1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 25 MAY 2004


費やされるもの

トパーズトパーズの植木鉢、本日の収穫は炎のクリスタルが19個にローレルが24。調理の素材となるローレル。防御力を上げる効果を持つためにそこそこ需要のある「ゆでがに」を作る際に必要となる。どうやら炎のクリスタルを作ろうとすると、こいつに化けてしまうらしい。売れない訳ではないがちょいと多過ぎだ。どうしたものか。悩みつつも更に植木鉢を二つ増設する。炎のクリスタルはいくらでも欲しい。

ここ暫くの船釣りで溜まったネビムナイトは、ジュノにてダースで出品したりサンドリアにて単品で出品したりしている。後者は順調に捌けていて、いい収入源だ。知り合いに、あまりログインする時間を取れずにお金の工面に苦心している方がいた。その方にネビムナイトを三匹、お裾分けする。一匹2,000ギルくらいになる筈だ。

FFXIに限らず、MMORPGではゲームに費やせる時間がキャラクターの資産に直結すると聞く。まぁ、それはそうだろう。ただしFFXIの場合、お金稼ぎとレベル上げが両立しない。以前やっていたオンラインゲーム「Phantasy Star Online」であれば、経験値稼ぎをしているだけで充分なお金を貯めることが出来た。だがFFXIはお金稼ぎとレベル上げ、二つの長い時間を別々に用意しなければならないのだ。レベルが上がれば、すぐに装備を新調しなければならない。装備が落ちれば狩りの効率が落ちるからだ。下手な装備をしていれば、パーティの仲間に不信感を抱かせるだろう。

レベル上げを止めたドルシネアは片方だけの時間で済むし、必要なお金も少なくて済む。その時間とお金を調理のスキル上げに当てることが出来た。食事はレベル上げでも必須なので、需要は充分にある。調理をしているプレイヤーは多いから利益率は低くなってしまっているが、それでも儲けることは可能だ。前述の知り合いが高価な鉱石を掘り当てようと鉱山に籠もっていたとき、別の者が合成で儲けられると助言していた。

……だがその時の助言は、あまり有効なものでは無かったように思えた。調理などの合成をするにも、スキルを上げることが必要だ。それには時間も掛かるが、クリスタル、素材等を揃える費用が何よりも必要となる。調理で儲けられる一般的なレシピは「ミスラ風山の幸串焼き」。これを安定して作られるようになるまでに、いったいどのくらいのお金が掛かるだろう。時間とお金が無くて困っているのに、スキルを上げるまでにそれ自体を必要とする合成を提案しても、その恩恵を得るまでには長い時間が掛かってしまう。

一方、そのとき私が考えて自分に出来たことは、ネビムナイトのお裾分け。ただそれだけだった。もっとレベルが高ければ、一緒にお金稼ぎの狩りにでもいけるのだろうが……。強さを持たない私がこの世界で出来ること、私の存在価値……鍛冶ギルドでブロンズ板を作りながら、もやもやとした気分で考えていた。


記念の品

サンドリアにてカラフルエッグ作り。スキルは65まで上がった。黒魔道士にジョブチェンジしてデジョンでウィンダスへ移動する。

船釣りばかりも飽きたので、今日は別の釣り場を開拓してみる。漁師ギルドで生餌を購入し、まずはヤグードの生息地・ギデアスへ。ここの川ではトリカラードカープ……三色の鯉が釣れるそうだ。どこからか聞こえる鳥の声に耳を傾けながら糸を垂らす……が、まるで釣れない。餌が悪いのか、竿が悪いのか? 時間が勿体ないのでささっと諦め、ギデアスを後にする。

ウィンダスで新たな疑似餌を購入してから、西サルタバルタで慣れたナマズ釣りに移行。ところがこれがまたヒットしない。ヒットしても逃げられてしまう。まぁ、逃げられてもスキルはそこそこ上がってくれるのでオッケーだ。ナマズに混じってダークバスも釣れる。

だが飽きた。海まで走って、海釣りに移る。海には釣りのライバルの姿も多く目立つ。この中には外部ツールを使った自動操作の不正行為、いわゆる「寝釣り」を行っている者も数人いるのだろう。

垂らした針にはまず海苔が引っかかった。次は初めて釣った「オーガイール」で、釣りスキルも上がる。その後は掛かった魚が小さ過ぎて逃げられまくる。こりゃ竿が悪いんだなぁ……でも小物用の弱い竿では錆びた装備でぽっきり折られるし。難しいところだ。夜明けと共にヒット率が激減。夜行性の魚が多いのだろう、さくっと諦める。

