『生誕の日・狂狼編』

※この先、R-18指定な内容を含みます。苦手な人と18歳未満の方はご遠慮ください。
『純愛編』の続きになります。





















「小狼様。お誕生日おめでとうございます。わたしからのささやかなプレゼントです。どうぞ、この卑しいさくらの肉を存分にお楽しみください・・・・・・」

さくらの告白を聞いた小狼は一瞬だけポカンとした表情を見せた。
が、すぐにいつもの無表情に戻ると精神集中をするかのように目を閉じた。
数秒後、目を開いた小狼の口から出たのは

「今年は姉上たちはいないようだな」

というものだった。
小狼の言葉は昨年の同じ日に芙蝶たちが仕組んだ悪戯のことを指している。
一年前、小狼は今と全く同じ告白をさくらから受けた。
だが、それは芙蝶たちの仕組んだ悪戯だった。
さくらに小狼を誘わせ、それを隣の部屋からのぞき見するという少々、悪趣味な悪戯だったのだ。
今日のさくらの言葉は一年前のあの日と一言一句変わっていない。
なので、今年もまた同じ悪戯を仕掛けてきたのかと考え気配を探ってみたのだが、周囲に人の気配は感じられなかった。

「そ、そうですか」
「部屋の周りに人の気配は感じられない。どこかに潜んでるってことはなさそうだな。それにしても」

あらためてベッドの上のさくらに目を向ける。
全裸で縛り上げられた可憐な少女。
お年頃の男の子には少しばかり強烈すぎる光景だ。

「その格好、また姉上たちにやられたのか」
「はい。その・・・・・・」
「毎度毎度、よくやるよ。去年も言ったが、姉上たちの悪戯につきあう必要はないぞ」
「そうは言われましても〜〜」
「やれやれだな」

小狼は諦めたようにふぅっとタメ息をついた。
無理もないかと思ったのだ。
一介のメイドにすぎないさくらに、芙蝶たちの命令が拒否できるわけがない。
それに、あの4人は小狼ですら手を焼く強烈な個性と自我の持ち主だ。
さくらでは歯が立つまい。
ただ、そんな女怪たちが今年は大人しく引き下がったという点が小狼は少し気になった。
昨年、悪戯の報復に手痛い一撃を喰らわせはしたが、そんなことで参るような4人ではないことを小狼はよく知っている。
何か別の悪戯を企んでいるのではないか。

「闘・妖・開・斬・破・寒・・・・・・」

口の中で呪を唱え、再び精神を集中する。
先ほどよりも一段と深く精神を研ぎ澄まして部屋の中を探査する。
この探査術ならば、豆粒ほどの大きさの盗聴器でも発見することが可能である
どんな罠が仕掛けられていようと見破れるはずだ。

「滅・兵・剣・瞬・闇・・・・・・」

部屋の隅から隅までくまなく精神の細糸で探索していく。
だが、どれだけ探してもおかしなものは見つからなかった。
隠しカメラやマイクなどの機械も、術式の類も何も見当たらない。

「おかしいな」
「なにがでしょうか」
「いや、姉上たちのことだ。大人しく引っ込んでるような人じゃないからな。今年も何か仕組んでるんじゃないかと思って探してみたんだが何も見つからなかった。さくら。姉上は何かおかしなことをしてなかったか?」
「特に何も。ただ・・・・・・」
「どうした。やっぱり何かやってたのか」
「いえ、そういえば芙蝶様が妙なことを仰られていたなと思いまして」
「なんて言ってた?」
「今年の趣向は去年とは一味違うわ。覚悟しておくことね、と」
「なるほど。たしかに一味違うな」

