1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 29 JUNE 2004


調理と英会話のヴァナ紀行

サンドリアにて、カザムにいる白魔道士タルタルのMtさんとTellで会話する。初めてのカザムでNPCを一通りチェックしているというMtさん。初カザムを記念して、キノコの塩焼きのハイクオリティ品・魔女の焼き串を作って送る。この際、間違って値段の高いキノコを焼いてしまって、一人ショックを受けていたのは秘密だ。競売所近くで耳に入るSayに、英語とは違うっぽい言語を見かけた。その一節をWebの検索サイトに掛けてみたら、どうやらスペイン語のようだ。流石にさっぱり分からない。

チョコボに乗って、買い物の為にジュノへ向かう。ラテーヌ高原でレベル1のガルカを見掛け、「/cheer」の感情表現コマンドで応援をしておいた。Mtさんに、リンクパールを捨てたことを告げる。大変驚いているようであったが、これからもフレンドとして、Tellでお付き合いをしてくれればとお願いした。バタリア丘陵にて足を止め、降る雪を暫し眺める。ヴァナ・ディールにはあまり季節感が無いけれど、そうか今は冬なのだな。

画像・バタリアの雪。
はらはらと舞う雪。積もったりすると楽しいのだけれど。

ジュノで買い物を終え、移動魔法・デジョンでウィンダスへ。金庫の中から、本当に久し振りに自分で買ったリンクシェルを取り出した。「DulcetWind」と刻まれたそれを、捨てたリンクパールの代わりに付ける。いつもバザーに品物を出している。バザーアイコンに隠れてリンクパールの表示は出ないけれど……パールを付けてないと、バザーを見てパール表示の無いのを見た人に、勧誘されるかもしれないし。

サーモンのムニエルを作って調理のスキル上げ。ウィンダスでこれを作る時、厄介なのは小麦粉の調達だ。調理ギルドにて、あまり数の無い小麦粉を買い漁る。レベル5の黒魔道士タルタルが、チョコボの入手法を周囲に尋ねていた。勿論英語だ。SayとTellでこれを教える。レベル20以降でジュノに行かなければならないことを示すと、『ジュノとは何処ですか。遠いですか』と尋ねられた。『ずっと北で、とても遠い』と答える。「very north」とか言ってしまったが、変じゃあなかったかな。まぁ、充分通じるとは思うけれど。別に英語のテストを受けている訳じゃあない、通じりゃオッケー。

現実時間の真夜中を過ぎ、明け方近く。北米プレイヤーの比率が高くなってきているのだろう。英語の言葉がよく耳に入る。『毒で90も減らされて死んだ!畜生!』と叫んでいるのは、レベル9のシーフ。な? だから毒消しを用意しておけ。火打石の在り処を問うSayには、『採掘かミミズのモンスターだ』と答えておいたのだが、もしかしたら競売所におけるカテゴリーを問うていたのかもしれない。

再びチョコボを借りて、ジュノ、サンドリアと移動する。道すがら、北米冒険者のバザーをチェックして積極的に購入する。必要の無い物は買わないが、塩やキノコ等、実際に使う物に関しては少し高めでも手を出した。彼らの助力になれれば、そしてバザーから物が売れる楽しさを分けられればと思う。それにしても、ロンフォールの森では相変わらず死者が絶えない。やれやれ、大変だな。

サンドリアに入ると、『○○を○○ギルで売ります!』といった売りShoutが幾つも飛んでいた。実に活気がある。いいね。まるで町に熱い血が流れているようだ。炎のクリスタル一つを北米ユーザのバザーから購入。同時にお辞儀しあう。競売所近くでムニエルを焼いていたら、珍しく毒消しが五つ売れた。お客をサーチするとシーフ・レベル9。なるほど、お仲間だ。レベル15までは大変だが、頑張れ。『競売所で売れた代金は何処で手に入りますか?』という質問に、『モグハウスに送られてきていますよ』と伝える。『ワールドパスポートは何処にありますか?』という声に、攻略本で確認してそれを伝える。南サンドリアの競売所近辺は、本当に賑やかだ。

サーモンのムニエルから「ナヴァラン」へと、スキル上げのレシピを変える。ナヴァランとは、羊肉と野菜の煮込み料理だ。勿論、炎のクリスタルを使う。……調理はある程度以上の高スキルになると、炎クリを使ったレシピしか存在しなくなる。ごく稀に闇のクリスタルを使う物があるが、闇クリも高価で泣けてくる。ジュースとかサラダのような、安いクリスタルを使うレシピがもっとあればいいのにと思う。ムニエルとナヴァラン作りで、調理スキルは73を超えた。

