【特集】万年筆を買いに

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第9回 世界の万年筆祭レポート

今年も三越日本橋本店で開催された、世界の万年筆祭に行ってきた。
昨年、初めて行ってみたのだが、しばらくは私の中では、春の恒例行事となりそう。
 
前回は、試筆目的の参加であったが、今回はペンクリで一本調子の悪いペンのメンテとインキ工房で1色作ってもらうこと。
あとは、ペリカンブースでの良品のスーベレーン800番の探索を目的としての参加である。
 
ペンクリ、インキ工房とも初挑戦なので、ちょっと緊張気味で会場に向う。
わたしが行った時間帯は、ちょうど空いている時だったので、まずはペンクリの順番予約。その、待ち時間でインキ工房で一色作ってもらう。
インキ工房では、変な注文をしたため、30分近く、石丸さんとやりとりをさせていただいたが、まだ、ペンクリの順番は回ってこなかった。
 
昨年に比べて、確実にペンクリのお客は増えているようだ。
それも、若い人が多い。
世間では万年筆ブームといわれながらも、わたしの周りで万年筆を常用している人はいない。
心の片隅でブームというのは本当なのだろうか?と思うところがあるが、こうしたイベントに集まる熱い人達をみると、やはり本当なのだろうと感じる。
 
インキ工房のあとで、私の順番まであと、2人だけだったので、後ろの丸イスで、他の方の調整状況を眺めながら待つ。
なので、最初の予定はあっさりと完了した。
この2つのイベントの感想は、順次、この「万年筆を買いに」のコーナーで紹介していく予定。
 
目的を果たした後は、各ブースのチェックである。
何といっても、まずはペリカン。
昨年は、ショーケースの上に置きっぱなしにされていて、試し放題だったスーベレーンの1000番〜400番の各ペン先が用意されていた試筆セット。
今年は、店員の後ろの棚に仕舞込まれていた。
ムムム、残念と思いながらも、ゆっくりとショーケースの中をチェック。
 
今回の目玉は、何と言っても新製品のナイアガラとマジェスティが展示されていたこと。
まさかお目にかかれると思っていなかったので、ヨダレをたらしながら眺めていると、試し書きさせてくれた。
ナイアガラは600番ベースと聞いていたが、軸の形状が異なり、通常品よりもプックリと膨らんでいる。
わたしはこのナイアガラの形状の方が、持ちやすいと感じた。
現行品も、この太さになればいいのにと思う。
 
と、こんな感じで、回ったブースは次のとおり。
 
■モンブラン
こちらでは、146のペン先Bを試筆。
いきなり、バイト風のお姉さんに応対していただき、Bがどこにあるのかわからないみたいで、一生懸命さがしている。
ようやく見つけたペン先Bに付けてくれたインキが、ペリカンのブルーブラックだったので、嫌味で「試筆にBBを使うとは、なかなかやりますね」といったら、後ろにいたベテラン社員にも聞こえたみたい。
バイトちゃんは、オジサンに、「試筆はロイヤルブルーだろう!!このインキは一体どこから持ってきた!」と怒られていた。
 
しかし、特設の試筆コーナーのペンに吸入されていたインキもすべてペリカンのBBだったので、まとめて準備をした人間が間違えたのだろう。
バイトちゃんには、かわいそうなことをしてしまった。
 
■大橋堂
昨年は眺めていただけだが、今年は試筆させていただいた。
太字で挑戦したのだが、ペン先の玉のようなイリジュームが印象的。
試筆の紙がセーラーだったので、ペン先はセーラーから供給してもらっているのかな?
職人風のお兄さんと、お話をさせていただいたのだが、どこか金ペン堂のオヤジと同じウサン臭系のオーラを発している。
職人に接客をさせると、どうしてもこうなってしまうのかもしれない。
 
■中屋万年筆
エボナイト漆系の軸は、試筆はできなかったが、試筆用ペン先は全て用意されていて、デスクペンのような軸にセットされていた。
わたしは、工芸系の万年筆には全く食指が動かないのだが、蒔絵万年筆のように変な絵がゴチャゴチャ書かれていない、シンプル漆系はチョッとカッコイイと思った。
もう少し、常識的なサイズが出されたら、食指が動かされるかも。
今回は、夜に行ったのでタイミングが良かったのか、ペンクリ以外はだいたいが空いていた。
こちらの中屋のブースでも、吉田氏と直接、色々とお話をさせていただくことができた。
話している中で、ペン先のエラの部分を落とした、本でしか見た事ないペン先をためさせてもらったりと、けっこう長居をさせていただき、楽しい時間を過ごすことができた。
 
■パイロット
以前から、好きではないが気になるペンの一つにキャップレスがある。
なので、今回は、キャップレスで色々なペン先を見せてもらった。
ここは、多分、パイロットの社員が常駐しているみたい。
中にいる社員と思われる女の子も、毎年、カワイイ子を配置しているので、そういうお姉さんから万年筆について色々と教えてもらえるのは楽しい。
何を目的に行っているのか、自分でもよく分からないブースである。
 
■限定品コーナー
ペリカンの限定品などと一緒においてあったので、限定コーナーだと思うのだが、サンフォードからの10本限定持ち込みで、デュオフォールドのクロワゾネが置いてあった。
これまた、バイト風お姉さんに試筆を依頼。
ビッグレッドをはじめとする、パーカーの限定品のカラフルなデザインは、私の琴線にビンビン引っかかってくる。
これで吸入式だと、完全につられるのだろう。
ところで、バイトのお姉さん、クロワゾネといっても???の顔をするので、そこの黄色いペンというと、どれか特定できたみたい。
こんな接客でも、10万円近い万年筆がバンバン売れるのであろうから、世の中甘いものである。
 
■試筆コーナー
こちらは、万年筆祭に欠かせない、超重要コーナーである。
ことしも、去年におとらず、さんざん試筆を堪能させてもらった。
ここで、他社の万年筆をさわればさわるほど、ペリカンがいいなと再認識できる私は幸せ者である。
 
   ◇
 
と、まあ、こんな感じで、日本橋三越の7Fフロアをうろついていた。
今回は、各社のブースも楽しめたのだが、この3日間を通して、ブログやサイトでしかお目にかかったことのない方達を、会場で色々と見かけることができたのが楽しかった。
 
あっ、万年筆の絵を書く人だ!とか、プラチナのデッドストックコーナで、赤い万年筆をたくさん並べている女性は、きっとあの方だろうな等々。
全日程通ったら、もっと色々な方を拝見できたのかもしれない。
 
こういうことがあるのも、祭だからである。
ぜひ三越さんには、がんばって毎年続けていただきたいと思う。
 
結局、今回は3回も会場に足を運んでしまった。
そして、全国のショップを回って捜し求めていた、納得のいく800番とも巡り会うことができ、私にとっての最高の祭となった。
これらの詳細は、順次紹介させていただきたい。
 
来年は、第10回と節目の年。
何か特別イベントが用意されるのかなと、早くも来年に期待しつつ会場を後にし、丸善の日本橋店に向うのであった。
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