【特集】万年筆を買いに

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●万年筆を買いに(金ペン堂・ペリカンM205DUO購入記)

昨年の当ペーヂのコラムで、2009年はペリカンの当たり年とコメントした記憶がある。
たしか、茶縞と青助がワンタイムエディションで登場することを指してのことだったと思う。
だが、今年は昨年に負けす劣らず、ペリカンが熱い。

今年は、M20X系、M800系、そしてM101Nと3本ものワンタイムエディションが登場する。
その3本の中のトップバッター、M20X系であるトラディショナルM205DUOが、先週末に発売開始となった。
6月末と言われていた発売が、約1カ月遅れたことになる。

今回も、検品力で定評のある神田の万年筆専門店、金ペン堂でこのM205DUOを入手した。

この万年筆は、ハイライタインキというものがセットになっていて、13,650円と、通常のトラディショナルよりちょっと高め。
しかし、この価格、現物を見て納得。

昨年、トラディショナルM205シリーズに、赤、白、黒の新色が出た。
この新色シリーズは、価格が10,500円から12,600円に値上げされている。
このご時世、えらく強気の商売だなと思いながら、実物を見てみると値上げされた意味がわかった。

通常、スーベレーンシリーズとトラディショナルシリーズの、ペン先を除く見た目の違いは、大きく2点ある。

まず、尻軸の吸入機構の部分のリングについて、一つなのがトラで、二つなのがスベレン。

あとは、キャップトップの部分で、トラは黒いプラ製パーツで天冠が留められているが、スベレンはクリップと同じ金属(orメッキ)パーツで天冠を押さえている。
黒いプラ製パーツは、価格が15,750円のトラM215シリーズも同じ。

昨年発売の新色M205シリーズは、キャップトップの部分が、スベレンと同じようにクリップ同色の仕様になっている。
新色はシルバートリム系なので、クリップ同様にシルバーのパーツで天冠を押さえているのだ。
この、仕様変更が価格改変の理由であろう。

この仕様変更、わたしは高級感が増して、好意的に受け止めている。
特に黒軸のM205は、価格に対して中々の雰囲気だと思う。

   ◇

今回発売になったM205DUO、こちらも新色シリーズ同様に、キャップトップの天冠を押さえるパーツが銀色になっている。
なので、万年筆本体の価格は12,600円ということだろう。

最初は、トラディショナルのくせにインクが付いていてもちょっと高いなと思っていたのだが、その差額は1,050円。
千円ちょっとで、日ごろ入手することができない、蛍光インキを入手できるとあっては、これは、かなりお買い得な万年筆ではなかろうか。

今回は、蛍光インキが添付されているだけでなく、これまでのペリカンの地味な雰囲気を払拭する、新たな工夫がなされている。
大きなところは、オリヂナルのパッケーヂであろう。
明るい雰囲気のパッケーヂは、軸の黄色の魅力をさらに引き立てている。

このM205DUO、ペン先はBBオンリ、添付されているインキは蛍光インキということで、万年筆による蛍光ペンとしての用途をペリカンがプロポーザルしてきたということが面白い。
こういう挑戦は、ペリカンファンとしては大歓迎だ。

広島ローカルの万年筆会社のように、キワモノ系に走られても困るが、今回のような試みは、マンネリ化を打破し、新しい用途を切り開く意味でも、今後の展開が楽しみだ。

今回の購入目的は、ステンレスペン先のBB確保が主たる目的だったけれど、このコンセプトを考えてみると、これはちょっと蛍光ペンとして使ってみようかなと思っている。

久しぶりに、パッケーヂを開くのに、ワクワク感を高めてもらえた一本である。

(2010/07/25)
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