文具系サイトで多くのインプレを目にすることができる、Lamy2000の4色ボールペン。
遅まきながら、わたしもようやく入手した。
昔から、油性ボールペンがあまり好きではなかったこともあり、私の中ではボールペン=水性の比重が大きい。
しかし、世の中で生きて行くには油性のボールペンを使うシーンはとても多い。
特に、多くの人の手に触れる、手紙の宛名や申請用紙等、滲むと面倒くさいことになりそうなものや、複写用紙は油性ボールペンでの記入が無難だ。
わたしが日常使いにしているボールペンは、スリップオンのシエラという木軸のニードルポイントのボールペン。
これはとても軽く、デザインも優れているので、職場でも使っているし、自宅の数箇所にも分散して置いている。
しかし、書斎で使う油性ボールペンで、もう少し高級ラインのものが欲しいなというのが、頭の片隅にあった。
候補として考えているのが、カランダッシュのスイスフラッグなのだが、これは青色のリフィルを使いたい。
で、なんとなくもう一つの候補に考えていたのが、このLamy2000の4色ボールペンだった。
しかし、書斎での油性ボールペンの使用頻度は月に数回程度なので、それに10,500円の出費は、なかなか踏ん切りがつかなかった。
そんな感じで、何となく頭の片隅にあったLamy2000のボールペンなのだが、広島で素敵な出会いがあった。
先週の更新で、ハンズメッセ狙いで広島に帰省していたことを書いた。
そこで、何とLamy2000の4色BPが5,700円の特売価格で出ていたのだ!
まったくモノとしては問題ない状態で。
Lamy2000の大きな魅力として、黒色の軸と先端のステンレス部分に施された、とても美しいヘアーライン加工がある。使っているうちに、テカテカになってヘアラインは消えてしまうらしいが、購入したての綺麗な状態のヘアラインが、いくら眺めていても飽きない。
だが、注意しなくてはいけないのが、このヘアラインがとてもデリケートなため、すぐに潰れてしまうこと。
一番分かりやすいのが、万年筆なのだが、キャップを尻軸にはめると、キャップの輪状のあとがきれいにボディについてしまう。
なので、人気店でLamy2000の在庫品を買うときには、そのほとんどは綺麗なヘアラインが維持されていない。
ボールペンの場合は、キャップがないので万年筆までのリスクはないが、試筆がくりかえされると、どうしても繊細なヘアラインがかき消されてしまう。
広島ハンズでは、在庫限りの値引きということだったので、在庫品を全部見せてもらった。
といっても、わたしが訪れた時点で3本だったので、それらを店頭で厳しく検品。
お店のお姉さんは、わたしの様子に完全にビビッているのが、ヒシヒシと伝わってくる。
検品の結果は、3本とも極上品だった。
ほとんど試筆でお客の手に触れていない個体だったのだろう。
その中でも、わたしの目で最上と思われる1本をセレクトした。
***
使ってみての感想は、面白いの一言。
おなじLamyのスイフトを入手した時には、クリップが収納される機構が面白くて何度もノックして遊んでいたが、この4色ボールペンは、4色ボールペンのくせにノックが1本しかない。
クリップの根元付近に、青・赤・緑・(黒はクリップ部分で代替)の4色が表示され、ノックした時に上に表示された色のリフィルが出てくる仕組み。
回すと、中で何か、カシャカシャと仕掛けが回る音がするので、振り子のようなものが中で動いているのだろう。
クルクル回して、色々な色が飛び出してくるのを見ていると、いつまでノックしていても飽きない。
自分のボールペンは分解する気が起きないが、どこかのお店で、中を分解したものを展示していないかなと思う。
こうしたギミックを備えた文具というのも、Lamyの魅力の一つなのだろう。
純正のリフィルは、ネットリとした書き味で、国産の油性ボールペンに比べると濃厚な感じだ。
Lamy2000の紹介文章を見ると、1966年発表とあるが、この4色ボールペンも同時発表だったのだろうか?
久しぶりに、「ラミーのすべて」を本棚から取り出して眺めてみたが、ヒントになるようなことは掲載されていなかった。
構造を見ると、ペン先のステンレス部分と黒軸部分の接合部を取り外してリフィルを交換する仕組みにすればよい気がするのだが、万年筆と同じ黒軸の途中の部分が可動して、リフィル交換する仕組みになっている。
そして、万年筆同様、そのヘアラインの途中から軸が分割される部分は、きちんとセットされた状態では、きれいに一体化し、接合部は見た目全く分からない。
この精密加工の技術力は、いつ見ても素晴らしいと思う。
万年筆と同じデザインの魅力が、この4色ボールペンにも詰まっている。
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