最近読んだ板坂元の「考える技術・書く技術」に影響されて黄色のダーマトグラフを購入した。
本書の中の読書の章で、アメリカの学生が読書の時に黄色のマジックインキを使っているのがヒントを得たとあった。
マジックインキは紙の裏にまでしみ通ることがあり引くときのキシリ音がどうにも我慢できないのでダーマトグラフに切りかえたそうだ。
わたしは、日ごろ資料などにマークするのは、もっぱら黄色の蛍光ペンだ。
ただ、辞書だけは、蛍光ペンでは辞書の薄い紙では裏までしみ通ってしまうので、赤の色鉛筆を利用していた。
(わたしは、昔から辞書を引いたら、その箇所に印を付けている。)
以前から、蛍光ペンの使用について、辞書以外にも一つだけ不満なことがあった。
自宅のプリンタはインクジェットなのだが、インクジェットでプリントアウトした資料に蛍光ペンでマークすると、にじんでしまうのである。
本腰をいれて、このにじみを解決する方法を、調べたりするまではなかったが、いつも心の隅に引っかかっていた。
そこにちょうど「考える・・・」を読んでいて、黄色のダーマトグラフの話が出てきた。
オォ、これは使えるかもと思い、早速Get.。
恥ずかしながら、本日やっと、年賀状の整理をした。
年賀状の発送リストと、実際に頂いた年賀状をチェックして、回収や住所変更の有無を確認して、年賀状を製本する。
去年までは、リストにある頂いた方の名前を、蛍光ペンのペン先を真っ黒にしながらチェックしていた。
さっそく、その作業に黄色のダーマトグラフを使ってみた。
とってもGoodである。
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ところで、わたしがこのダーマトグラフという、紙巻の色鉛筆をはじめて目にしたのは大学1年の時だ。
わたしは、大学に入学してすぐに、学内の劇団に入団した。
(この劇団では、今思い出しても痺れることがたくさんあったが、その話はまた別の機会に。)
劇団の初期の練習の一つに「本読み」というものがある。
出来上がった台本を、それぞれの役の人がセリフを読みながら、みんなで全体の流れをチェックしていくのだ。
そこで、お互いにここはこうした方が云々と、いろいろ意見を出しながら完成に少しずつ近づけていく。(文章に書くと非常に平和的だが、みんなボルテージが上がって、最後はいつも一触即発状態だった)
本読みをしながら、台本に色々と書き込みをしていくのだが、座長(映画の監督みたいな人)が、この紙巻の色鉛筆を使っていたのだ。
芯が短くなると、糸をちょこっと引っ張って紙をクルクルと取り外して芯を出す。
三色ボールペンでチェックをしていたわたしの目に、座長のそのしぐさがエラクかっこよく映って、さっそく文具屋でダーマトグラフの赤を購入した。
ただ、未だにあの座長のようにかっこよく皮を剥くように芯を出せないのが悩みだ。
(写真にカーソルを重ねてみてください)
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【参考1】
今回のコラムを書くのに、少し調べてみたのですが、ダーマトグラフって、単なる紙巻色鉛筆で、鉛筆削りがいらない便利goodsだと思っていましたが、どうも違うようです。
三菱鉛筆のホームページ「鉛筆なんでもQ&A」のページより
(http://www.mpuni.co.jp/muse/qa1.htm)
ダーマトグラフについて
「DERMATOGRAPH」の語源はギリシャ語です。
dermato「皮膚の」の意の連結形です。
graph「〜を書く(描く、記録する)器具」の意の名詞語尾です。
つまり「皮膚に書けるもの」という意味です。ダーマトグラフは皮膚だけでなく、ガラスや金属、フィルムなどにも書くことができます。軸は削らなくても済むように紙巻きになっています。三菱鉛筆では、昭和30年から製造しています。最初は、木軸で色は赤・青・黒・黄 で始めました。昭和33年頃には、紙巻きになりました。
なお、「DERMATOGRAPH/ダーマトグラフ」は、三菱鉛筆の登録商標です。
ダーマトグラフはなぜ紙巻なの?
昔は、木軸ではさんでいましたが、ワックスが多く、温度変化によって収縮したり、ふくらんだりして、芯が抜け落ちてしまいました。
普通の鉛筆の芯は、接着剤で木につけていますが、ダーマトの芯はワックスが多く、接着剤が効きません。紙は伸び縮みに耐えますので、紙で巻いています。ミシン目が付いていて、糸までついた特殊な紙を使い、芯に巻きつけています。
【参考2】
三菱鉛筆という会社は、ご存知の方も多いと思いますが、東京三菱銀行や三菱商事などの旧三菱財閥グループとは全く無関係の会社です。
ロゴなんかも同じようなので、ややこしいですが、詳しくは以下のHPを。
http://be.asahi.com/20040207/W16/0033.html
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