緊急手術  1週目 2〜3週目 4週目〜退院 その後 戻る


05/08/10(水) 運命の日

 19:30、晩御飯を食べ、パソコンに向きあっていた私はトイレに行きたくなりトイレへ。
 そこで便が出なかったのでりきんでみたところ、右わき腹のところで何か音がし、
 (音がしたような気がした??)腹部に激痛が走る。
 うめきながらベッドに寝転がり、改善されるまで2〜3分待つが、一向に改善されない。
 猫の小春がにゃ〜にゃ〜言いながら私を覗き込んだり、私の周りをくるくる回り、
 こりゃやばいぞ!って一目散に妻の元へ報告に行ったらしい。
 私もリビングへ移動。

 風呂に入っていた妻は、猫が尋常じゃない鳴き方をしていたため、風呂場から顔を出して
 何かあったことを察知し、風呂を切り上げて外に出てから私の異常に気付く。
 
 痛み的には尿道結石を発症したことが過去にあった為、尿道結石ではないかと勝手に判断。

 救急車で動くか、タクシーを呼ぶか、またN市民病院へ行くか、かかりつけのF大病院へ行くか
 悩んだ末にタクシーでN市民病院へ行くことにし、携帯ですぐに呼ぶ。
 F大病院へ行きたかったのだが、F大病院が40〜50分、N市民病院が10分以下で行ける
 為にN市民病院を選んだ。タクシーを選んだのは近所の体裁のため。


 N市民病院に行き、すぐにブスコバンを点滴で入れてもらうが、一向に治らない。
 尿道結石かどうかの判断は通常尿で行えるのだが、尿が出ない。
 レントゲンだけ撮ったが判断がつかず、うめいたまま放置される。エコーは出来ないのかと聞くと
 技師がいない為、夜間は出来ないとの回答が。おいおい、ここは救急医療が出来るんじゃ
 ないのか??ちなみに胃カメラも出来ないらしい。

 妻に水分をもらい、23時ごろに赤っぽい尿が出る。
 これで尿道結石の判断が出る・・・と思いきや、先生の顔が曇る。血液が検出されなかったのだ。
 すぐCTを撮ったところ、腹部に気泡が入っていた。「腹部のどこかで穴が空いています。
 大腸はきれいなので、十二指腸ではないか?」とのこと。
  CT検査の結果はこちら
 この時点で手術決定なんだけど、こんな設備も整っていない病院で手術する気はなかったので、
 F大病院へ転送を希望するといやそうな顔をしながらもOKが出る。転送前にマーゲンチューブを
 入れていたところ、盛大なゲロを吐いて先生びしょ濡れ。妻は私が吐きそうだったのがわかったらしく、
 事前に退避していたそうだ。さすが妻(笑)。


 先生も緊急搬送に一緒に来て状況説明してくれるそうだ。
 救急車で搬送される。「バイタル***です!!」って救命病棟24時みたいだなぁと思いつつ。
 でも救急車が旧式でがったんがったん揺れる揺れる。搬送中はロードノイズを拾いまくって
 ストレッチャー自体が揺れまくり、もう最悪でした。

 ちなみに緊急搬送時で0時。次の日になりました。発症から4時間半経過。
 この間、ずっと激痛が走ってました。


05/08/11(木) 手術当日

 1:00ごろF大病院へ到着。即点滴と尿管を挿入。
 手術いやだなぁって思ってたんですが、先生たちの話し声でもうどうにもならないことを悟る。
 人工肛門になるかもしれないよと

 CT、レントゲンを撮り、血液検査(静脈、動脈)を取る。この辺から記憶があいまい。
 ちなみに胃カメラだけは覚えており、ゲロ吐きまくって先生をゲロまみれにしながらの検査でした。
 このときに胃、十二指腸は治っており、胃と十二指腸の穿孔の線は消えました。

 検査が終わって一度病室へ連れていかれましたが、そのときに「手術開始がいつになるかわからない」
 と言われ、ぶつくさ言いながら眠った(気を失った??)。
 現在3:00なり。

 M医師が穿孔の場所が特定できず。というのも病変がメインになっているのは大腸・小腸のどちらか
 すらわからなかったのだが、妻が大腸メインということを伝えるとすぐに穿孔場所を特定出来ました。
 大腸穿孔と判明。

 手術前に妻に説明があり、術式は大腸穿孔部切除と人工肛門造設。
 この時点でかなり危険な手術で、亡くなる可能性があるとの説明があったようです。
 4:00頃、手術が始まった頃に九州・関東の両親を呼んでいます。

 手術室に行くという声がかかり、手術室へ。途中眠って(気を失って)しまい、気が付くと手術室への
 ベルトコンベアの上にいました。
 部屋の中に入ると硬膜外麻酔の前の麻酔を打たれたところで(既に硬膜外麻酔が入っていたのかも
 しれない)マスクをかぶせられ・・・zzz。気が付いたら両親などが来てました。

<<手術概要>>

  大腸の状態:
上行結腸が狭窄・繊維化によって20cm以上短縮されていた。
横行結腸の内部の太さはボールペン大。(直径1cm未満)
下降結腸も細い。
直腸に膜様の狭窄有り。

手術の概要:
大腸穿孔後、8時間以上経過してからの手術。
穿孔の場所は上行結腸から横行結腸へ行く途中の場所が狭窄・ほとんど
イレウス(腸閉塞)状態で相当量の便が詰まっており、
そこで直径2cmの穴が空いていた。
腹膜炎も併発。

