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  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 1 JULY 2004


コルシュシュの草の根活動

トパーズトパーズの植木鉢から、計49個の炎のクリスタルを収穫。上出来だ。早速ナヴァラン作りでドルシネアの調理スキルを上げることにする。

ウィンダス・水の区の、西サルタバルタへ通じる門のところまで、ナヴァランの素材を買いに走る。物産店のNCPからイモを購入していると、突然「PLEASE POISONA」というShoutが響いた。驚いてドル猫が後ろを振り返るのと、タルタルがばたりと門の前に倒れるたのは、ほぼ同時だった。毒に力尽きたらしい、残念だ。感情表現コマンドで悔しがっておく。

森の区を歩いていると「ウィンダス茶葉」を求めているらしい英語のShoutが数回耳に届いた。少し経ってからやはり気になって、『もう茶葉は手に入れられましたか?』とTellで尋ねると『いえ、まだです』との返事。水の区の物産店を教えておく。それにしてもウィンダス茶葉なんて、何に使うのだろう。

フレンドリストにある方の名前が表示されたので、Tellで挨拶。しかし反応が無い。以前、リンクシェルのメンバーがカザムへ行っていた時、最初にこの方へTellを飛ばした時も反応が無かった。数日後、ウィンダスで直接お会いした時は普通に反応してくれたので、カザムの時は席でも外していたのかなと考えることにしていたのだが、やはりどうやらそうでもないようだ。

少し経ってまたフレンドリストを確認した時に、その方の名前が無いことに気が付いた。ログアウトしたのか? だとしたら、さっきのTellは既にログアウトしてしまった後に送っていたのかもしれない。サーチやフレンドリストの一覧表示には、ある程度のタイムラグがあるからだ。そうすると、返事が返ってこないのも仕方が無いのか、こちらのTellが届いていないのだから。

更に考えを進める。いや、違う。Tellが届かない場合は、「その人はログインしていない」というようなエラーメッセージが表示される筈だ。今回、そして前のカザムの時もそれは表示されなかった。つまりやはり相手にはTellが届いているのだ。それで返事が返って来ないというのは……つまりそういうことなのだ。

その結論を確かめるべく、その方がいたであろうエリアをサーチしてみる。そのサーチ結果の中に、果たしてその方の名前はあった。フレンドリストでは「オフライン」となっている人が、サーチには引っ掛かる。つまりこれは、「オンラインステータス」を操作して「姿を隠す」にしているということだ。私のフレンドリストに、その人の存在が表示されないように。

この方に避けられるようになった理由は、どうしても思い付かない。その方に対して何かまずいことをした、まずい言動をした覚えは何も無い。こうなったのは、少なくとも私にとってある日突然の変化だ。全く理解できない。自嘲気味に、人間不信にでもなっちゃおうかなとか思う。まぁ、もう諦めよう。

ヒュームの白魔道士・Rpさんにばったり出会った。数ヶ月前にセルビナで出会った彼女も、今やレベル50だそうだ。そのレベルといえば、各ジョブ専用装備・アーティファクトを入手する頃合だ。白地に赤い三角形の模様が並ぶ白魔道士のアーティファクトは、派手で随分目を引くデザインが印象的。Rpさんもそれを身に付けるのを、とても楽しみにしているようである。

今日も戦士にジョブチェンジしてタロンギ大峡谷へ出掛ける。今日は両手鎌を持ってきて、鎌のスキル上げである。昨日タロンギで狩りをしている最中、周囲の冒険者のサーチコメントを読んでいた。その時、とあるガルカの竜騎士が記していたコメントに感銘を受けた。「コルシュシュ復帰に向けて、地味に努力中」とあったのだ。

多くの冒険者が死んで獣人支配が進んだ場合、それを盛り返すにはより多くのモンスターをその地域で倒さなければならない。そのガルカさんの心意気に、ドルシネアも乗ることにした。ガルカさん、私も頑張るよ! ガルカさんと同様の文句をサーチコメントに記して、一人黙々とタマネギを狩る。あまり使ってなかった両手鎌のスキルがめきめきと上がり、気分も良い。新たなウェポンスキルも習得できた。

画像・両手鎌のウェポンスキル。
じゃきーんとウェポンスキル「ダークハーベスト」発動。

暫く狩りを続けた後で、リージョン情報を確認する。……獣人支配が凄まじい。こりゃー、ちょっとやそっとの努力じゃあコルシュシュ帰ってきませんな。今日は日曜日。今夜0時にはコンクェストが集計される。ガルカさん、無理です。全くもって無理ですよ! お手上げしてウィンダスに帰還する。

翌日からはまた時間を取られなくなる日々に戻る。調理を進めるためには、ウィンダスよりサンドリアにいる方が望ましい。サンドリアにデジョンして、ナヴァラン作りで75まで調理スキルを上げる。Rpさんに魔女の焼き串を焼き、宅配に突っ込んでから就寝した。


