1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 14 JULY 2004


思い出の荒野

ウィンダスのトパーズトパーズでログイン。部屋を見回すと、設置してある十個の植木鉢全てで、栽培物がカリカリに枯れてしまっていた。それはそうである。何しろ今日は五日振りのログインなのだから。

仕事がいよいよ忙しくなり時間も無く、少し体調も崩れてきたため、FFXIのプレイを控えていた。11月を通して色々なこともあり、精神的に疲れてもいた。心身共に、休まる時間が必要だった。

ジュノのヘブンスコープの方では、競売所に出品していた族長専用山の幸串焼きが売れずに返品されてきていた。また相場が下がったのかもしれない。取り合えず受け取るだけにしておいて、改めてドルシネアでログインし直した。

ドルシネア、ウィンダスに五日振りの起床。ポストには山串の売上げ、18,000ギルが配達されていた。所持金は15万ギル程に回復。最近のドル猫の財布の中身は、二、三万位はあっという間に上下する。安定した生活を好む私としては、この状態とても心臓に悪い。

久し振りに装備を攻撃的なビートル系に着替えて、チョコボに乗って町を出る。最近はログインしても町の中で過ごす事が多かった。久々のログインで、外に出たくてしようが無かった。取りあえずジュノを目指して北上する。

メリファト山地やソロムグ原野でチョコボ掘りをする人たちを眺めつつ、問題無くジュノに到着。ヘブンスコープでチェックしなかった競売所を覗くと、山串の材料であるコカトリスの肉やマウラのにんにくが結構安い。コルシュシュ地方はまだ獣人支配のようだ。栽培をやっている人達が、にんにくを安く提供し始めたのだろうか。取りあえず自分の分をキープしておく。ついでに今後出品する予定のお茶の価格をメモしておく。

画像・ル・ルデの庭にて。
ジュノの最上層、ル・ルデの庭へフレンドのミスラモンク・Stさんに会いに行った。

ル・ルデの庭にはパーティを組む為にとても大勢の冒険者が集う。その影響でStさんが画面になかなか表示されず、右往左往したりする。それをちゃんとその場にいた……つまり戸惑うドル猫の姿が見えていた……Stさんに笑われたりする。レベル50に到達したというStさんに、お祝いの族長山串六本セットを譲渡する。

Stさんと別れて競売に行き、金庫から取り出してきた「ビートルリング+1」二つを宅配NPCに渡す。先程、エルヴァーン姐さんのCcさんにメッセージを送っておいた。狩人のレベルが21になっていたCcさん。飛び道具の命中率を上げられるこの指輪は役に立つだろう。私のプレイも残すところあと一ヶ月。もう射撃のスキルを上げることも無い。処分して換金しようと考えていたものだが、使って貰えるならその方が良い。

再びチョコボを借りて、今度はバストゥークを目指す。グスタベルグまでやって来たとき、開放感に促されるままチョコボを降りて走り出した。装備を軽いフィッシャ一式に着替える。グスタベルグのBGMを聞きながら灰色の大地を駆けていると、初めてこの地にやって来た日の事が浮かんで来た。もうどの位前のことだろう。あの日も私は一人でここを走っていた。……ここで知り合い、フレンド登録を交換した彼。バストゥークを離れて以来見かけなくなった彼は、今どうしているのだろう。

画像・グスタベルグを走る。
遠く過ぎた日に思いを馳せながら、荒野を走る。

バストゥークに到着。商業区には見慣れた寝バザーが今日も列を成している。レンタルハウスにて山串をごんごんと焼いていると、タルタル赤魔道士のNmさんから雷の塊が二つ届いた。いつもいつも有り難い。お礼にキノコでも焼いて送ろう。

合成に良いと言われる満月を含んでキノコを焼いた。うーん、満月の日とそうでない日も、ハイクオリティ品の出来にはそれほど差は無し。Nmさんとその知り合いの赤魔道士エルヴァーン・Vnさんに、族長山串六本と魔女の焼き串五本をセットで送っておいた。……後者が五本というのがなんとも半端でやるせないね。苦情は満月に言っておくれ。


預けられたもの

翌日も取りあえず山串作りで幕を開ける。何だかんだで所持金が10万ギルを切ってしまっていた。昨日15万合った筈なのに……ハイリスク・ハイリターンはこれだから恐ろしい。山串を、山串を売らなければ。

山串・魔女串セットを受け取ったNmさんからTellが届いた。「最近どるさん居なかったんで、Vnさん心配してましたよ」とのこと。それは有り難いやら申し訳ないやら。そういえば月末を挟んでいたから、まさか11月一杯で解約!?なんていう推測を抱かせることも合ったかも知れないな。

北グスタベルグの山で久し振りに狩りを楽しんだ後、バストゥークの錬金術ギルドに顔を出した。調理の新たなレシピ、カモミールティーの作成に挑戦するのである。その材料となるハーブのカモミールは錬金術でも用いられる。そのため安価に手に入れるには、ここバストゥークの錬金術ギルド直営店で購入するのがいい。そう考えてのバストゥーク来訪である。

