2本目のパイロットのキャップレスを、九州・博多の丸善福岡ビル店万年筆売場で購入した。
色は、限定のオレンヂ。
オレンヂといっても、昨年、阪急で購入したラインとは別のものだ。
昨年のオレンヂ限定キャップレスは、なんだかすごい人気で、店頭に並ぶまもなく売り切れ状態。
でも、実は、過去にもオレンジキャップレスが限定で、それもこっそりと発売されていたのだった。
私が知ったのは南青山・書斎館のホームペーヂ。
こちらのサイトのトップペーヂに、入荷状況が掲載されているが、この入荷状況のデータは2001年からの累積情報が提供されている。
阪急で入手した万年筆の素性を調べるうちに、2005年に150本限定でオレンジ限定キャップレスが発売されていたという情報が、この書斎館のペーヂに掲載されているのにたどり着いた。
情報にたどり着いた時には、すでに2年前の限定品であり、後発のオレンヂ限定を阪急で入手した直後だったので、特にその万年筆に対してのアクションを起こすこともなく、情報として頭の片隅にインプットするだけで、このときは終わっていた。
2005年春の、東京地区限定150本。
以前、京橋のペンステーションを訪れたときに、キャップレスは販売地区限定や、店舗オリジナルカラーのものが、少量だけれども販売されており、阪急で入手したキャップレスも、作りは、そうした限定ものと同じですよと教えていただいていた。
なので、2005年限定も、同じパタンのものみたい。
いわば、私が入手した2本のオレンヂキャップレスは、ある意味、兄弟万年筆なのだろう。
その、東京限定の万年筆が、なぜか九州・博多に流れ込んで、私に発見されるまで眠っていてくれていたのである。
お店の方に伺うと、2年くらい前にフェアをやったときに、東京から回してもらったものが、奇跡的に在庫として残っていたとの事。
最初、出してもらった時には、阪急で入手したものと同じものかと思ったが、今回の東京限定オレンヂの方がメタリックが強く、オレンヂ色は薄い。
限定だが、リミテッドの表示もシリアルナンバの刻印もなく、雰囲気としては少し地味。
今回の旅では、特に万年筆を狙っての旅ではなかったが、こうした出会いがあるとしょうがない。
早速、確保することにした。
◇
試筆でペン先を選ぶ中、キャップレスの試筆は、お店の人にとっては、面倒くさい作業だと思う。
たしか、阪急での試筆のときは、キャップレスをノックしてペン先を出し、少しだけ出たペン先に、器用にボトルのインキを付けていた。
しかし、こちらの丸善では、キャップレスの同軸のネジを外して中身のユニットを取り外して、それにインキを含ませる。
その後、またユニットを元に戻して、試筆をさせてもらえるのだ。
私の試筆は、最低でも試筆紙2枚にびっしり書き込むので、途中で何度かインキを付けてもらう。
その度に、ユニットを取り外してインキを付けてくれるのでなんだか申し訳ない。
しかし、幸いなことに、私以外にお客がいなかったので、そのままゆっくりと、お姉さんを話し相手にペン先を吟味させてもらう。
そうして選んだペン先は中字のM。
前回入手したものは、細めのFだったので、それに比べるとかなり太い。
インキは、前回のキャップレスをブルーにしたので、今回のものはブルーブラックにしてみた。
用途は未定。
本来、キャップレスは外で使ってこそメリットがある気がするが、やはり落下させたらショックが大きい。
なので、書斎から持ち出すことはしない予定。
しばらくは、日記や雑文でペン先をならしながら、本格的な用途を考えよう。
今回のように、旅先で、こうした思いもかけない一本に出会えると、貴重な一本に、自分オリジナルのプレミアが付いてくるのが嬉しい。
大阪のキャップレス、博多のキャップレス。
次の一本は、どこの街で私との出会いをまってくれているのであろうか。
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