Last Modified : 5 JULY 2004
From Dulcinea's diary Part.4 "March for the Dulcet Wind".
サンドリア、そしてウィンダスで調理を進め、遂にスキルが78に到達した。前日に集めておいた材料で試験課題の「白身魚のシチュー」を作り、試験をパス。ドルシネアは遂に現時点での合成最高ランク「皆伝」に昇格した。これからは、ともに食の道を探求していこう。
そういうギルド師範の言葉に喜びを噛み締める。
ところがそれに引き続いて行うのは、いつもの通りのミスラ風山の幸串焼きの大量生産だ。探求以前に、その為の資金が必要なのです。その中で出来たハイクオリティ品の族長山串を、昔から世話になっているダンディヒューム、Mmさんにメッセージと共に送る。Mmさんはドルシネアよりもレベルが高いし、様々な合成のスキルも高い。役に立てることが全然無くてずっとお返しが出来なかったけれど、族長山串でやっとそれが叶う感じだ。
その後、希少な調理素材の確保の為、つるはしを持ってウィンダスを出た。サルタバルタの草原を走っていると、突然ドルシネアに防御魔法・プロテスが掛けられる。術者のタルタルを見ると、なんと白魔道士レベル7・サポートジョブ無し。こりゃまた、随分可愛らしい辻プロテスを受けたものだ。お辞儀を返して先に進んだ。
出現していたエアーエレメンタルを退治しつつ、タロンギ大峡谷を縦断。北東のシャクラミの地下迷宮に、久し振りにやって来た。やって来たのだがシャクラミに向かう斜面に冒険者の死体を発見。先を目をやると正に今、シャクラミ入り口近辺でゴーストに襲われている者達がいるではないか。後ろからゴーストに不意打ちを打ち込んで彼等を助ける。ゴーストを始末し、やれやれ一段落。そしてシャクラミに足を踏み入れようと洞窟を覗き込むと、なんとそこではゴブリン、ゴースト、そしてホネと苦闘するパーティが。シャクラミに入る前からもう大騒ぎだ。加勢しつつ、この先に不安を覚えるドル猫である。
そう、シャクラミはレベル10代前半の冒険者にとって、とてもおいしい狩り場である。ドルシネアもまだレベルが低かった頃、ここで数回ミミズ狩りを経験していた。移動せず、しかも防御力の薄いミミズが高い経験値をくれるからだ。だが、未だ不慣れな北米の冒険者が、ここで大勢ゴブリンやホネの犠牲になっているのだという。ウィンダスのミッションでここを探索する必要があることも、その要因らしい。そしてそれがここ、コルシュシュ地方の獣人支配に影響を及ぼしているそうなのだ。
シャクラミに入り、洞窟を少し進むと開けた場所に出る。そこがメジャーな狩り場なのだが、早速死者と対面だ。その死体を横目に、地面に横たわる巨大な骨につるはしを落とす。コウモリの牙、翠石、そしてリトルワームなどを掘り起こせた。だが欲しいのはこんな物じゃあない。
奥にある採掘ポイントへと足を向ける。……また死体発見。なるほど、獣人支配問題の根の深さを、実感として理解出来てきたような気がしますよ。少し離れた場所で、数人のパーティがゴブリンと戦っている。劣勢だ。様子を暫く見て、回復魔法・ケアルで援護する。なんかこう、骨を掘ってる場合じゃない気がしてきた。少し辺りの状況を注意しながら採掘を進めることにする。あ、また死体が……。
骨掘りだけってのもつまらない。ミミズとゴブリンはここでレベル上げをするパーティの獲物となるので、それよりも幾分強いイモムシを狩ってみることにした。サルタバルタのイモムシと違い、ここのイモムシからは高価な絹糸を盗むことが出来る。これもおいしい。狩りと骨掘りの合間に周辺をパトロールしてみる。洞窟の先にいた四人パーティ。全員座り込んでヒーリングしている彼等が、なんとなく気になった。念の為パーティ編成を確認してみると、戦士・戦士・モンク・黒魔道士。全員サポートジョブ無し。血の気が引く。回復役が一人もいないじゃん!
