【特集】万年筆を買いに

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シェーファーのインキ

以前から探していた、シェーファーの古いタイプのインキを入手することができた。
 
初めてこのボトルを見たのは、2月の九州・小倉。
クエストという地場の大手書店の地下にある万年筆売場で、はじめてモンブランの試し書きをさせてもらった時。
このお店の店頭にある試し書き用のインキが、このシェーファーのポケットがあるボトルに入れられた、モンブランの黒。
 
その時は、シェーファーの昔のインキボトルなどと知るよしもなく、変わったボトルだなと思っていた。
それより、初モンブランに興奮していたのだ。
 
しかし、お店を出てだんだん冷静になってきたら、あれは何のボトルだったのか気になりだした。
 
偶然、同じ小倉で、次に訪れたキャトルセゾンという雑貨屋で、同じタイプのボトルが文具コーナーで、ディスプレイ小物として使われているのを発見。
そこで、この変わった形のボトルはシェーファーのボトルであることが判明。
 
自宅に戻り、インターネットで調べてみたらシェーファーの今のボトルはオムスビ型で、わたしが九州で見たボトルは廃盤商品みたい。
色々と検索ワードを変えてみると、金色のフタのジャムビンタイプのものはヒットする。
ザ・ワークス・オブ書斎館という2002年に発行されたムックがあるが、この本のインキのページにも、シェーファーのインキは金ブタ・ジャムビンが掲載されている。
 
しかし、九州で見たのは黒いフタで、金ブタよりもう少しボトルがスマートなものだった。
でも、それと同じモノは、いくら検索しても引っかからない。
 
小倉のお店に置いてあったのは、ラベルは剥がしてあったので、詳細も判らない。
ヒントは黒フタとボトルの感じだけ。
 
GWもほとんど毎日、このシェーファーのインキボトルを探して、場末の文具店を徘徊していた。
そのおかげで、他の驚きのモノを入手できたりして良かったのだが、本来の目的である、シェーファーは発掘できずじまい。
 
半ばあきらめかけていたとき、とある街で偶然とおりかかった文具店で発見したのだ。
 
そこは、とくに古くもない、少し大きめの文具店。
雰囲気としては、最近のモノしかおいてなさそうな雰囲気。
 
一旦は通り過ぎたのだが、胸騒ぎがしてUターン。
 
しかし、入ってビックリ。
ビンテージの宝庫だった。
ペリカンは結構おいてあるのだが、現行のモノは一本も置いていない。
全部、昔のモノなのだ。
 
いきなりペリカンの茶縞がある。
この時点で、シェーファーの事など、頭から吹っ飛んでいる。
 
M400の茶縞かと思ったら、#500というヤツだ。
初めて現物を見た。
#500の色違いは他にも数本。
思わず、お店の中で奇声を発して、お店の女の子に笑われた
 
とりあえずは、キャッシュと思い、一旦店を出て、近所の郵便局に走った。
元手をそろえて、またお店に戻った。
 
いずれ、紹介するが、そこでペリカンを一本ゲットして、帰りがけに例のボトルの事を思い出して、シェーファーのインキが置いてあるかたずねた。
 
置いてあるというので、見せて欲しいと頼むと、当然のようにオムスビ型ではなく、見た事のないデザインの小豆色の箱を出してくる。
中を見せて貰うと、金ブタではなく黒ブタ。
あの九州で見つけたボトルにやっと巡り会えた。
 
本来の目的はボトルだったのだが、色も複数あったので、おもわずインキも試してみたくなり、青とブルーブラックを買って帰った。
 
   ◇
 
最初は探していた廃盤商品を発見した喜びだで大満足だったのだが、よく冷静になってパッケージを見ると、INKとは書いてあるが、何のインクか書いていない。
購入したお店の人に電話で聞いても、よくわからないみたいで「たぶん万年筆のインクです」としか答えてくれない。
 
日頃見覚えのあるペリカンやモンブランのインクと同じ棚に置いてあったので、万年筆用だとは思うのが、カリグラフィー系や劇薬系だったらという一抹の不安が残る。
 
しかし、以前からボトル探索でサイトを検索してもこのボトル自体が、インターネット上にない。
 
そのままHPで紹介しようかとも思ったが、先にmixiの万年筆系のコミュニティで尋ねてみる事にした。
ありがたい事に、すぐに回答をいただいた。
 
販売にたずさわっていたという方からの情報で、4年位前まで普通に流通していた万年筆用のインキのよう。
とりあえず、安心してインキとしても使えそうなので、今日、フタを開けてみた。
 
アホみたいに固く、ビクともしないフタを風呂場でなんとか開封。
何とも言えない、化学製品っぽい匂いが立ちこめた。
 
ボトルのなかも、あの九州で見たポケットがちゃんと付いている。
一体いつ使い終わるか判らないが、中身がなくなったら、カルティエのインキを移し替えて使ってみたい。
 
しかし、このボトルの探索が縁で、ボトルに巡り会うまでに万年筆を2本買ってしまった。
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