悪魔が嫌うパジャマ

夢の世界はいつもストライプ模様のパジャマで訪れる?

思えば子供のころからストライプ模様のパジャマを着て眠ることが多かった。そのころはパジャマの柄について深く考えたことはなかったため、ただ漠然とそんなものかなと思っていた。しかし後年、パジャマに多用されるストライプ模様には訳があるらしいことを知った。

驚いたことにストライプ模様のパジャマは就寝中の身を悪魔から守ってくれるという意味があるらしい。確かに日々の暮らしの中で眠っている時ほど無防備なものはない。誰もが就寝中はまさに心ここにあらずの状態におかれている。
寝る前の戸締りや火の用心を厳しく言うのは就寝中の無防備状態を自認するからに他ならない。今日のような高性能な鍵やセキュリティシステムのなかった時代には就寝中の不安感も格別だったに違いない。ましてや夜が今よりも暗かった時代、暗闇には鬼、怨霊が徘徊すると信じられていた時代ともなればその恐ろしさはいかほどのものであったろう。なんとか就寝中だけは安らかでありたいと願ったことだろう。

悪魔はコントラストの強いストライプ模様を嫌うと考えられているようだ。悪魔はそうしたものを極力避け決して近づかないという。なぜだろう?。なぜそうなのか知りたいものである。しかし、それにしてもいったいいつの世の、どこの誰が最初にそうだと確信したのだろう。
悪魔という響きからして、それは遠いヨーロッパの話だと思っていた。だが最近になって山口県 にも鮮烈なストライプ模様の凧があることを知った。それは子どもの誕生を祝って正月元旦にあげる「鬼ようず」と呼ばれる厄よけ凧である。鬼が子どもに危害を加えないようと作られた。凧にはいかにもといった風情の恐ろしい鬼の顔が描かれていて、足にコントラストの強い紅白のストライプ使われている。紅白の組み合わせは一方で縁起のよい色とされているから祝いの品に多く使われるが、それを鬼の顔と組み合わせたところがおもしろい。私には鬼と悪魔との違いがよく分からない。だが日本にも厄よけとしてコントラストの強いストライプ模様を使うという似たような例があることが不思議に思えてきた。


いつの日か、なぜカラー・コントラストの強いストライプ模様を悪魔が嫌うのかその真意を知りたいと願っている。信じる信じないはともかくとして、今日ストライプ模様のパジャマは容易に手に入るため、これからも大勢の人たちがストライプ柄のパジャマに身を包んで眠ることだろう。

今日の人類の繁栄は先人の数々の知恵を受け継ぎながらもたらされている。そのことを思うとき、先人が残したストライプ模様の意味にも無関心ではいられないように思えてきた。
真偽のほどは定かではない。しかし安らかな眠りを求めるうえで役立つなら、素直に従ってみようかという気がしてくる。そうすることでストライプ模様のパジャマは一人一人の身を守り、人類の繁栄に貢献し続けてくれるかも知れない。





Mr. M. Nakagawa for Jcam program http://www.yo.rim.or.jp/~nakagawa/

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