Last Modified : 24 JULY 2004
From Dulcinea's diary Part.4 "March for the Dulcet Wind".
ドルシネア、ウィンダスに起床。知人に送ったマロングラッセは、例の人だけ未だ配達中になっていた。受け取って貰えないのかなと微かに不安を抱く。
ミスラ風山の幸串焼きを焼いた後で蟲の卵を購入し、雪山のロランベリーを作る。そしてこれをバザーに補充し、「今日のお菓子」としてバザーコメントに記載する。今月に入った辺りから続けている「今日のお菓子」だが、買ってくれたのはダンディーヒュームのMmさんくらいなものだ。高いしステータス上昇の効果も薄いので、仕方ないといえば仕方ない。
未だ鞄に入っているパママを見て、これを使った調理を試してみることにした。競売所に行き「ククル豆」をダースで購入、バブルチョコを作成する。これに様々な材料を加えて、「パママのタルト」を作成した。アイテムの説明書きには、こんがり焼いた生地にパママをのせたパイの一種
、とある。そういえば確かに材料がパイのそれに似通っていたな。バナナの上にチョコがかかっているのか、これは美味しそうだ。早速一切れを口に頬張る。
競売所の近くで女性ヒュームのTkさんに久し振りに出会った。立ち話をしていると、我々を探してやって来たエルヴァーン姐さんのCcさんも顔を見せた。即席パーティを組んで、暫く三人で立ち話をする。炎のクリスタルの栽培の話。花火の話。現在行われているという木のお化けイベントの話。お金稼ぎの話。「最近は錬金で生活してるよ」というCcさん。
また、話をしていたら寄ってきた海外ユーザの人に話し掛けられた。そのことから、外国人ユーザに関する話題などにも話は及んだ。二人はマロングラッセのお礼も言ってくれたのだが、勿体無いので食べないで取ってあるという。そういうことならと、手持ちのマロングラッセを渡して食べてもらった。
二人と別れ、パママのタルトをMmさんに送ってモグハウスに戻る。送られて来た一万ギルの件で送り主のNmさんにメッセージを送信して、この日は就寝。
翌日、Mmさんからはパママのタルトへのお礼のメッセージが届いた。更にもう一通、Nmさんからは、一万ギルは「食材の足しに」して下さいとのこと。そう言われたら断るのも無粋だろう。ドルシネアでログインし、ポストから取り出して有り難く頂戴する。これで所持金は98,861ギルになった。
昨日Tkさんから一つだけ譲ってもらったワイルドオニオンで山串を焼く。山串一回作る分の材料が残っていたのだが、オニオンだけ切らしていたのだ。対価を払うといったのだが、Tkさんはただで譲ってくれた。山串を焼くと、今はそこそこいい確率でハイクオリティ品になる。それこそ調子のいい時は、二回に一回は族長山串が出来る具合だ。だから現在の山串作りは完全に族長狙いになっていて、普通の山串が出来ると「失敗だ」と思ってしまったりもする。
この日は竿と疑似餌を持って、モグハウスを出た。久し振りの、そして恐らく最後の釣りを楽しむつもりだ。まずは西サルタバルタに出掛けて、淡水の池でナマズ釣りである。竿を操るマクロを久し振りに使う。糸を垂らすぽちゃんという音が、本当に懐かしい。
ヒットはするが結構逃げられる。何匹かナマズが必要なのだが。辛抱強く続けていると、ドルシネアの背後、少し遠くに巨大な歩く木が姿を現した。去年町中に飾り付けられたものが逃げ出したという設定らしい。きらきらと光る飾り付けを付けたまま、その木・Twinkling Treeは草原をゆっくりと移動していた。それを追う冒険者の姿は見られない。折角運営側が用意したイベントも、あまり冒険者には相手にされていないようだ。まぁ、これまでのイベントを体験していれば、参加する気が失せていくのも分かるかなぁと思う。かくしてドルシネアも、じっと動かず釣りを続ける訳である。