先日コカトリスの肉を送ってくれたミスラモンクのStさんに、珍しい料理をと「コカトリスの煮込み」を作った。コカ肉を使った、普通の人はまず見ないであろう料理だ。コカ肉が一つあれば、効果の高いミスラ風山の幸串焼きが一ダース焼ける。煮込みにしてしまうと効果が低い上、たった一つにしかならない。どちらが有益な使い道かは一目瞭然だ。でも、たまにはいいじゃない。一応フォローに、族長山串を半ダース付けて送っておいた。

現実世界ですっかり夜も明けた六時過ぎに、サンドリアにて就寝。


サーチライト

ジュノにてヘブンスコープが出品していた族長山串。ここの所なかなか売れなかったのだが、ようやく四ダースが売れた。一緒に出していたキノコの塩焼きと合わせて、41,000ギルの売上げ。ドルシネアの所持金は、149,544ギルとなった。更に昨夜作ったチーズを売却して、15万ギルの大台に。順調に増えている、いい感じだ。

釣り師・Ccさんに送ってもらったシャル貝を持って、サンドリアのレンタルハウスを出る。相変わらず英語のShout等が聞こえてくる。それにしても評判通りで驚いたのが、所謂「金くれShout」が本当によくあることだ。他のゲームでもよく見掛けられるものらしく、北米ユーザが参入してくる以前からこれについて心配する話をWeb上でたまに見かけた。

まぁ、勝手に叫んでいるのは無視すればいいだけのことで特に気にはならない。しかしこれをTell形式で直接言われると、確かにあまりいい気はしないのだろうなと思える。以前やっていたネットゲームでは、レベルが上がれば自然と高い収入が得られた。使い道もそれ程ないので、所持金に充分な余裕が出来た。FFXIでは、お金を稼ぐのは大変だ。獣人以外のモンスターはお金を落とさない。集めて売られるアイテムを落とす割合も、多いとはいえない。だからレベルが上がっても、そうそう所持金に余裕などは生まれない。やっと集めたお金を使って、高額な装備や魔法スクロールを購入しなければならないからだ。

その事をまだよく分からない新規参入のプレイヤーが、別のゲームと同じ感覚で「金くれShout」をしているのだろうなと思う。まぁ、その内にそれを体感し、「金くれ」の時期を「卒業」していくのではないかと考えている。勿論、後から始めるユーザには、やはり「金くれ」を実行する者がいるのであろうが。そういうのを「自分を売り込む積極的な姿勢」として評価する場合があることも、限度にもよるがあると聞く。日本人と外国人との感覚の違いが、きっとそこにあるのだろう。それも理解出来たら、自分をより高められるのだが。そう思う。

セルビナに着き、NPCにシャル貝を渡してクエストをクリアする。その時、彼が語った言葉に衝撃を受けた。

でも、こうも言われました。

「プレゼントは嬉しいんだけど、
でも本当は形あるものじゃなくて、
少しでも長い時間、私と一緒にいてくれるのが一番嬉しいの」って。

セルビナのNPCの言葉より。

やはりそういうことなのか。幾らパールを通して話していても、Tellで話していても、直に会っていなければ絆など生まれないということか。冒険者を辞め、レベル上げを止めたドルシネアでは、レベルの高い彼等とは一緒に行動出来ない場所が多い。レベル上げの狩りにも同行出来ないし、お金稼ぎの狩りだって低レベルの場所にしか行けない。それは効率の低下を招くだろう。

一緒に行動出来ない分、調理師としての立場で貢献して、係わり合ってきたつもりだった。それで絆を深めていたつもりだった。だがそれは、結局弱い絆だったのか。一緒にいなければ、やはり駄目だったのか。そういえば冒険者を辞めた頃、私は知り合いに直接会いに行く行動を続けていた。自分でも、会うことが大事だと思っていた時期があったのだ。皆とのレベルの差が付くに連れ、私はそれを忘れてしまっていたのか。間違った道を歩いていたのか。そして今、途切れていく絆は、その代償であるのだろうか。

半ば呆然と立っているところに、赤魔道士タルタルのNmさんからTellが届いた。落ち着きを取り戻す。……全てではない。全てが途切れた訳ではないのだ。

セルビナを出る。逃げて来た冒険者達を見る。彼らを追って来たゴブリンのトレインを叩いた。そのまま歩いてサンドリアに向かう。途中、しゃがんでヒーリングしている冒険者に、回復魔法・ケアルと防御魔法・プロテスを施す。すると「DOUBLE THANKS」という礼の言葉が返ってきて、同時にバザーに出していた七つの毒消しが売れた。

私は「毒消し屋」ドルシネア。それが選んだ、この世界を歩くための方法。「方法は必要」だ。少なくともその思いは、最初の頃から変わってはいない。


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