茶を煎れて、取りあえず最初の一杯は自分で飲む。お茶一杯如きで一時間満腹となるのはこれ如何に。残りはNPCに売却するが、一杯たったの30ギルだ。大赤字である。煎れること自体まだまだ失敗しがちで、調理スキルも上がりにくい。辛抱どころである。

買い物をしにジュノへ向かう。チョコボに乗ってコンシュタット南部の山間部を駆け抜けていると、前方にトカゲと戦う一人の冒険者が見えた。すかさずサーチ。レベル14、サポートジョブ無しの赤魔道士だ。すれ違った直後、ログにトカゲの特殊攻撃が表示された。それにより麻痺してしまう赤魔道士。まずいじゃない! 道を曲がったところでチョコボを止めて、岩陰から向こうの状況を窺う。やはり麻痺によって一方的に殴られた時間が厳しいようで、彼の敗色は濃厚となった。見ておいてよかった。チョコボを降りて岩場から顔を出し、赤魔道士に回復魔法を送る。

こちらの援護で彼は立て直し、無事にトカゲに勝利した。「thanks」と礼を言いながらヒーリングの為にしゃがみ込む彼。「np^^」と返し、「good luck」と応援してから彼に背を向けた。チョコボを降りてしまったがジュノまでまだ先は長い。デムの岩まで行って、チョコボガールから借り直さないと。そう思いながら走り出したドルシネアの背に、彼の一言が最後に届いた。「i owe you 1」。

……意味が分からない。「owe」って何だろう。「love」の打ち間違いとかじゃあないだろうな、ぞぞぞぞっ。そして最後の「1」も何だろうか。走りながら別のPCで辞書を引く。

owe
  1. 【他動-1】(お金を)借りている、〜を支払う義務がある、(返す義務を)負っている
  2. 【他動-2】〜に借りがある、〜のおかげである、恩を受けている、恩がある、恩になっている

英辞郎データより。

……「借りがある」か。最後の「1」も含めて考えると、つまり「アンタに一つ借りが出来たな」ってところか。そう解釈して、思わず背筋がぞくぞくと震えた。かーっ! なんてたまらん言い回しをするんだ! なんというか、冒険者同士の会話って感じだよな! 格好いいこと言ってくれちゃってホントにもう! ロールプレイングって感じだぜこん畜生!

一人頭から湯気を上げつつ、コンシュタットを走っていった。


ジュノ港の三者会談

ジュノ滞在中のヘブンスコープで、アイテムの処分を進める。港の競売所に向かうと、そこにダンディヒュームのMmさんを発見した。早速挨拶する。今まではMmさんの倉庫キャラのガルカに見下ろされる立場であったが、今日は逆に見下ろす形になる。新鮮だ。

いつもの様にTell形式で合成話などに花を咲かせていると、もう一つのTellがそこに割り込んできた。「何処だー!」とこちらを探すその声は、エルヴァーン釣り師のCcさんである。私と同じエリアにいる時は、Ccさんはよくこうやって探して来てくれる。競売所の前にいることを伝えると、少しして階段を駆け下りて来たCcさんが姿を現した。

画像・三人揃って。
左からCcさん、ヘブンスコープ、そしてMmさん。Mmさんが一番小さいというのも見慣れぬ光景だ。

Tell形式では一対一でしか会話を進められない。折角なので三人でパーティを組んで、多人数相手に会話が出来るパーティ形式で会話を始めた。MmさんとCcさんに面識は無い。私が間に入って、お互いを紹介する。そうすると後は勝手に話が弾む。何しろ三人は皆、様々な合成や釣りに手を出して、楽しんでいるのである。自身のスキルを紹介し、それを賞賛し合い、スキルの上げ方について話し合う。調理のエキスパートである私、釣りの熟練者であるCcさん、そして錬金術メインで上げているMmさん。お二人はそれだけではなく広くスキルを上げている。話題が広く、そして豊かに続いていく。

その会話の中で、私は胸をとても熱くしていた。「夢が叶った」と感じていた。このお二人には、今まで楽しく付き合っていただいていた。それは私が望んでいた、「この世界で生活する」という形での付き合いだ。モンスターを倒し戦いを続けていくという在り方ではなく、物を作って活用していくという生き方だ。その楽しみを特に分け合ってくれていたのがこの二人だった。そして具体的に思っていたことではないが、一対一の二人ずつではなく、三人で一緒になれればいいなとおぼろに抱く夢があったのだ。今、それは叶った。……まぁ、私自身がドルシネアでないのは残念だったが。

お二人には時に愚痴を聞いていただいたこともある。未だフレンドとして残っていて貰えていることに、強く感謝の念を抱いた。そうして別れ際、「三人で会うことが夢だった」と最後に告げながら……これで一つ思い残すことが無くなったな、そうも考えていた。


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