すとり番外編α:若き神官と黒龍の決闘 登場キャラ:3名 |
(-) いつものようにミハエルがカードを買いに来た。 (C・Mミハエル) さーて、今日はこれを100枚ほど買うか。 (店員) ……前から聞こうと思ってたんだけど、何でそんなに金持ってるの? (C・Mミハエル) あ、この金って経費なんだよ。神殿の。 (店員) ……神殿!? って事はあんた、神官か何かかい? (C・Mミハエル) 当たり。「カード神」に仕える神官さ。 (店員) カード神ねぇ……世の中には変わった神サマがいるものだなぁ。 (C・Mミハエル) オレもそう思うよ(笑) (古代龍ディー) (店に入ってくる)こんな所にカードショップがあったんですか……せっかくだから買っていきますか。 (店員) いらっしゃい!(せっかくだから買うってのもすごい話だよな) (C・Mミハエル) おや、あんた、人間じゃないな。もしかして……龍、とか? (古代龍ディー) あらあら、わかります?そうなんですよ。わたくしはディーと申します。 (C・Mミハエル) ミハエルだ。よろしくな。 (店員) さすが神官。よくわかったな。 (C・Mミハエル) いや、この「異端の暗黒龍」のカードが反応してるんでな。ひょっとして…… と思ったわけだ。 (古代龍ディー) !? そのカード、どこかで見た覚えが……気のせいかしら? (C・Mミハエル) あぁ、これはオレが以前会った、あんたと同じように普段は人間に化けてる龍を元にして作ったカードだよ。 (C・Mミハエル) もしかして、この龍と知り合いだったりするのか? (古代龍ディー) いえ……知り合いかどうかまでは分かりませんが…… (店員) 作ったって、全部自分でか? (C・Mミハエル) そうだよ。基本的にウチの神殿では、使うためのカードは全部自作ってことになってるんだ。 (店員) 使うためって…… (古代龍ディー) あっ! 思い出した。ひょっとしてあなた、カードを実体化させる事ができるんじゃないですか? (C・Mミハエル) ほほぅ、よく知ってるな。その通りだよ。俗に言う「C・M(カード・マスター)」ってヤツだ。 (古代龍ディー) やっぱりそうですか。前に一度会ったことがあるんですよ。 (店員) へぇ〜、そんな事ができるのか。さすが神官だな。って待てよ……自分で作れるんなら買う必要ないじゃないか。 (C・Mミハエル) 市販のカードは単なるコレクションだよ。もちろん使うこともできるけどな。 (店員) なるほどな。さすがカード教。 (C・Mミハエル) ところで、ディーさん……だっけか? 今日はたまたまここに来たとはいえ、あんた結構カードやってそうだな。 (古代龍ディー) あ、分かります?実は大好きなんですよ。 (店員) うむ。さすがC・M。鋭いな。 (古代龍ディー) 店員さん、さっきからそればっかりなんですが…… (C・Mミハエル) どうだ、今からオレとやるってのは? (古代龍ディー) あ、それいいですね。こんな事もあろうかと思って持ってきていたんですよ。 (店員) ほぅ。さすが龍。用意がいいね。 (C・Mミハエル) だからそれはもういいっての。しかも全然関係ないし。 (古代龍ディー) やっぱり実体化させて戦わせるんですか?ちょっと危なそうですね…… (C・Mミハエル) あぁ、オレの実体化モードはタイプが2つあって、実戦では「バトルモード」なんだが、実際にはダメージを与えられない「ゲームモード」ってのもあるんだ。 (C・Mミハエル) しかもゲームモードだとライフポイントや攻撃・守備力等も表示してくれるスグレモノさ。これなら安全だよ。 (古代龍ディー) あぁ、便利なんですね。それならそのゲームモードでやりましょうか。 (店員) よし、決まりだな。地下にバトルスペースがあるから、そこでやろう。 (ミハエル&ディー) 『さすが店員!!』 (店員) (くっ……言われたか)それじゃあ案内するぜ。こっちだ。 (-) 全員、地下へ移動する。 (店員) よし、オレが審判代わりになってやる。LPは2000のノーマルルールでいいな。 (C・Mミハエル) あぁ、いいぜ。 (古代龍ディー) それじゃあ始めましょうか。 (店員) それでは、バトルスタート!!(デュ○ルとは絶対に言わんぞ……) (C・Mミハエル) まずはオレのターン!! カードを1枚、場に伏せて「サイレンス・ウィザード」を攻撃表示だ。 (古代龍ディー) そうきましたか。それではこちらは「メタルウォール」を守備表示してターンエンドです。 (店員) ウィザードの攻撃力は1500、メタルウォールの守備力は1200、撃破成功!! LPはそのまま。 (C・Mミハエル) 最初はこんなものかな……。続けてオレはもう1枚場に伏せて、今度はこいつを守備表示して終わるぜ。 (古代龍ディー) じゃあわたくしは「サムライマスター」を攻撃表示に。ターゲットはウィザードです。 (店員) サムライマスター必殺の鳴流断!!ウィザードに斬り掛かる!! (C・Mミハエル) フフッ、かかったな。 (古代龍ディー) ま、まさか罠カード!? (C・Mミハエル) その通り! 伏せカードオープン!! 「武器破壊」のカードだ!! (店員) 「武器破壊」は、相手プレイヤーが攻撃を宣言した時に発動する罠カード。攻撃力を-1000にする効果がある!! さぁ、どうするディー!? (古代龍ディー) くっ…… サムライマスターの攻撃力は1800。-1000で800になってしまう!!つまり…… (C・Mミハエル) そう、返り討ちにしてくれるわ!! サイレンス・マジック!! (店員) 沈黙の魔術がサムライを襲う!! サムライマスター、攻撃失敗!! (古代龍ディー) あぁっ……!!やられましたね……(LP:1300) (C・Mミハエル) フッ、罠には注意することだな。(LP:2000) (C・Mミハエル) さて、オレのターンだが…… いいカードがないから、ウィザードを守備表示にしてターンエンドだ。 (古代龍ディー) では、わたくしは…… はぁ。わたくしもそちらの2体に対抗できるカードがなさそうです。とりあえずこれを壁役として守備表示しておきます。 (C・Mミハエル) クク……確かにモンスターを守備表示にしておけば、お前のLPが減る事はない。だが、それは露の間の延命策にすぎないのだぞ! (店員) (……露の間って何だ?) (古代龍ディー) それでも、わたくしにはこれしかないので、こうするより他にないのです…… (C・Mミハエル) よし、分かった。それでは望み通り消してやろう!!2体とも攻撃表示にして……そうだな、念のために「サーチアイ」でその壁役の能力値でも見るか。伏せカードオープン!! (店員) 通常は守備表示モンスターは能力値はおろか、種類さえも分からないのだが、それを判別できるのがこの「サーチアイ」のすごいところ。 (C・Mミハエル) ふむ。「イエローマウス」攻撃力750、守備力900、特殊能力は「地面に電撃を流して敵全部に攻撃できる」か…… (C・Mミハエル) 「敵全部」ってのが恐ろしいところだが、攻撃力の低さがネックだな。それなら恐れることはない。ウィザードよ、やってしまえ!! (店員) サイレンス・マジック炸裂!!イエローマウス消滅!! (C・Mミハエル) 続けて攻撃表示にした「アグレッシヴ・シールド(攻撃力:800)」をダイレクト・アタックさせる!! (店員) 場にモンスターがいないと、ダメージはプレイヤーが全部受ける事になってしまう!!ディー、LP-800!! (古代龍ディー) くぅっ……あぁ!! そろそろヤバそうですね……(LP:500) (C・Mミハエル) どうした!?