小狼は苦笑してさくらの身体を見つめた。
去年、さくらの四肢を戒めていたのはゴツイ荒縄だった。
少女の白い肌に食い込む荒縄という、その気のある男にはたまらないシチュエーションであった。
それに対して今年のさくらの手足を縛っているのはまっ白なリボンだ。
しかもただのリボンではない。
一目で贈答品用とわかる高級品である。
そんなリボンで、大事なところが見えるか見えないかという微妙な按配でさくらの身体を包んでいる。
去年のさくらも充分に刺激的なものだったが、今年のさくらには去年のそれとは違う魅力がある。
去年のさくらを“捧げられた生贄”と表現するならば、今年のさくらは“あなたへのプレゼント”といったところか。
たしかに去年とは少々、違うようだ。

だが、今年と去年ではもっと根源的な違いがある。

小狼は軽く首を振って4人のことを頭の中から追い出した。
これ以上考えてもあの妖怪たちの考えなどわかるわけがないと判断したのだ。
それに、今夜はあの4人のことを考えている暇などない。
他にもっとやるべきことがあるのだ。

さくらの横に腰を下ろし、軽くその顎をつかんで引き寄せる。
引き寄せた唇にまずは軽いキス。
一度、唇を離してからもう一度。
今度は本格的な深いキス。
唇を割り裂いて舌をねじ込み、さくらの口内を思う様に舐る。
かなり荒々しい愛撫だが、さくらは何の抵抗の気配も見せない。
黙って小狼のなすがままにされている。
その顔に浮かんでいるのは嫌悪や恐怖の情ではない。
悦びだ。
数秒の後、重ねていた唇を離した二人は、互いの瞳を見つめながらクスリと笑いあった。

「姉上たちがわざわざ用意してくれたことだしな。今年のプレゼント、有り難く頂いておこうか」
「はい、小狼様」

今年と去年のもっとも大きな違い。
それは、今年の二人はもう十分すぎるほどにお互いの想いを通じ合わせていることだ。
昨年のあの日から今日までに二人の間にはたくさんの出来事があった。
互いに想い合いながらも身分の差から正直になることができず、時には落胆し、失望し、嫉妬し、それでも諦めきれずに様々な事件と衝突を繰り返した後、ついに二人は結ばれた。
むろん、まだ公にできることではないがお互いの想いはハッキリと確認し合っている。
まだ数えるほどでしかないが幾度か肌も重ねている。
今日だって、芙蝶たちにおかしな指図などされずともこうして愛し合うつもりだったのだ。

「あ・・・・・・」

小狼の指がリボンの上からさくらの肌をまさぐる。
うなじから肩へ、肩から胸へと少しずつ位置をずらしていく。
初めのうちはこわれものを扱うかのような繊細なタッチであったが、まさぐる位置が下がるにつれて少しずつ肌を圧迫する力が強くなっていく。
指が双つの膨らみに達した時には、すでに布に喰い入るほどに強い力がこもっていた。
まだ成長途上の胸の硬さを楽しむかのように掌全体で揉みしだく。
小狼はこのさくらの胸の感触が気に入っていた。
硬すぎず、柔らかすぎもしないこの不思議な感触が大好きだった。
大きさもいい感じだ。大きすぎず、小さすぎず、小狼の掌にすっぽりと収まる。
まるで小狼のためにあつらえた特注品であるかのようだ。

「さくらの胸、とってもいい感じだよ。卑しい肉だなんてとんでもない。お前の体は最高だ」
「あ、ありがとうございます・・・・・・・ふぅ・・・ん・・・」

ひとしきり胸の感触を堪能した後、指は新たな目標へ向かう。
リボンに隠されたもう一つの秘密の場所へと。
そこに辿り着いてもいきなり指を突き入れるような無粋な真似はしない。
まずは布の上からサラサラとした和毛の手触りを楽しむ。
指を動かす度にさくらの身体にぴくぴくと痙攣が走る。
まだ異性にそこを触られることに慣れていないのだから無理もない。
それでも小狼を拒否するような動きはみせない。ギュッと目を閉じて小狼の愛撫に耐えている。
そんなさくらが何とも言えずに可愛い。
しばらくはそのまま布の上からの愛撫を続けていた小狼だったが、そろそろさくらの方も準備が出来たと思ったのか、布の隙間からさくらの中へと指を差し入れた。
ぬるりとさくらの肉が小狼の指を飲み込む。
そこはすでに十分すぎるほどの蜜を湛えていた。

