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シマ馬の縞模様
小さいころ大好きだった動物園。なかでもアフリカの動物たちは格別だった。
ライオンや象やキリンの魅力は言うまでもない。だが、一方で神さまはどうしてあんなふうに体中に縞模様を描いたのだろうと不思議に思ったのがシマ馬だった。
白と黒の模様が体をくまなく埋めつくし、それは背中から頭に向かう立て髪にまでしっかりと塗り分けられていた。たしかにシマ馬はきれいな縞模様があるから、子供心にも一目瞭然でわかりやすく覚えやすかった。だけど、どうしてあんなにきれいな模様があるのかとても不思議に思ったものだ。
まさに「体に縞模様があるからシマ馬なんじゃないか」という友だちとのふざけた会話から、まじめ顔で「体に縞模様があるからしげみの中では目立たなくて安全なんだ」という先生まで。いろいろ聞いたり、懸命に考えたけどはっきりしないまま今日に至っている。
あるとき映画で見るとシマ馬は草原の中に紛れるどころかとても目立って見えていた。雨期の草原や乾期の大地に紛れるためだけなら、もっと効果的なことがありそうに思えてくる。
そして、その後思いついたことといえば、動物園と違ってアフリカの大自然にはシマ馬は一頭でいるわけではなく、たくさんで群れているということだ。
もしかすると群れるということと、縞模様とが何か特別な関係をもたらすのかも知れない。
たしか昆虫の目には、人間と同じものを見ても全く違った世界が見えるようなことを習ったことがある。同じように動物の目にも人間と違った見え方があるのかもしれない。
例えばシマ馬の縞模様には、それを見た動物の目をチカチカ刺激してモアレ現象を引き起こし、距離感を狂わせてしまうとか。あるいは、目が眩んで透明になったかのように見失ってしまうようなことが?。
いつの日か実際にアフリカの草原を訪れて、どんなメリットがあるものなのか縞馬に聞いてみたいものである。
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Think Visually, Act Graphically!
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