この日、このイベントに関してメンテナンスが施されていた。何でも昨日まで、この木が余りにも強過ぎて冒険者が幾ら攻撃しても体力が減らなかったらしいのだ。このため、イベント失敗の雰囲気が濃厚だったそうである。そこで今日のメンテナンスで、少し弱く設定し直したらしいというのが巷の評判だ。数ヶ月前に行われた大蛙のイベントを思い出し、なんともはやと失笑する。
しかも今日は、世界各地にいるこの木を倒せば以前あった各地方へのテレポサービスを復活させるという、美味しい報酬まで発表された。既に木が出現していた先日までは、言われてなかった報酬だ。なんというか、「イベントに参加しないとテレポサービスはあげない」という半ば脅迫めいたやり方の様に思える。もうちょっと面白く演出出来ないものだろうかね。
やがて何とか三匹のナマズを釣り上げることが出来た。加えてダークバスも数匹釣れた。これでいいだろう。ウィンダスに戻って釣りの道具を金庫にしまう。ググリュートゥーナという海水魚を購入して、出掛けるべくチョコボ厩舎を目指した。
この途中で、Mmさんとヒューム戦士のRiさんに出会った。
これから二人で、先程のツリー退治に出掛けるとの事。Riさんに応援の族長山串を六本渡してその場は別れた。
チョコボを駆って港町・マウラに到着。ここで以前クエストを受けていた、とあるNPCに用事があった。買ってきたググリュートゥーナを彼に渡す。すると彼は、これまでのドルシネアの釣りの記録を告げてくれた。その結果は次の通りだ。
はー、凄いな。8,000回近く糸を垂らしていたんだな。結局大きさの記録はCcさんには及ばなかったな。まぁ、やり込みの度合いが違う、当然か。でも、もうちょっと張り合ってみたかったかな。きっとあちらも燃えただろうに。
船に乗ってもう一つの港町・セルビナに向かう。甲板でボーっとしていたら同乗者のバザーに花火を見つけたので、これを買って甲板の中央で披露してみたりした。
セルビナに到着。釣りギルドに足を運ぶ。奥の部屋にいるガルカに声を掛けると、釣りの目標としていたクエストを受けることが出来た。その名も「ハラキリ」。大物の魚を彼に渡すと、捌いてくれるというクエストである。魚は捌いてしまうよりも店に売った方が儲けになるのだが、捌いた魚からは時折飲み込んでいた宝石などを得ることが出来るらしい。そうすれば当然その方がいい儲けになる。これもある種のギャンブルと言うことが出来るだろう。
このクエストは、釣りのスキルが30になると受けることが出来る。だからスキル30を目標にしていたのだ。だが時間が無くて、ドルシネアの釣りスキルは27までしか上げられなかった。それでもこの「ハラキリ」を受けられたのは、Mmさんに戴いてずっと着用している、お気に入りのフィッシャ装備のお陰であった。フィッシャ装備一品に付き、釣りスキルが+1される。ドルシネアは四つのフィッシャ装備を身に付けているので、釣りスキルは合計で31ある扱いになっているのだ。
早速ガルカに三匹のオオナマズを捌いてもらう。……外れ、外れ、外れ。何気なく持ってきていたダークバスも捌いて貰えるようだ。それではとこれも渡す。……外れ、外れ。残念、全て外れだった。何か出れば、釣りの楽しさを教えてくれたCcさんに、記念として貰っていただくつもりだったのだが。うまくいかないもんだなぁ。
苦笑しつつ、呪符デジョンを使ってウィンダスへと帰還した。
ウィンダスに戻っても、まだ少しプレイする時間があった。何をしようか思案して、そういえばとサルタバルタをサーチした。MmさんとRiさんがいる。まだツリーと戦っているようだ。よし、加勢に行こう。ヌナイからファンガスハットとミストシルクケープを送ってもらい、黒魔道士にジョブチェンジしてウィンダスを飛び出した。シーフではなく、黒魔道士での参戦である。
