2日め






この日は高松でお仕事。宇野を6時に発して瀬戸大橋を渡ってアクセス。
時間はまだあるので、まずは香川県立体育館へ。設計は丹下健三。
既に閉鎖され、なかに入ることはできません。着工は代々木よりわずかに先。
船のような形をしていますが、なぜ体育館でこうなるのかよくわかりませんでした。
ただ意欲作ではあるなと感じました。特にコルビュジェからの影響は色濃く、
前川國男さんの作品に近いものもあります。


次に定番の香川県庁舎。同じく丹下健三の出世作。こちらはひと目で傑作とわかる。
基本的には面白くもない事務所建築ですが、それ故、ディテールのこだわりは並々ならぬものがある。
1階ホールの階段は段板と手すりが木材です。今の感覚からはありえません。
隣に同設計者による新庁舎がそびえていますが、全くの別物です。


ここで仕事を挟んで高松を離れ、ホテルに戻ってリモートでもうひと仕事。

13時台の船に乗って、この日は豊島へ。足がないので電動アシスト自転車を借ります。
今回が電動アシスト初体験。直島でも借りましたが、起伏の多い瀬戸内の島では必須です。

まずは豊島横尾館へ。設計は永山祐子。どこからどこまでが作家によるものなのかが
よくわからないものが多かった。そういう意味ではコラボレーションがうまくいったのかも。
庭の生きた鯉や上と下に無限に延びていくような円筒が気に入りました。


次は最も離れたところにある、ボルタンスキーの心臓音のアーカイブへ。
まず、ロケーションが静かな浜辺でとてもいい。
展示スペースには中央に白熱電球があり、その他の照明はなし。
壁にはおそらく肖像写真が無数にかけられていますが、よく見えません。
白熱球は大音量で流される心臓の鼓動に合わせて明滅します。
切り替わるときには真っ暗になります。


イオベット&ポンズによる6つのバスケットゴールは「勝者はいない」。なるほど。


さてここで問題の豊島美術館です。今回いちばん見たかったもの。
安藤さんばりにさんざん焦らしたアプローチの先に見えたものは、でかい!
驚異的な無柱空間で、土の上にコンクリート打ったとは思えないほどきれい。
一方で内藤礼さんによるインスタレーションは、ただただ儚い。
トータルで見ると驚異的なミクロとマクロの融合でした。
疑問符がわくのは、開口部の断面、ほんとうにそれでいいの?くらい。
おおげさかもしれませんが、これは現代日本のパンテオンです。


そのあとでカフェに入りましたが、基本的ボキャブラリーは同じなのに凡庸。
サヴォア邸と門番小屋みたいな関係でしょうか。

ここを出た段階でもう4時前。パンフレットには4時半までと書かれている、
ストーム・ハウスやピピロッティ・リストの作品には入れませんでした。
森万里子の作品は意地で見に行きましたが。


最後に大竹伸朗の針工場を外から見て終了。まだ5時前で、急げば4時台の船に乗れてた。
次の船まで1時間40分。港で瀬戸内の景色を眺めながらたそがれていました。






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