4日目






パリをようやく離れ、TGVで一路リヨンに南下。
ここからトーマスクックの時刻表にも載っていない路線でラルブレルという駅を目指します。
目的はコルビュジェの晩年の傑作、ラ・トゥーレの修道院を見ること。

切符は無事買えましたが、リヨン発12時過ぎの遅い列車になってしまいました。
どうやら運行本数が極端に少ないようです。
仕方なく荷物を駅のコインロッカーに預け、サンドイッチを買い小腹を満たす。
1時間半ほど待ったか。

ようやく列車に乗り込み30分ほどでラルブレルへ。
帰りの時刻表を見ると、どうやら15:45の列車しかない。本日宿泊するル・ピュイへは
計画より1時間遅く到着することになるが、仕方ない。

と、ここで同じく時刻表を確かめていた日本人男性の方に声をかけられました。
聞けば同じくラ・トゥーレに向かうとのことで、ご一緒させていただくことに。
地図も何も持っていなかったので、助かりました。

この方、やはり建築関係のお仕事をされているとのことでT中工務店の
大阪に勤務されているとのこと。大学の同期が共通の知り合いでした。この世界は狭い。

ラ・トゥーレまでは徒歩30分とのことでしたが、もうちょっとあったような気もします。
坂を延々上り、上りきったところにそれはありました。



修道院は大規模補修工事中ということもあり、第一印象はあまりよくありませんでした。
部分的に白く塗装してあるところがあって、あれえ?もとからこんなんだっけ?
内部は3時からのツアーに参加しなければ見ることができません。ただし、教会内だけは
自由に見学可とのこと。ぼくらは列車時間を考えると、ツアーは断念せざるを得ませんでした。


仕方なく、外回りを時計回りにぐるりと一周。なんだろう。ディテールやらテクスチュアやら
ノイズが多い感じ。部分的に魅力的な造形はあるにせよ、全体はどうにも好きになれません。
施工精度も随分荒い感じ。



最後に教会内に入ってみるも。うーん。基本、直方体なのですが、スケールオーバーしている。
このプロポーションだったら鈴木洵さんのGAギャラリーの方が優れているとさえ思います。
光の採り方もいまいちに感じました。



そんなこんなで同行した方と別れを告げ、駅に向かって山を下ります。
途中少し迷うも、時間に余裕をもって駅着。さて、切符をとりますがここの駅員さんが
まるで英語を話せない。で、ル・ピュイに9時過ぎ着の列車しかないという。
そんなばかなと時刻表を再度めくって気がついたのは、その列車はリヨンのパールデュ駅ではなく
ペラーシュ駅乗り換えだということ。ぼくらはパールデュ駅に荷物を預けているのでこれはまずい。

で、このとき連れ合いがいいアイデアを出してくれました。パールデュ行きの列車は少ないが
ジョージという3つめの駅へは頻繁に列車が出ているらしい。これに乗っていって、
ジョージからパーラデュまではタクシーかメトロで移動するというもの。
チケットはこちらに替えてもらいました。

が、15:15に来るはずの列車をホームで待つも、一向に現れません。来る気配すらない。
次の15:45もこなかった時、明らかにおかしいと感じました。
ホームの事務所にいる別の駅員さんに聞くと、今日は列車は走っていなくて、かわりに
バスが走っているとのこと。丁寧にバス停の位置まで教えていただきました。

列車が走っていないなら切符売り場の駅員が教えてもいいのに、と文句を垂れながら
バス停に急ぎます。この間、約1時間の待ちぼうけ。
バスは来たものの、路線バスなのでいろんなところへ寄っていき、一向にジョージに着きません。

結局着いたのはもう5時。パーラデュ発の電車は17:19なので絶望的です。
おまけにタクシーを捜そうも一向に見当たらない。そんなとき若者2人組に声をかけたところ
メトロの方が早いとのこと、彼らもメトロに乗るというので詳しい乗り換え方など
紙に書いて教えてもらいました。ありがとう!若者よ。

パーラデュ駅で荷物を出して、自販機でジュースを買って一息つきます。
17:19は結局間に合わなかったため、ル・ピュイ20:38着の当初計画より2時間遅れ。
ル・ピュイの宿では夕食がついているので、食事に間に合うのか心配です。

サンテティエンヌ乗り換えでル・ピュイに着いたらもう夕暮れ。
真っ暗になると方向感覚を失うので宿へ急ぎます。が、結局道に迷い、近くのホテルの人に
場所を教えてもらいました。感謝!果たしてホテルへは9時過ぎ着。夕食もなんとかOK。

部屋で荷物を降ろしてからレストランに向かいますが、初老の上品な白人の客ばかりで
一瞬ひるむ。場違いだなあ。しかも遅れた最後の客だし。しかしここの食事は完璧だった。
アミューズブッシュや口直し、プチフルールまでしっかり出るし、味も上品。
最後はシェフがひとつひとつのテーブルをまわり、挨拶をしていました。

お気に入りの宿&レストランはHOTEL DU PARC-RESTAURANT FRANCOIS GAGNAIREでした。





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