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バーガーショップのストライプシャツ
時折り子供たちといく街角のハンバーガーショップ。そこはいつもまるで別世界の様なハイな気分に満ちている。
ショップに一歩足を踏み入れたとたん、目に写るものは赤や黄色の色合いをまぜあわせたかのような明るさで、耳に入るのは子供達の楽しそうな甲高い話し声や笑い声。
そしてショップは鼻孔をくすぐるジューシーなバーガーの香りやポテトの香りが混ざりあった甘ったるい空気に包まれている。まさに子供のころの遠足気分とかお祭り気分と似ているものがある。
元気いっぱいの子供たちや若者が大勢あふれていることがそうした雰囲気をますます高めている。カウンターにはいつも明るい縞柄のシャツを着た元気のいい店員がきびきびと動いていて、順番が来ると満面の笑顔でリズミカルに応対してくれる。時の流れが数十パーセント早まったかのような錯覚にとらわれる。だがそれらが意外にショップに合っていて、こちらまでうきうきとしてくるから不思議なものだ。
最近、ハンバーガーショップのグッズコーナーに可愛い人形が登場した。いかにもアメリカのコミック誌から抜け出したかのような愛敬たっぷりの人形と、サーカスからそのまま抜け出したかのようなおどけたピエロの人形だ。それはどちらも揃ってストライプ柄のウェアを身につけている。
ピエロのいでたちをしたドナルド君は、流行の茶髪なんてものじゃなく燃えるような真っ赤な髪で、赤い靴をはき、赤のストライプシャツに白い大きなポケットのついた黄色いジャンプスーツを着てる。思いっきり胸を張って満面のにこにこ顔に、「ようこそ」といった感じに指をそろえた手のしぐさが可愛い。また、ぶかぶかの赤い靴とだぶだぶで短めの黄色いジャンプスーツはいっそうおどけた愛くるしさをかもし出している。
一方、ちびっこギャングといったいでたちのハンバーグラー君は、黒いストライプのシャツとズボン、黒ぶちのサングラス、そして黒い帽子をかぶりとまさに全て真っ黒ずくめといったいでたちだ。だが、茶髪に合わせるかのように、黒に対比して真っ赤なネクタイと赤い手袋を強烈なアクセントにしたお洒落君。太めで真っ赤なネクタイにまでハンバーガーとおぼしき模様がプリントしてあるといった懲りようだ。ワルガキ然とした格好でいったい何をしでかそうとしてるのだろう。どちらの人形も、愛くるしい姿がいかにも子供たちや母親の目を引きそうだ。思わず手にしたくてうずうずしてしまいそうである。
どちらも小さな新入りの人形だけどとても目だっていて、やんちゃで元気いっぱいの雰囲気が伝わってくる。どういう訳かどちらも大胆な色合いのストライプシャツに身を包んでいるところがおもしろい。そしてそれはまたとてもよく似合っている。
コントラストの強いストライプ模様は目を引きつけるばかりでなく、どこか親しみを感じさせるから不思議だ。周りを見渡せば、人形ほどに派手ではないがやはり似たようなストライプのシャツを着た子供達がそこかしこにいて、楽しそうに騒ぎたてたり懸命にバーガーを頬ばったりしてる。ストライプ模様はみんな仲間といった雰囲気だ。アメリカから入ってきたファストフードはカジュアルでフレンドリーさが心情だと思っているが、その雰囲気に屈託のない大胆なストライプ柄がとてもよく似合うことに驚いた。
  
Think Visually, Act Graphically!
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