【特集】万年筆を買いに

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筆記具関係のコラムのページ
私のお気に入りのペンや購入記の紹介
●万年筆を買いに(ペリカンM200購入記)

GWにペリカンの#150をゲットしたことは、以前紹介した。
ペンが置ける形状になったボトルとセットになった、ペリカンの#150。
万年筆本体より、付属のレトロな雰囲気のインキボトルに興奮したと紹介したあのペンだ。(サイズ的には#200と同じなのだが、資料がなく確証がないので#150と表記する。)
黒のボディで、天ビスは現在のようなプリントではなく、きちんと彫ってある。
中々良い雰囲気で気に入っているのだが、そのときの紹介で書かなかったことが実は一つある。
 
そのお店には、実はもう一本古い万年筆が置いてあったのだ。
一本はわたしがゲットした黒。
そして、もう一本は軸色がマーブルブルー。
 
このマーブルブルーも、天ビスは彫り物で、レトロ箱にレトロインキ付き。
本当は、マーブルブルーの方が万年筆としては、かなりかっこう良かった。
 
尾軸に金のリングがなく、キャップの先がモッコリとした形状は、往年の名作N100を彷彿とさせるものがあった。
今の、M250のマーブルブルーと基本は変わらないのだが、細部が若干異なるだけで、えらく雰囲気が違って見える。
このとき、このマーブルブルーを買わなかった理由は一つ。
えらく程度が悪かったのだ。
 
レトロな雰囲気の物は欲しいが、実用に使えないものは単なるガラクタにすぎない。
黒軸はそんなに経年劣化していなかったので、このときは黒軸を購入した。
 
しかし自宅に戻って思い出してみても、あのマーブルブルーの雰囲気はなかなかのもの。
 
e-bayなどで検索してみたら、写真がいくつかあった。
所詮鉄ペンなので、値段もそんなに高くないのだが、写真を見ると、やはり格好いい。
なので、翌日、もう一度そのお店に行き、マーブルブルーを手に取ってみた。
しかし、どう引き目に見ても、実用に耐えられそうもないくらい痛んでいた。
 
一瞬、インキをもう一つ買ったと思えばという判断も出てきたが、インキもかなり古いものなので、中身を使うのは勇気がいる。
なので、インキは先に黒軸と一緒の一つでいいという結論。
そうして、このお店のマーブルブルーはあきらめることにした。
 
GWにはシェーファーのボトルを探し歩きながら、このレトロ風マーブルブルーのペリカンも探していたのだが、当然、どこにも置いていない。
置いていないと、余計に欲しくなる。
 
    ◇
 
GWは、さんざん文具店巡りをしたのだが、やはり、あのお店のマーブルブルーが忘れられず、もう一度あのお店に行ってみたら、あの万年筆の姿はなかった。
お店の人に聞いたら、売れてしまったという。
 
たぶん、10年以上店頭在庫で眠っていた物が、簡単に売れるはずがないとたかをくくっていたのが失敗。
いったい、あんな程度が悪い物、どこの物好きが買いやがったのか?と、その程度の悪いものを買いに行った自分の行為は棚に上げて、しばらくは怒りがおさまらなかった。
目の前から完全に消えてなくなると、よけいに物欲はかき立てられる。
 
それ以来、ずっと強くホシイ、ホシイ、ホシイと念じていたら、不思議なことにヒョイと目の前に、あのマーブルブルーが現れた。
出張先で帰りがけに訪れた、とある街の文具店。
そこのショーケースの中にこのマーブルブルーの万年筆が鎮座していた。
お店の表記を見るとペリカン#200とある。
 
ショーケースから出してもらって、ジックリと確認。
忽然とわたしの目の前から消えたあの万年筆と同じものだ。
こちらのお店は保存状態が良く、程度は現行の新品と変わりない。
試し書きをしても、問題なく書ける。
先に入手した黒軸同様、現行品に比べたらとても柔らかいペン先だ。
 
今持っている、スーベレーンのM400より、この昔の#150や#200の方がペン先が柔らかい。
鉄ペンのくせに、なかなかやるなと思う。
 
いろいろなビンテージ系レビューを見ると、昔の柔らかいペン先は書いていて楽しいという表記があるが、ああ、このことなのだなと思う。
 
鉄ペンでこれだけ面白いのだから、古い金ペンだと、もっと楽しいのだろうと想像するのは、あまりにも危険な道なので封印することにする。
しばらくは、レトロ系の探索はおしまいで、現行品の調査・研究にいそしむこととする。
現行品の高級ラインで、チョッと気になるものがあるのだ。
 
しかし、まだまだ探せば、デッドストックというものはのこっているものだと思った。
正味3ヶ月程度の、探索の旅だったが、なかなか楽しい思いができた。
また、いつかコレが欲しいというものが出てきたら、片田舎の文具屋を片っ端から回ってやろう。
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