「すごいよ、さくら。もうこんなにして」
「いや・・・・・・。恥ずかしいこと言わないでください」
「何がイヤなんだ。こんなにして恥ずかしいも何もないだろう。さくらはいやらしい子だな」
「そんな・・・・・・さくらはいやらしい子なんかじゃ・・・・・・くぅっ!」

さくらの反論はさらに深く潜り込んだ指の動きに中断された。
さくらの中で蠢く指の本数は2本に増えている。
2本の指がぬちゃぬちゃと淫らな音をたててさくらの中を掻き回す。
さすがに耐え切れなくなったのか、身を捩って逃れようとするが、未だリボンに拘束されたままの四肢ではそれもかなわない。
小狼の指に合わせてビクンビクンと身を震わせるのみだ。
純潔を象徴するかのような真っ白なリボンに包まれながら淫らな痴態に狂う少女。
日頃のさくらの清楚さからは想像することのできない淫靡な光景だ。
指を締め付ける肉の感触もまたたまらないものがある。
己の分身を突き入れたらどれほどの愉悦を味わえるか、それを想像しただけで果ててしまいそうだ。
小狼は夢中になって指をくねらせ続ける。
やがて

「うくぅっ・・・・・・」

小鳥が絞め殺されるような呻き声とともにさくらの身体にそれまでより強い痙攣が走った。
フルフルと数瞬震えた後にぐったりとなる。
指の動きだけで軽くイッてしまったようだ。
ハァハァと荒い息をついている。
愛しい人の敏感な反応に小狼も上機嫌だ。
だが、まだまだこんなものではない。
お楽しみはこれからだ。

「ダメじゃないか、さくら。一人だけでイクなんて。オレを楽しませてくれるんじゃなかったのか」
「も、もうしわけありません」
「まあいい。今度はオレも楽しませてもらうぞ」
「どうぞ、小狼様。ご存分に」
「いい子だ、さくら。だが、その前に」

言いながら小狼はさくらを縛るリボンの端を引っ張った。
リボンで縛られた恋人といういつもとは違うシチュエーションが刺激的だったので放置していたが、本格的にことに及ぼうとすると邪魔だ。
そろそろ外した方がよさそうである。

「こいつはそろそろ外した方がいいな」
「そうですね。さすがにちょっと邪魔です」
「ちょっとじっとしてろ。よっと」

リボンの端っこを強く引いて結び目を解き始める。
昨年の縄は問答無用の一閃で断ち切ってしまったが、今年はそうしたくなかった。
(一応は)姉たちが自分へのプレゼントとして用意してくれたリボンだし、剣を見せてさくらを怖がらせたくなかったからだ。
1つ1つ指で丁寧に結び目を解いていく。
結び目を解く度に、少しずつさくらの肌が露になっていく。
その度にさくらの身体は震え、頬の赤みが増していく。
その度に小狼の息は荒くなり鼓動が激しくなる。

(これはなんというかその・・・・・・ちょっとくるものがあるな)
(はぅ〜〜。は、恥ずかしいよぉ〜〜。まるで小狼さまに剥かれてる、みたいな・・・・・・)

リボンの縛り方は二人が考えていたよりもはるかに巧妙なものだった。
いくつもの結び目が複雑に絡み合ってさくらの身体を拘束している。
1つ2つの結び目を解いても簡単には抜け出せない。
自由になるには1つ1つ順番に結び目を解いていくしかない。
そして、結び目を解く度にさくらの肌が露出する。
リボンを解く方も、解かれる方もとても恥ずかしい。
結び目を解く毎に両者の興奮が高まっていくという、なかなか巧妙な仕組みである。

なるほど、これが芙蝶の言っていた“今年の趣向”か―――

小狼もさくらもそう理解した。
それがとんでもない誤りだと気づくのにそれほどの時間を必要としなかった。

NEXT・・・


続きます。

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