皆伝への道

ジュノ在住のヘブンスコープで競売を確認すると、品薄の「マウラのにんにく」は遂に一ダース11,000ギルにまで価格が跳ね上がっていた。無茶苦茶だ。調理ギルドの一体何倍の価格なんだ。そしてこの煽りを思いっきり受けて、ミスラ風山の幸串焼きの相場は一ダース4,100〜4,400ギルにまで上がっていた。この間まではせいぜい3,200ギルだったというのに。いや、それだって3,000超えてるのは随分高いなと思っていたのだが。……これは前衛の皆様、食事代の調達が大変ですなぁ。

ドルシネアはサンドリアに起床。ポストからはエルヴァーン赤魔道士のVnさんから、炎のクリスタルが一ダース。本当、いつもいつも有り難い。早速レンブロワ食料品店まで、ナヴァラン作りに出掛ける。

他人の合成結果が分かるようになり、このレンブロワも随分賑やかな感じになった。ナヴァランを煮込むドルシネアの周りでは、今日も色々な物が作られている。エビダンゴ、カラフルエッグ、ピピラの塩焼き、氷柱、トルティーヤ……これらのログを見ているだけでも楽しい。調理のスキルが76まで上がった。そろそろ別のレシピに移る頃合だ。

ウィンダスのヌナイにお使いを頼み、サルタオレンジを送ってもらう。再びレンブロワに走り、新たな料理「オレンジクーヘン」に挑戦だ。パイ系と較べると劣る性能になってしまうが、お菓子を作られるのは結構嬉しい。また材料が少なくどれも安価で、お店で揃えやすいものとても助かるところだ。まぁその分、お店での売却値もえらく低くて、使ったクリスタル代の回収分にすら足りないのだが。ともあれ、調理スキルはアップ。そして作ったそれを、知り合い数人に送りつける。お菓子を楽しんでくれい。

で、オレンジクーヘンの材料であるバターを切らしてしまった。しまったのだがなんとこの時、セルビナミルクの原産地・ザルクヘイムがバストゥークの支配領になっていた。サンドリアではミルクが手に入らない……これは困ったな。明日にでもバストゥークまで出掛けるとするかと考える。

もう少しだ。現時点での合成の最高位、「皆伝」。スキル78でその昇格試験を受けることが出来る。長かったけれど、遂にここまでやって来たんだ。こみ上げる嬉しさと楽しさを胸に、この夜は就寝。


風の色のマーチ

翌日ログインすると、Vnさんからメッセージが届いていた。貴重な炎クリ有難うという私のメッセージに対して、ロンフォールが獣人支配を脱していたので、そんなことは無いですよとのこと。リージョン情報を確認してみると、確かにロンフォールがサンドリア支配に復帰していた。こうなると炎クリ収集のメッカ、ゲルスバ野営陣からまた炎クリが多く供給されるようになるだろう。いいことだ。こうなるとあとはにんにくだよなぁ……。

昨日予定した通り、バストゥークまでバターを作りに行く事にする。オレンジクーヘンの合成で一ダース当たり0.4調理スキルが上がるとして、4.0ほどスキルを上げるまでに必要なバターはええと……12ダースくらい?とか計算しつつ、チョコボを借りてサンドリアを出立した。

ロンフォールの森を抜け、ラテーヌ高原へ。ちょうどヒューム戦士のTkさんがラテーヌにいるようだったので、ちょいとうろうろして探してみる。見つけたがどうも知らない人と一緒のようだ。邪魔をするのも悪い。手を振るだけして、横を駆け抜けて先へと向かった。反応が無かったので「まさか」と不安に思ったが、少し経ってからTellで挨拶があり、ほっと安堵した。

うろついたお陰で少々時間を食ってしまった。これではチョコボのレンタル時間は、恐らくバストゥークまで持たないだろう。コンシュタット高地やグスタベルグで落とされると面倒だ。そう考え、ホラの岩に立っているチョコボガールの元を目指した。ホラの岩にて一旦チョコボを降り、チョコボガールから新たに借り直す。お金は掛かるが、まぁ仕方なし。再びチョコボに騎乗し、さてバストゥークを目指そうかと手綱を握ったところに、一本のTellが入った。それはすぐそばに立っていたヒュームの冒険者からのものだった。

その英語の質問は何かの所在を尋ねるものだったのだが、その文章の中に意味の分からない単語があった。すぐに手を伸ばして、別のPCで辞書ソフトを起動して調査する。そうして理解したのは、そのTellがホラの岩にいる筈の修道僧の居場所を問うものであるということだった。

思い返す。あぁ、そういえばサンドリアのクエストでそういうのがあったような。私も以前解いた筈。あれはどこにいたっけな……。周辺を走る彼に『オーケー、私も探してみます』と英語で返答し、チョコボに乗ったままホラの岩の周りを走り始めた。