このままだとオレの圧勝だぞ!! (古代龍ディー) まだ……諦めてはいませんよ。 (C・Mミハエル) だが……これで終わりだ!! 「水龍ゼノス(攻撃力:2400)」を攻撃表示!! (古代龍ディー) ゼノスさんですか…… わたくしは「ゴースト・サモナー(攻撃力:1600)」を……攻撃表示に。 (C・Mミハエル) フッ、最後の抵抗か。だが、一番攻撃力の低いアグレッシヴ・シールドに攻撃しても、オレのLPはゼロにはできんぞ。 (古代龍ディー) フフッ、ゴースト・サモナーには特殊能力がありましてね…… 墓場のモンスターの能力を使うことができるんですよ。そのモンスターは、イエローマウスです!! (店員) あーーっと、わざわざイエローマウスを倒させたのはこのためだったのかー!! (古代龍ディー) それだけじゃありませんよ。このコンボは全てのモンスターが攻撃表示じゃないと意味がないですからね。だからわざと狙わせたのですよ。 (C・Mミハエル) ほほぅ、そういう使い方があったか。だがよく考えてみろ。A・シールドやウィザードは倒せても、ゼノスを倒す事は不可能のはずだ。 (店員) 確かに、Aシールドの攻撃力は800、ウィザードは1500で撃破は可能だが、ゼノスに攻撃しても返り討ちにあうだけだ…… (古代龍ディー) それなら、「もう1つの亡霊」に力を貸してもらいますか、フフフ…… (C・Mミハエル) なに!?そいつは2体以上のモンスターの力は吸収できないはずだぞ!! (古代龍ディー) 別に、亡霊と言っても、何も墓場から召喚するだけが全てじゃないんですよ。足下を見て下さい。 (C・Mミハエル) 足下……? ああっ、これは!? (店員) おぉーーっと!! 金属の破片が空中に浮かんでいる!? (C・Mミハエル) まさかこれはメタルウォールの…… (古代龍ディー) そうです。さすがミハエルさん。メタルウォールには、やられた時に限りその体を武器・防具に変化させる事ができる特殊能力があったのです。 (店員) つまり、攻撃力と守備力が1000プラスされる!! (C・Mミハエル) くそっ、これは初めから仕組まれていたことなのか…… つまり、オレのモンスターは…… (古代龍ディー) ゴースト・サモナーをメタルアップ!! さらにライトニングストームで敵全てを攻撃!! (C・Mミハエル) ぐわぁーーーーーーッ!! (店員) ミハエル側の全モンスター消滅!!合計ダメージ3300!!ミハエルのLPはゼロ!! (C・Mミハエル) オ、オレのモンスターが…… ぜ……ぜんめつ!! (店員) 勝者ディー!! (古代龍ディー) やったぁ!! (C・Mミハエル) ふぅ……あんた、強かったぜ。オレもまだまだだな。修行しなおしてくるよ。 (古代龍ディー) いえいえ、ミハエルさんこそなかなかでしたよ。また機会があったらやりましょうね。 (C・Mミハエル) あぁ、それじゃオレはそろそろ時間だから帰るよ。用があったらここにきてくれ。オレがいる神殿だ(地図が書かれた紙をディーに渡す) (古代龍ディー) えぇ、それじゃぁ、またお会いする日まで、さようなら。 (C・Mミハエル) (店を出る) (古代龍ディー) じゃあ、わたくしも帰りますか。今日は久しぶりに楽しめましたわ。店員さんも付き合って頂いてどうもありがとうございました。ではさようなら(店を出る) (店員) あ、あぁ、また来てくれよ。オレも楽しかったぜ。 (〆) しかし、店員にはどうしても言いたい事があったようだ。ミハエルやディーをはじめ、全ての人に。 (〆) それは「あの2人は結局カードを買ったのか?」や「ディー一発逆転しすぎ」や「あんなカード、し、知らね〜」などではなく、 (〆) 「オレは店員じゃなくて店長なんだよ!!」と…… |