昨年のこの時期に、リビング用のコンポを入手したのだが、今年は書斎用のコンポを入手した。
これまで、書斎に置いていた音響機器は、10年以上前に人からもらったCDラジカセのみ。
これが最近、CDのピックアップがいかれたのか、CDを入れても認識しなくなってしまった。
勉強するときは、音楽やラヂヲをつけることはないのだが、創作活動の時は音楽は必須。
このため、先週あたりからオーディオ選びに集中していた。
オーディオについて、以前から目を付けていたのが、マランツの単品プリメインアンプとCDプレーヤ。
いわゆる、昔からのフルサイズのものだ。
スピーカは、昔使っていたオンキョー製のものを保存しているので、それを流用すれば、6万円程度で最低のシステムを組むことができると考えていた。
広島に帰省するたびに、紙屋町のデオデオ本店のオーディオフロアに行っては、色々とスピーカをつなぎ替えてはチェックしていた。
しかし、これはあくまで遊びであり、予備知識の収集のための行動。
しかし、本当に買うとなると、予備知識を総動員して、情報整理をしなくてはならない。
10数年前、私のオーディオ熱が高かったころは、雑誌や実店舗で情報収集して機器の選択をするしかなかった。
でも、今はインターネット上で、多くのインプレッションを見ることができるので、行動に無駄が無い。
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私が家電製品を買うときは、まず価格.comのチェックから始まる。
価格の最安値を確認し、口コミBBSをチェック。
あと、このサイトは、アクセス数による人気順位が出ているのも、旬の機種をチェックするのにとても便利。
最初は、アンプ、CDと、それぞれ単品の製品をチェックしていた。
そんな中、何気にミニコンポのところをチェックしてみると、オンキョーのCR−D1というコンポに異常な件数の書き込みがある。
私が気づいた時点で、口コミBBSには500件近い書き込みがあり、それらを全部読んでみると中々の高評価。
こうなると、某巨大掲示板での評価が気になるので検索。
【ONKYO】 CR-D1 Part 13 【オンキヨー】
ということで、Part13まで伸びているではないか。
ミニコンポというと、高校生をターゲットにしているのか、キラキラミラー仕様や、宇宙船コックピット型みたいなデザインばかりで、オマケに音が悪い。
省スペース以外にまったく利点のない商品で、これまでまったく食指が動かなかった。
だが、このCR−D1という製品は、どこか雰囲気が違うみたい。
BBSの口コミをみても、書き込み層に大型コンポ愛用者が多く、そうした方々のサブ機として使われてるのも印象がいい。
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オンキョーのHPで、早速カタログを見てみると、ボディは小さいくせに、何と60W+60Wという恐ろしい高出力。
その昔、私が使っていたマランツの大型アンプでさえ40Wか45W×2のパワーだったため、この20年でかなりの進歩に、ただ驚嘆。
こうなると、早速ブツを確認と思い、お気に入りのCDを3枚、タンカーのショルダーに入れて、自転車で近所のヤマダ電機へ向かう。
こういう時に、近所に大型電気店があると便利。
コンポを選ぶときにCDを持参するのは、万年筆購入の際に、いつも使っているノートを持参するのと同じ感覚。
いつも使っているものを基準に考える方が、比較検討しやすいので、こうした事前準備は惜しまない方がいい。
幸い、近所のヤマダには、わたしが気になるCR−D1のほかに、ワンランク上のリミテッド、あとケンウッドの同クラスのコンポもそろっていたので、2時間近くかけて試聴。
実際に、実機に触れてみて、掲示板に大量の書き込みがあるのも納得できる、中々の音を出してくれる。
この時点で、マランツの単品コンポの購入案は消えてしまい、このオンキョーのCR−D1に新しいスピーカーを新調する方向に考えは固まりつつあった。
2時間近く、とっかえひっかえ持参したCDを試聴して、スピーカはメーカ推奨の組み合わせであるDー112Eにすることにした。
これが、また、小さいボディながら、中々ハイスペックなスピーカーなのだ。
デザインも、ヨーロピアンテイストなのがよろしい。
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購入の意思が固まると、あとは値引き交渉である。
実は、わたしはこの値引き交渉が結構好きなのだ。
家電製品や車の場合、交渉で変動する価格が非常に大きいので、がんばっただけの充実感が得られて本当に楽しい。
これが、家の建築などのように請負契約での値引きだと、当然、値引いた分だけ見えないところで手を抜かれるのは分かっているので、危険な行為になる。
だが、家電製品のような完成品の場合はそうしたリスクがないので安心して、バンバンと交渉できる。
注意すべきは、開封品を渡されたりしないかだけだ。
実は、これまでに、万年筆の購入でも値引き交渉をやっているのだ。
当然、百貨店や伊東屋などの大型文房具店では無理だが、狙い目は地方の不良在庫を抱えている、小さめの文房具店。
こういうところだと、値引き交渉が成立する確率が高い。
わたしの場合、10年以上前のペリカン万年筆を発見した際に、2度ほど値引き交渉を行った。
それぞれ、別のお店だが、1本は4割引、もう一本はなんと7割引きで購入。
