【特集】万年筆を買いに

■手帳とカバンのホームペーヂ
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私のお気に入りのペンや購入記の紹介
ペリカンの絵ハガキ

2ヶ月くらい前に、ブログに買い物公開予告記事をだしたら、あっさりと「とめさん」に見破られてしまった一品。
当てられたのが悔しくて放置していたわけではないのだが、気が付いたらけっこうな時間がたっていた。
 
私の場合、いつものパタンなのだが、買ったら満足ということがあり、未開封のまま、書斎の棚に積み上げたままで放置ということが多い。
今回も、部屋の掃除をしていて、丸善の薄い袋が出てきた。
それを手にしたとき、一瞬、何が入っていたのか思い出せななかったというくらい、記憶の片隅から飛んでいた。
 
   ◇
 
購入したブツは、いずれも紙モノで3枚。
絵ハガキは2枚とも、1950年代のもの。
そして、もう一枚は包装袋なのだが、なんと1930年代のものと表示されていた。
 
以前から、ペリカンのクラッシックな紙モノには興味があった。
万年筆専門店などを訪れると、額に入れられてディスプレイされているのをよく見かける。ただ、残念なことに、そのほとんどは売り物ではない。
たまに、売り物を見つけても、紙切れにこんな値段は払えないな、というような値札が付いていたりする。
 
ちなみに、書斎館のホームペーヂには、以前からペリカンのビューバが掲載されている。
こちらも一枚6,000円と、なかなかのお値段。
欲しいけれど、なかなか入手行動に移せないでいたのだが、転機がおとずれたのが趣味文のVol.4の記事。
 
隅っこに、日本橋丸善の1階にヴィンテーヂコーナーがオープンしたと紹介されていた。
小さな写真が掲載されていて、万年筆のディスプレイケースが紹介されている。
よく見ると、紙モノが万年筆の下に敷かれている。
そして、記事には、紙モノも全て売り物とあるではないか。
 
ということで、翌日の仕事帰りに、速攻で日本橋の丸善に直行。
いつもは、東西線か銀座線の日本橋駅から、そのまま地下1階へと入店し、万年筆や文房具をあれこれチェックしているのだが、今回は、地下入り口の正面にあるエスカレータにそのまま乗り込んで、1階に向かう。
 
最初、ヴィンテーヂコーナーがどこにあるのか分からないほど小さなコーナーだったが、ほどなく発見。
ディスプレイケースの中には、趣味文のままの展示状態だった。
この様子だと、まだ悪夢のローラ草刈部隊はやってきていないみたい。
 
全部で4枚のアンチーク系紙モノが、万年筆の下に敷かれていたり、やフレームに入れて飾ってある。
(なぜか、このフレームが無印のものだったのが、ちょっと笑ってしまう)
値札がみえるものは、一枚2,650円と破格の値段。
これは、もう買うしかない。
 
 
さて、どの店員さんに声をかけようと見渡す。
1階の書斎グッズのレジにはアルバイト風のオバちゃんが2人、暇そうにいるだけ。
フロアには店員さんのお姉さんがひとりいるが、こちらは、あいにくの接客中。
 
きちんとしたものを買うときには、極力、知識のありそうな人に声をかけるようにしているのだが、閉店まであまり時間がなかった制約上、見た目、まともそうな方に声をかける。
 
「ペリカンの絵ハガキと封筒、全部みせてください」
 
そう言ったのに、いきなりオバちゃんの答えは
「こちらのペンですか?」
とペリカン100を指差す。
 
やっぱり、ダメだ。
と思いながらも、ここは上手く乗り切るしかない。
 
たぶん、担当レジの商品も全て把握してないうちに、さらに面倒臭いヴィンテーヂ商品が置かれるようになってしまったのだろう。
応対を見ていると、「商品知識はこれから勉強します」の雰囲気が伝わってくる。
声をかけてしまったことは、ある意味、かわいそうなことである。
 
しかし、テストの意味を込めて
「こちらの商品、ユーロボックスの委託販売品ですか」
と尋ねてみる。
 
オバちゃん、無言のまま、
「ユーロボックスって何?」
という顔をしている。
 
これで決定。
相手の状態がわかれば、対処方法は簡単だ。
 
ペリカンなどと具体名を出さずに、「その紙と、あの紙と、そう、その紙も全部出して、あっちのカウンターの上に全部移動させて、あそこでゆっくりと見せてください」
と、ゆっくりとお願いする。
せっかく綺麗にディスプレイされている状態を崩して、商品を取り出してもらうのは申し訳ない気がするが、扱いは丁寧なので少し安心。
 
そして、
「たぶん、このほとんどを買いますので、値段と梱包の方法を分かる人に確認してください」
とお願いしておいた。
 
地下の万年筆売場に電話をしているのだろう。
ヴィンテーヂ絵ハガキの梱包方法や、レヂに打ち込む商品コードなども、的確に確認していた。
 
その間、わたしはゆっくりと検品。
4枚中、3枚をお買い上げすることにした。
 
心もとない梱包作業をはらはらしながら見守り、ユーロボックスの名刺は入れなくてもいいのかと言いたくなったが、余計なことを言って、包装の紙をきり終えたペーパーナイフを持つ手元が狂って、絵ハガキに「ゴリッ」なっても嫌なので、黙っておいた。
オバちゃん、なんとか梱包完了。
 
多分、今はもうかなり取り扱いになれたと思うが、オープン直後の状態に行っただけに、なんだが、異常に疲れた買い物となった。
しかし、その疲労感を乗り越えるくらいに、久々に超お買い得な一品にめぐり合えた満足感も大きい。
 
早速、丸善のディスプレイを真似てみようと、無印にアクリルフォトフレームを買いに行ったのだった。
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