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Last Modified : 2 JULY 2004


Dieharder

久し振りのバストゥーク。商業区の広場にはバザーが一杯だ。幾つかを覗いて、北米ユーザのバザーから鳥の卵を購入する。いつもの様にTellで「thx^^」とお礼を入れておいた。「thx」は「thanks」の略。その後ろの「^^」は、笑顔を示す日本の顔文字だ。敢えて日本のものを入れておいた。日本の慣習も楽しんでもらえたらなと思う。

バストゥーク港のザルクヘイム物産店に足を運び、セルビナバターの大量生産を開始する。

画像・バター作り。
氷のクリスタルでミルクをがりがりと冷やしてバターに変える。

通常は一回の合成で四つのバターが出来るが、ハイクオリティ品になると最高で一ダース作ることが出来る。十二回の合成で、計五ダースと八個のバターが出来た。必要と思われる12ダースにはまだまだ足りない。取り合えず保管して、また作りに来なければ。

画像・バストゥークの楽団。
レンタルハウスに向かう途中、バレリアーノ一座を見掛けた。

そうか、今週はバストゥークがコンクェストで一位になったのだな。それにしても、バストゥークでは彼らはこんな辺ぴな場所に配置されるのか。港から北グスタベルグに出る門の近く。こんな場所には冒険者は滅多に来ない。ウィンダスやサンドリアでは、競売所近くのメインストリートに居られるのに……バストゥークでは、迫害されているのかな。可哀相に、とか思う。

「JE表示」……即ち日本語、英語共にオッケーの表示を出してパーティ参加希望を出しているタルタルモンクのGzさんと、バターを作りながらTellで会話する。Gzさんはレベル50の「限界」到達間近である。そこまでレベルが上がると、とある困難なクエストをクリアしないとそれ以上レベルを上げられなくなるのだ。それを控えて、モンクの装備についての展望などを話してくれた。また、Gzさんが進めている調理のことや、居なくなってしまったフレンドのことなどにも話は及んだ。

バター、12ダース完成。これでバストゥークに用は無い。早速サンドリアにデジョンで移動する。所持金を確認すると、なんやかんやで使って14万ギルを切っていた。あんなにあったのに、調理だけでここまで減るか……。ちょいと落ち込む。

未だジュノに居るGzさんに、競売所での買い物をお願いした。ブルーテールという大型の海水魚だ。結構値が張るので、必要な一匹だけを欲しかったのだが、あいにくジュノでもダースでしか出品されていないという。その相場、一万前後。うぐぐ、これ以上お金使うのは……辛かったが目的の為だ。一ダースでの落札をお願いする。

Gzさんが、入札の様子を実況中継してくれる。1,000、8,930、9,500……小刻みに入札するGzさんに、芸が細かいと笑う。9,800との報告に「あぁ、懐かしい」と反応すると、すかさず「9,821」と報告するGzさん。NECのパソコン、Gzさんもご存知なのですねぇ。結局一万ギルで落札、すぐにGzさんから送られてきた。こちらの準備は整っている。「今すぐ代金送りますから、待っててくださいね」と伝えて、急いで調理を開始した。ブルーテールは、その調理の材料であった。

Gzさんのジョブ、モンクは防御力に劣る。そしてタルタルは体力がとても低い。その為、他の前衛タルタルプレイヤーと同様に、Gzさんも以前からパーティに誘われにくいことに苦しんでいた。作ったのは海串こと、「ミスラ風海の幸串焼き」。防御力と攻撃力を上げる前衛用の食事だ。攻撃力のアップ率がミスラ風山の幸串焼きと較べると低いことと、材料が高価で値段が高いため、山串ほどメジャーな食べ物ではない。だが、防御力を特に必要とする前衛ジョブには有効な食べ物だ。Gzさんの助けになれればと、今日初めて海串を作ってみたのだった。

海串と一緒にブルーテールの代金、10,039ギルを送る。付け足した39ギルは、「サンキュー」の語呂合わせだ。受け取ったGzさんから、「むちゃくちゃ嬉しいです」という声が届いた。皆、楽しむためにプレイしている筈なのだ。苦労が報われますようにと、強く願う。

