサファリの品質は「?」の部分も大きいので、検品済みの万年筆というのは、ある意味貴重かもしれない。
ということで、カスタムに加えて、サファリのペン先Mを追加で購入。
早まって、場末の文房具店で、ケースから出されていじくり回されたブツなどを、焦って買わなくて本当によかった。
息子さんは箱に入れながら、「Mだと相当太いですよ・・・」などと意味深なことを言う。
持ち帰って、早速、カスタムと並べて、ペン先をルーペでのぞいてみた。
すると、検品どころか、しっかりと金ペン堂のペン先になっているではないか。
趣味文の怪しい画家のレポートには、1万円以上などと書かれいたが、サファリにもしっかりと金ペン堂の魂がふきこまれていた。
インキをとおしてみると、たしかにMというよりも、その太さはブロードだ。
フローが最大限に潤沢になるように検品されていて、使っていても楽しい。
ということで、この万年筆は、今、自宅用で最も登場回数の多い万年筆になっている。
スペックとしては、コンバータ+ペリカンのローヤルブルーインキ。
メモやノートの記入に、気軽に手にできる万年筆である。
(2011/02/27)
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