なんというか、「殺られる前に殺れチーム」なのね。そりゃあ凄いなぁ……と頭を抱えつつ、せめてこれだけでもと各人にプロテスを掛けてあげる。このことをMmさんにTellで報告していると、偶然そこへやって来た赤魔道士がそのパーティに加わったようだ。あぁ、これで少しは一般的な形になるかも。ならないかも。うーん、不安だ……。
入り口からすぐの広場に戻ってヒーリングしていると、不意に「調べ」られた。なんだ?と右を振り向くと、数人の冒険者が奥から走ってきているところだった。ドルシネアを調べたのは、その中の一人のガルカ氏だ。ドル猫とガルカ、見詰め合う目と目。ぴこんと、そのガルカが救援要請を発した。走り去る彼らの後に追いすがる……二匹のゴブリン。あぁ、そういうことでしたか。立ち上がりとんずらを発動して、シャクラミの出口に向かう彼等を追う。結局一人死んじゃってたみたいだ。
騒がしいシャクラミを出てタロンギへ。走っていると近くで一人の忍者のレベルが上がった。拍手をするとお辞儀が返ってきて、バザーから毒消しが一本売れた。その後タロンギの骨地帯からお目当ての「がら」を数個掘り出して、ウィンダスへ帰還した。
フレンドリストを見て、以前から理解に苦しむことがあった。私に対して無関心・無反応を取るようになった人達が、一向にフレンド登録を削除しないのだ。
フレンド登録をしあっていると、双方のログイン状況や現在の居場所を伝え合うことになる。まぁ、以前そうされたように「オンラインステータス」を操作することで、ある程度隠すことも出来るのだが、その操作は他の全ての人に対しても隠すことになってしまう。特定の相手だけに自分の存在を隠すことは出来ない。だから「オンラインステータス」の操作はあまり使わないだろう。実際使われたこともそれ程無いようだ。袂を分かった後でも、私のフレンドリストには彼等の名前が表示され続けた。
全く接触を持たなくなったのにも係わらず、フレンドとして登録したままずっと過ごしていて、それを私は非常に居心地悪く感じていた。フレンド登録を破棄しない理由……ふと考えついたのが、それは逆に「相手の居場所を補足する」為ではないかということだ。会いたくない相手がログインしているか否か、そして何処にいるか。それが分かればそこに行かなければ相手を視界に入れなくて済むだろう。……そう考えてうんざりした。そう使われるかもしれないこと、そしてきっと私自身がそう使うであろうこと。
既に消していたものもあったが、改めてこの日、数人のフレンド登録を削除した。これで私には相手の情報は、私がサーチでわざわざ相手の名前を入力しない限りは見られない。相手からも、私は常にオフラインとして表示されることになる。
フレンドリスト、結構短くなったなぁと少し寂しさを覚えた。しかしよくよく数えれば、せいぜい三分の一程度が減った程度。半分以上は変わらず健在だ。必要以上に落ち込む必要は無いのだ。
前向きに捉えつつ、フレンドリストを見ながら誰に何を送ろうかと思いを巡らせる日々である。
平日となり、再び調理と栽培だけの生活に戻った。多忙のため、二日に一度のログインだ。Mmさんから族長山串のお礼にと、炎のクリスタル、ゼラチン、ローレル、にんにく等の山が届いていた。くれ過ぎ!と嬉しい悲鳴を上げる。
販売用の山串の中から、族長山串を数人の知り合いに送る。そして忍者のレベルを上げているエルヴァーン姉さんのCcさんには、「蟲卵の香味焼き」を試食として送る。前に話していた時に、忍者は回避のステータスが上がる食事がいいと聞いていた。回避を上げられる食べ物で食材の調達が可能な物を、調理のレシピから探して見つけたのがこれだった。どれほど有効なのか、さっぱり有効でないのか分からなかったが、そこら辺の判断は先方にお任せということで。送った翌日には、Ccさんからお礼のメッセージが届いていた。
最近はよくMmさんともお話しをする。付き合う相手がリンクシェルベースからフレンドベースに変わったからだろう。
Mmさんはドルシネアのバザーからおにぎりを買うと、その場でぱくりと食べてくれた。嬉しいやら、恥ずかしいやら。でも、色々な合成に手を染めているMmさんだからこそ、作った物を使われる嬉しさを知っていて、この様に分かち合ってくれるのだろうと思う。
そして週末。まともなログインは久し振りだ。どうやら今週はコンクェストでウィンダスが一位に返り咲いたようだ。だが肝腎のにんにくの産地・コルシュシュは……未だ獣人支配だ。
フレンドをサーチすると、Ccさんがシャクラミにいた。ジョブの表示が「RNG」……狩人である。また別のジョブを始めたのかと驚く。確かメインは侍じゃあなかったっけ? で、この間まで忍者やってたし……アストラルリング持ってたから、魔道士やってた時期もあるんだよなぁ。やれやれ全く、彼女は実に手広くやっている。
ウィンダスの自宅で山串を焼いてから町へ出る。てくてくと町中を練り歩いているバザーから、バブルチョコを一つ買ってぱくりと一口。競売所まで行って、族長山串をヒュームのTkさんへ宅配でシュート。また野良パーティで胸を張ってくれい。競売前の寝バザーからお安いシャル貝を購入して、Tellでお礼を入れておく。
なんてことをやっていたら、いつの間にかウィンダスに戻ってきていたCcさんが、ドルシネアの前に現れた。
二人でパーティを組んで立ち話。狩人始めたんですねというと、その場でジョブアビリティ・スカベンジを披露してくれた。これはその場を掘ってアイテムを見付けるという、とても微妙な印象のアビリティ。いい物は……出るのかな? あまりいい話、聞いたこと無いけれど。
Ccさんとはやはり合成話に花が咲く。調理以外もやり込んでいるCcさんは、最近頓に風のクリスタルが値上がりしているのがキツイと言う。最近風クリは全く使わないドル猫。分からないので相場を聞くと、炎クリと同じ一ダース2,000ギルもするという。以前は1,000から1,200ギルというところだったから驚きだ。そりゃ確かに辛いだろう。
だがもっと驚きだったのは、そもそもCcさんは自分で使うアイテムや合成素材だけでなく、合成の基点として必要なクリスタルすらも、なるべく自力で収集する範囲で済ませるようにしているという話だった。スキル上げに必要なクリスタル、一体何十ダース、何百ダース使うと思ってんですか!? 何でも自作派のCcさんとはいえ、その途方も無い告白に唖然とするドル猫であった。
その後、にんにくの栽培話などの情報を交換してお別れ。オレンジクーヘン作りで、ドルシネアの調理スキルは79になった。