作ったバターでオレンジクーヘン作り。今度はサルタオレンジが切れた。やれやれ、ヌナイかトパーズトパーズに、お使いを頼まなきゃ。


最後のメッセージ

その日ログインしようとすると、ある方からメッセージが届いていた。先日もオレンジクーヘンを送っていたその方からきたメッセージは、私に「もう何も送ってこないでください」と告げる、事実上の絶縁状であった。

これも突然の出来事ではあったが、私自身こうなることは予見してもいた。その方と仲のいい人に無視されるようになっていたから、その方に伝播することもあり得るだろうと思っていたのだ。予想していたので激しい衝撃こそ無かったが、しかしやはり重い重い苦しみに胸を締め付けられる。ヌナイでログインし、町を走りながら鞄を覗いた時、そこに残っていたリンクパールを見てごっと怒りの炎が立ち上がった。「何がリンクパールッ!」と、森の区の池にそれを投げ捨てた。

だがその後少し落ち着きを取り戻し、こう考えた。この方は、最後まで私を私として扱ってくれたのだと。これまでの人達の様に私を無視することなく、言葉で別れを告げてくれたのだと。

その礼儀に、私は感謝する。最後のメッセージをその方に返した。その内容は相手をあまりいい気分にはさせないだろう、残念さと不信感を伝えるものであったけれど、偽りの無い正直な気持ちを伝えることが、私がその方に最後にするべき行動であると思ったのだ。

袂を分かった他の人達のことは知ったこっちゃないが……その方の行く先に、良い運命があることを祈ろう。同じ道を歩くことはもう出来ないが、理不尽な災難に見舞われないことを祈ろう。今までどうも有り難う。


オレンジクーヘン分け合って

栽培の収穫で、マウラのにんにくを一ダースゲット! にんにく栽培に初めて成功だ。にんにく一ダースといえば現在の相場で一万ギル前後ということになる。とてつもなく大きい成功だ。外した時の収穫がしょぼいのが難点だが、また狙ってみよう。

レンブロワ食料品店にて、相も変わらずオレンジクーヘン作り。だがどうにも調子が悪い。一ダースこさえてスキルアップ全く無し。これは痛い、洒落にならない。何故こんなにも調子が悪いのだろうか。曜日が悪い? 土曜日は調理と相性が悪いのかな? お金稼ぎ用の山串作りでも、ノーマルばかり六ダース。さっぱりハイクオリティ品を作られなかった。やっぱ土曜日のせい?

競売所をチェックすると、期待通り炎のクリスタルが値下がりしていた。すっかり定着していた3,000ギルから、2,000から2,400ギルまでに落ち着いている。いやぁ、とても助かるなぁ。曜日が変わったので試しに山串を作ってみたら、ぽんと族長山串が九本焼き上がった。うーん、やっぱ曜日なのかなぁ。

その後のオレンジクーヘン作りで、調理スキルは77まで上がった。皆伝まであと一つだ。

レンブロワで調理をしていたら、「パーティの心得〜初級編」クエストでウィンダス人を募るShoutが聞こえてきた。これに参加しようと、Shout主に声を掛ける。パーティに加わり、程なく六人集まった。タルタル、ヒューム、ミスラ、そしてエルヴァーン。ガルカだけ欠けてはいるが、ウィンダス所属にしては随分多くの種族が揃ったパーティとなった。北サンドリアの見張り台へ皆で移動する。

画像・集まったウィンダスパーティ。
リーダの呼び掛けで皆揃って記念撮影。後ろを向いてるのはNPC。

鞄を見ると、作ったオレンジクーヘンがちょうど人数分揃っていた。記念にと皆に一つずつ配る。その場で早速食べてくれる人もいる。中には「いえいえ、戴けませんよ〜」と突っ返してきたタルタルもいたのだが、「食べて欲しかった;;」と泣いて見せると、「!!」「是非戴きますっ!」と下から短い手を伸ばしてくれた。ニヒヒと笑って、オレンジクーヘンを手渡す。

クエスト終了。今日のメンバーはなかなかいい雰囲気だった。皆と別れてまた一人、町を走る。やっぱり、食べてもらえるのって嬉しいよな……。そう噛み締めながら、一つ残った自分の分のオレンジクーヘンを、ぱくりと口にした。


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