おなかの中に便が広がり、血液に便の毒素が溶け込んで敗血症を引き起こしていた。
ほとんどの方が亡くなっているケースである。
術中、血圧が下がりショック状態に。非常に危なかった。
また、術前が白血球2800まで下がる。生体反応が下がっている証拠。

手術:
上行結腸の全て、横行結腸の穿孔部など一部、盲腸、回腸の5〜6cmを切除。
全体でで20cm切除。
 備考:
  計画手術の場合、大腸の細い部分を全て取るが、緊急手術の上に一刻も早く
  終わらせないと命の危険があったため、取らなかった。
  また、取った場合はそれだけ体に負荷がかかるため、今回の手術で同時に行うと非常に危険 。

回腸の末端を使用し、人工肛門(ストマ)を造設。
横行結腸の末端を縛り、腹部の傷の真下に埋め込む。
 理由:
  癒着が激しく、次回の手術の際に大腸の先を探すのに癒着をはがしながら探さないといけないため、
  傷口の真下に大腸の先端を埋め込んだことで次回の手術のときに探しやすくする。
  この為、腹部の傷が膿み、治りが悪い。

便が腹部中に回っていたため腹部を洗浄。
 備考:
  腹部(腹膜も含む)に便が回ってしまったため、小腸・大腸など、腹部中が癒着を起こしている。
  次回の手術の場合は癒着を剥がし、剥がした場合に腸壁などに傷がついた場合は
  修復しながらの手術になるので、相当難しい手術になる。


3時間半のOpe。
むくみ、癒着などで非常に難しい手術だった。

 

 7:30に手術室から病棟へ、手術終了の電話が入る。手術室で閉腹。
 8:30、処置を終えて病棟へ戻る。

 術後、妻が術式等の説明を受ける。
 説明時「助かる人もいます」とかなり厳しい説明だったが、妻曰く、
 「根拠はなかったけど、絶対生きているという確信があった」らしい。
 説明の中で白血球が上がらないとかなり危険との説明が有り。
 
 両親が到着後、M医師より再度説明してもらう。

 12:00頃に血液検査。白血球は良い方向に向かっている。
 総蛋白4.1、アルブミン2.1、白血球5800、血色素量11.2、CRP9.3。

 ちなみに気が付いたのがいつかわからないが、初日は家族の顔を見れ、ストマが付いたことだけしか
 覚えていない。部屋も個室なのはわかるが、配置なども全くわからなかった。
 硬膜外麻酔のおかげで痛みは感じず。

 夜、妻が付き添う。


05/08/12(金)

 総蛋白4.1、アルブミン2.6、白血球13200、血色素量10.5、CRP28.2。
 白血球が通常の手術時の値に戻り白血球に関しては一安心。
 悪寒があり、熱が39.7度まで上がったため、歩行可の指示があったが高熱のために断念する。
 
 ちなみにこの日、携帯電話からあばら家掲示板へ入院・手術の書き込みを行っている。
 我ながら良くやったよ。夢見さんの掲示板にも書き込みをやろうと思ったのだが、思ったように
 携帯電話が操作できなく、目が疲れたりして断念。


05/08/13()

 ベッド上で起き上がる。

 CT検査。歩行が困難なため、車椅子で移動。結構つらかった・・・。
 検査時に台に上がる際に心拍数が早くなり、かなり注意しないといけない(要注意)。
 熱は39度あり、解熱剤使用でも38度台にしかならず。
 高熱のため、意識朦朧となってしまい、マーゲンチューブを抜こうとしたりIVHを引っ張ったり。
 血漿輸血を行い、尿が少なかったために利尿剤を使用する。
 また、胸水が溜まった為、薬を使って対応した。
 アルブミンが低いのは体から抜け出てしまい、点滴で補いきれていないらしい。

 ちなみに覚えていないがTVが見たいということを言っていたらしく、TV可となりました。


05/08/14()

 総蛋白6.4、アルブミン3.5、血色素量9.9、CRP27.6。
 熱38.3度。解熱剤で36.7度。
 血液中の酸素濃度が低いため、酸素マスクを再度復活。
 血漿輸血と利尿剤を使用する。
 
 自立歩行が術後初めて出来た。

 夕方、熱が36.6度へ。夜間汗が多く、平熱をキープ。


05/08/15(月)

 総蛋白7.3、アルブミン3.9、血色素量10.7、CRP25.8。
 平熱をキープ。自分でうがいが出来るようになる。
 硬膜外麻酔が外れる。
 しかし、再度発熱(39.4度/22:30)。夜間眠れずに経口&点滴の眠剤。


05/08/16(火)

 朝、39.4度。
 マーゲンチューブ除去。酸素吸入が簡易な緑のチューブに変更。
 飲水が可能になる。血漿輸血。
 夜間眠れずに経口&点滴の眠剤。
 38.6度/20:00
 37.9度/21:00
 38.4度/22:40
 38.4度/24:40

 ちなみに私はマーゲンチューブ自体は全く苦にならなかったです。
 普通に喋れたし、歩けたし。
 もちろん抜けたほうが気分すっきりでしたが(笑)。


05/08/17(水) 術後1週間

 総蛋白7.2、アルブミン3.6、血色素量10.0、CRP20.4。
 歩行で処置室へ行く。処置室で着替え後嘔吐。夜間3回嘔吐。
 胃に飲んだものが溜まるようで、動けば胃腸も動き、むかつきも軽減されるだろうという見解。
 吐き気止めの点滴を行う。
 眠剤(ハルシオン)を使用。


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