ドクターヤンセンのハンドメイドインク。
伊東屋にも丸善にも一本も置いていない。
ものすごい人気なのか、それとも製造元の気まぐれなのかはわからないが、品薄状態が続いていることだけは確かだ。
年の始めに、新しい色が追加で売られているのに気が付いて、モーツァルトという赤茶色が気になっていた。
その前から気になっているライトブラウンのレオナルドダビンチも、どこでもお目にかかることがない。
さて困った。
困った時には南青山・書斎館である。
この書斎館、表参道の駅をおりてスパイラルあたりにあれば、足が軽いのだが、あの駅からの距離がどうも・・・。
なので、電話をしてみることにした。
ダビンチはないが、モーツァルトは一本だけあるとのこと。
とりあえず取り置きをしてもらうことにして確保。
さっそく、その日のうちに書斎館に向った。
書斎館に行くと、まずは喫茶に入ることにしている。
注文はいつも、水出しアイスコーヒー。
ここで、まず冷静になってゆっくりと本を読む。
そして席を立つ前に、趣味の文具箱などでサラッと頭を万年筆モードに切り替えてショップのほうに向う。
まずはアンティークものを眺める。
木下綾乃のレターブックで紹介していた、昔のペリカンやパーカーのデュオフォールドも置いてあった。
モンブランのヘミングウェイは30万円台で陳列されている。
なんだか、恐ろしい価格だがやっぱりカッコイイ。
そうして、いよいよ段差をこえてショップ中枢に足を踏み入れる。
(この段差は、意識して作られていると何かで読んだ)
オバサンを避けて、お姉さんに「ドクターヤンセンのモーツアルトを取り置きしていただいていたのですが・・・」と言うはずなのに、なぜか「ペリカンのトラディショナルの赤、置いてあります?」と聞いてしまった。
赤はないが、青のペン先BBならありますと、悩ましい事をいうお姉さん。
青はまだ生産継続だけど、ペン先BBは廃盤というイヤラシイ組み合わせ。
気が付いたら席で、お茶を出されていた。
すでに廃盤になってしまったペン先BB。
もうそれだけで、買いモードなのだがやはり試し書きは必要。
ついでにBとFのペン先も一緒に試し書き。
トラディショナルのペン先はスーベレーンのような扁平ではなく玉子型っぽいので、スーベレーンのBよりも細く感じる。
いわゆる太丸系である。
ヌルヌラ系で書いていて気持ちがいい。
モーツアルトを買いに行ったはずが、気が付いたら、トラディショナルも一緒に南青山を後にしていた。
それにしても、ショップで気が付いたら「トラディショナルの赤ありますか?」という口癖はやめなくては・・・。
(06/04/16)
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