ツリーと戦うには、まずイベント用に登場しているモーグリに話し掛ける必要がある。彼等にイベントへの参戦を告げると、ツリーへの攻撃が出来る状態になり、同時にレベル制限が課せられる。サルタバルタではレベル20以下に落とされるようだ。その状態が続いていれば、ツリーに殺されてもデスペナルティーである経験値減少はなされない。つまり幾ら死んでもオッケーということになる。強大な敵との戦闘に、気軽に参加できるという訳だ。
まずはモーグリを探さなければならない。広いサルタバルタに数ヶ所しかいないらしいので、自分で探すとしたら難儀なことになる。ところがこのモーグリの場所を、Mmさんがサーチコメントに記してくれていた。非常に助かる。示された場所に向かって、ドルシネアを走らせた。「ただいまj-5」と、唐突なShoutが周囲に響いた。恐らくツリーの居場所を知らせるものだ。なんでもあの歩くツリーは、瞬間移動能力を持っているらしいのだ。消えたツリーを探す冒険者達が、Shoutで連絡を取り合っているのだろう。
何とかモーグリを発見し、イベントへの参加権を得る。黒魔道士は元々レベル17なので、レベル制限の影響は受けない。パンプキンパイを食べてパワーアップ! 先程のShoutで示された場所に向かって、必死こいて走る。
走っていっていよいよ参戦だ。ドル猫は黒魔道士なので、近づかずに魔法で攻撃する。だがツリーは集団の冒険者と戦う為の、強力な能力を与えられている。枝を大きく振り回し、広範囲の敵に対して激しい攻撃が放たれた。バタバタと倒れる冒険者達。ドルシネア自身も何度目かの攻撃でこれを食らい、身体をくの字にして思い切りふっ飛ばされた。今までにも強い攻撃で二、三歩よろめかされることはあったが、この攻撃はそんなもんじゃあない。数十メートルを飛ばされて、背後の岩壁に激突する羽目になる。しかもこれでステータスが「ヘヴィ」状態となり、足取りが重く遅いものになってしまった。これは凄いな! なんだかドラゴンボールを思わせる戦いになってまいりました。
一度殺されて、ウィンダスからまた駆けつける。今度は用心深く距離を取り、ダメージを受けた冒険者の回復に力を注ぐ。「ありがとー」という感謝の声。だがなかなか回復が追いつかない。重傷の冒険者へと駆け寄っていったら、そこにツリーの攻撃の直撃を受けた。173ダメージを食らって、助けに行った冒険者と共に死亡する。
ウィンダスに転送、復活。回復や補助をメインとするなら、黒魔道士よりも赤魔道士がいいだろう。そう考えてレベル18の赤魔道士にジョブチェンジ。キノコの塩焼きを食べて、再び冒険者達の下に駆け付けた。そこにいたMmさん達に声を掛ける。ツリーと戦う冒険者達は、パーティの複合体であるアライランスを組んでいるという。単独で戦うよりも連絡が取りやすくていいだろう。これに加えてもらうことにした。挨拶をすると、大勢の参加者から返事が返って来る。そしてアライランスは、あっという間に最大の18人に膨れ上がった。こんな大所帯は初めてだ。ちょいとわくわくする。
ワープで何処かにすっ飛んでいたツリーを、アライランスの先行したメンバーが発見したようだ。座標の報告を受け、皆でその場所へ走っていく。そして駆け付けた者から、思い思いにツリーを攻撃だ。ドルシネアは仲間の回復をメインに、隙を見て攻撃魔法、そしてツリーが逃げないようにバインドを唱えて釘付けにする。ツリーが大暴れすると、多くの嬌声、悲鳴がアライランスの中を流れていく。そりゃあもう大騒ぎだ。
戦略など殆ど無い、随分いい加減なバトルだが、派手な戦いを気楽に楽しめて面白い。暫くこれを満喫していたが、思わしくなかった体調がいよいよ悪化して耐えられなくなってきた。ちょうど一人、アライランスに加わりたいという新参者が現れたので、彼と入れ替わりにアライランスを退いた。幾つもの「お疲れ様ー」に「頑張ってー」と答えるのも、楽しいものだ。MmさんとRiさんには個別にTellで挨拶をして、ウィンダスへの帰路に就いた。