少しして、件の修道僧を見つけることが出来た。それはホラの岩の奥まったところに隠れるように立っていた。ホラの岩を舐めるように探していれば見つけられたであろうが、一度見逃すと次にはなかなか見つけにくいだろうと思われた。また彼の冒険者はまだレベルが高くなかった。この辺を徘徊するオークはレベルが高い。彼が自由に探索するには、このホラの岩周辺は危険度が高かった。

「i found him」と彼に伝えて、後ろを振り向く。が、彼の姿がそこにない。何処に行ったんだ?とチョコボを走らせると、ホラの岩から幾分離れたところまで行っていた彼が、こちらに向かって戻ってくるところだった。チョコボを止めて彼を待つ。そばに来た彼が『付いて行きます』と言うのと、私が『付いて来てください』と言うのが、偶然重なった。チョコボをゆっくり歩かせて、修道僧の元に向かう。

途中、狭まったところにオークが立ち塞がっていた。『あいつに襲われてしまいます!』と彼が立ち止まる。チョコボ借りたばかりなんだけれど、そりゃそうだよな……と、チョコボを降りてオークに銃を向ける。オークを撃ち殺すドル猫に彼が何か叫んでいたが、スラングが入っているようでその意味は分からなかった。というか、彼はtypo(タイプミス、誤字)が多かった。ちなみに格好付けて銃を取り出したのだが、最初の一発が思い切り外れて、一人赤面していたのは秘密だ。

オークを始末して、二人で先に進む。視界に入った修道僧を『あれです』と指差すと、「thanks」と彼は駆け寄っていった。彼がクエストを進めるのをそばで見守る。やがてそれを終えた彼はこちらに向き直り、改めて礼の言葉を発した。そして次にこう切り出してきた。
『フレンドになってくれませんか?』
これを了承したのだが、彼はフレンド登録をする操作方法が分からないという。「wait」と彼を待たせ、こちらで伝えるための努力をした。

だが、ただでさえフレンド登録の方法は面倒で分かり難い。以前プレイしていたオンラインゲームだったらもっと簡単に出来るのにと、フレンド登録の際にいつも思っている。流石にもう慣れてはいるが、日本人の初心者相手に教えるのにも恐らく少し手間取るだろう。ましてや今回は英語で伝えなければならないのだ。メニューを辿る手順を説明するにも、英語版ではメニューがどう記載されているのか分からない。「mmm...」と間を繋ぎながら、説明書やヘルプコマンドの出力を漁って頭を抱えていた。

あちらの方はせっかちだと聞いている。そうだとしたら、彼は随分長いこと待っていてくれたことになる。だがやはり時間が掛かりすぎた。
『オーケー、分かりました』『とにかく有難う』
諦めてそう言われ、私はとても悔しい気持ちになった。
『つたない英語で申し訳ない』
去ろうとする彼にそう伝える。すると振り返った彼の手から、ぱちぱちぱちという手を叩く音が発せられた。感情表現「/clap」のコマンドによる拍手の音だ。そうして彼は、西の方へと走り去った。

ゆっくりと、チョコボガールの方へ歩いて戻った。その場でラテーヌの緑と青い空を眺めながら、ぼーっと立ったまま暫し今の出来事を回想する。まず思うことは……彼のあの最後の拍手は、どういう意味でなされたものだったのか。そして次に、私にはその拍手を受ける「資格」があるのか……ということだった。

もし私があの時、そう、あの外国人批判の言葉をパールを通して聞いた時に何とも思わない人間だったなら。あの発言を平気でスルーしてしまっていたのなら、それどころか同調してしまっていたのなら、この拍手を受ける資格など私にはない。彼や、これまで接してきた北米の冒険者達を根拠無く批判する言葉を、私は流すことは出来ない。それが正しいことだと思う。

この拍手を、そして彼等の言葉を、私は堂々と正面を向いて聞き留められる人間でありたいと思う。そしてその為に、後ろめたさを生む二面性を持たず、彼等に対しそのままで接していたいと思う。日本人だけを選ぶとか、外国の人だけを選ぶとかではなく。日本語だけを選ぶとか、英語だけを選ぶとかではなく。どちらか片方とだけ付き合うよりも、両方と付き合えた方が豊かでより良いと考えるから。両方の価値観を学び検討することで、より良い選択に近づけると考えるから。

何より、言葉をくれる彼等を大切にしたいと思うから。

君と行こう ずっと行こう
ここも好きだけど bye bye bye

君の明日に 僕の夢が
かさなるといいな bye bye bye

走ろう 歩こう 進もう 止まろう
あの頃には戻れない

「風の色のマーチ」(作詞:畑亜貴、作・編曲:栗原正巳)より。

……そろそろ行かなければ。チョコボガールの方に向き直す。いつまでも、立ち止まってはいられない。選択した先に、行かなければならない。取りあえず、バストゥークに行かなければ。

もう一度借りたチョコボに乗って、ホラの岩を後にする。心の中で、受けた拍手を手拍子に変えて、私は私の先へと走っていこう。


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