最近は、業界紙などでも万年筆ブームなどと煽っているので、販売店も欲がでてきているかもしれないが、どう見ても不良在庫と思われる一本を発見した際には、値引き交渉をしてみるだけの価値はあると考える。
話題がそれてしまったが、CR−D1についても、値引き目標は価格.comの最安値である。
インターネットが無かったころは、近隣のショップでの比較くらいしかできなかったが、インターネットが普及するにつれて、消費者にとっての適正価格というものが瞬時に補足できるようになったのは、本当にありがたい。
平日でヒマだったのか、店員さんもずっと私の試聴に付き合ってくれ、買う気満々のオーラが伝わったのだろう。
2回ほど、奥にひっこんで、5,6分帰ってこなかったが、私がプリントアウトして持っていった資料をきちんと検討したようで、ポイント込みで最安値を割る金額で交渉成立。
値引き交渉の後に、もう一つ大切な仕事が残っている。
前にも書いたが、家電製品で注意しなくてはならないのが、未開封品であることを確認すること。
家電製品は、恐ろしいことに、返品などの開封品が新品として配達されたりすることがあるので注意が必要。
以前、別の量販店でPCを購入・配達してもらった時(これもかなり値引いてもらった)、配達のおじさんが、やたらにセッティングをしたがっていた。
しつこいなとも思ったが、他人にべたべた触られるのが嫌なので、テレビやHDレコーダなども、全て自分でセッティングするようにしている。
当然、このPCの時も、セッティングはお断り。
PCの場合、一度立ち上げた製品は、ウインドウズであればイニシャル画面が違うのですぐにわかる。
実は、そのとき配達されたものは、一度電源が入れられたものだった。
多分、返品商品だったのだろう。
おじさんにセッティングしてもらったら、気が付かなかったところである。
わたしは、必ずお店で注文するときに、未開封品しかいらないと伝えて、店員からも了解をとっているので、これは契約違反になる。
すぐにお店に問い合わせると、すぐにセッティングできるように、配達前に最低限のセッティングをしたとのこと。
どう考えても嘘である。
きっと、想定問答集に掲載されているのであろう。
恐ろしい。
本当に恐ろしいことである。
こうした一度他人の手に触れたものが流通していると考えると、なんだか、背中が痒くなってくる。
お店の言うことだけを真に受けるのではなく、消費者の方で厳しい検品をする必要がある。
このときは、もちろんすぐに、本当の未開封品と交換してもらった。
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CR−D1も、配達の間に開封品と入れ替わったりしたら嫌なので、一旦、自宅に車を取りに戻る。
そして、ブツを引き渡しカウンタに持ってきてもらい、開封の形跡が無いかを入念にチェック。
幸いにして、この製品は透明テープで梱包してあるので、開封したかどうかはすぐに分かる。
(メーカーが販売店に箱だけ提供するシステムがあれば、この検品はお手上げだが・・・)
まあ、そういうことは無いと信じて製品を持って帰る。
早速、書斎で楽しいセッティング作業。
書斎の雰囲気にも無事溶け込んでくれた。
今回も、中々良い買い物をすることができたと思っている。
【CR−D1+D−112E インプレッション】
ミニコンポのようなモコモコした音ではなく、澄んだ空気のような解像度。
ミニコンポの音が、トンネルの中の空気とすれば、CR−D1の音は、信州の澄んだ空気のような差だ。
昔持っていたオーディオセットでは、その音が出ていたのであろうが、CDラジカセで聴いていたときには聞こえなかった音まで、くっきりと再生してくれるのは本当にうれしい。
ビートルズのCDを聴いていて、ちゃんとボーカルの音が片側のトラックからだけしか出ていないのがはっきりと分かる。
ああ、サージェントペパーズって、こういうレコーディングだったなと20年ぶりに聞き込んでしまった。
気になる点は、デジタルアンプの仕様なのかもしれないが、音の厚みが少し物足りないところ。
特にクラッシックの交響曲やピアノ協奏曲を聴いた時に強く感じられる。
これは、アンプの問題よりも、スピーカーの容量やウーハーの径に原因があるのかもしれない。
今の組み合わせで見ると、クラッシックで言えば、ヴァイオリン協奏曲のような繊細な音を楽しむのが、このオーディオの得意とするところのような気がする。
R&Bやフォーク系は完璧。
ボーカルも伴奏もデジタルアンプ特有のスピード感で、余裕でCDの中身をホールドしてくれる安心感がある。
CDの中の情報量に比べて、ハードの性能が十分上回っている安心感だ。
不満な点としては、CDを挿入して、曲数などを認識して再生OK状態にスタンバイするまでに、一呼吸あること。
昔の蛍光灯が、スイッチを入れて点灯するまでに一呼吸あったような感覚。
昔持っていた、単体のCDプレーヤではこのようなことはなかったが、昨年買ったONKYOのミニコンポも同じような動作。
MP3が再生できるようになっているため、その分岐判断処理の時間なのかもしれないが、けっこう鬱陶しい。
しかし、この不満点を差し引いても、価格からするとかなりお買い得な商品だと思う。
将来的には、JBLあたりの輸入スピーカと組み合わせてみてもおもしろい機器だと思っている。
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