タロンギ大峡谷で銃をぶっ放し、スキルを上げつつ栽培用の種を採集。ついでに石碑まで足を伸ばし、そこに記された内容を再確認した。種は一時間半で28個も集まった。暫くはこれで栽培をやっていけるだろう。

ウィンダスの自宅に戻ると、ポストにラテーヌキャベツが九つ入っていた。ヒューム戦士のTkさんが先日始めた栽培で、初めて収穫した物だという。こういう贈り物は利益だとか役に立つとかとはあまり無い物だが、しかし大切な記念の品であり、純粋に嬉しい。ドルシネアの金庫の中には、調理を始めた知人二人から送られてきた二本のオレンジジュースが大切に取ってある。

しかしキャベツか。オレンジジュースとは異なる印象を受けるな。取っておくべき物とはちょいと違うんじゃあないかと思える。さて、これをどうしようか……。


集団に内在する不安

ウィンダスからチョコボに乗って移動中、リンクシェルのメンバー数人がサンドリア方面にいるのに気が付いた。話を聞くと、とあるメンバーの鍵集めをするそうである。そう、カザム方面辺境行き飛空挺のパスを得るための鍵集めだ。この日はジャグナー森林で釣りをしようと出発したのだが、比較的レベルの低いドルシネアでも手伝うことの出来るイベントだ。参加させて貰うことにした。ドルシネアはシーフ、ジョブ特性のトレジャーハンターも役に立つだろう。

総勢八人が集まったユグホトの岩屋。細長く伸びる洞窟を駆け、思い思いにオークを叩く。さほど時間を掛けることなく鍵は出た……それも二つも。続いてウィンダス方面、ギデアスでの鍵取りをすることとなり、数人ずつ様々な方法でウィンダスへ移動することとなった。ドルシネアは単身サンドリアへ戻り、黒魔道士にジョブチェンジしてデジョンで戻ることとする。

サンドリアに向けロンフォールの森の中を走っていると、珍しくバザーの毒消しが売れた。丁度そこに毒消し売り仲間のミスラモンク・StさんのサブキャラからTellが届いた。毒消しが毒消しを呼ぶのか。しばし二人で釣り談義。

ウィンダスを経由して、ギデアスへ。ドルシネアが着いた時には更に数の増えたメンバーが、ギデアス中に散らばってヤグード狩りを進めていた。ドルシネアも奥へ急ぎながら鍵を持つヤグードを探す。

久し振りの集団行動であったが、私はそこで微かな不安や心配の中にいた。ユグホトでもそうだったが、レベルの高いメンバーが片っ端から獲物を狩るのは狩り場を荒らすことになっていないだろうか。鍵を出すのはヤグードだが、それとは関係ないハチなども我々は狩っていた。よく私が来るように、ハチミツなどの合成素材を求めて来ている人がもしいたら。

そしてこの狩りの主役は、鍵を必要とする方の筈だ。その主役を楽しませるために、そのためにこそ我々は動く必要があるのではないか。皆の好きなようにバラバラに動いているけれど、主役の方は今の状況を楽しめているのか。……その方は、今我々がやっていることの意味をちゃんと理解できているのか。どのモンスターが鍵を落とすのかをきちんと理解していなければ、もし今後彼女が誰かの鍵取りを手伝うことになったら……。

もやもやと悩みつつも、結局その場では考えをきちんとまとめることが出来ず。そして鍵取りは無事終了した。参加したメンバーが一カ所に集まる。久し振りに顔を合わせる者も数人いた。その場でしばらく談笑する。

画像・鍵取りメンバー。
直に会うのは随分久し振りな方も数人います。

だがその中でも、一つ引っかかったことがあった。ある人が別の人の、家族構成の一部をパールに流したのだ。その瞬間、思わずはっと息を飲む。

ネットゲームに限らず、ネット上で個人情報を流すのは危険な行為だ。性別、年齢、住所等、個人を特定できるような事柄は例え親しくなった間柄でも知らせるべきではないだろうと私は考える。その親しさは表面上だけであるかもしれないし、女性と知られた後で問題となった話はよく聞く。また、ネット上の関係などあっさりと途切れてしまうものだ。途切れた後で、渡った情報が悪用されないとも限らない。そう考える私であるから、私や他人に気軽に年齢や性別を尋ねたり、それを広めるような発言には強い危機感を覚える。そしてそれらを知ることで変化する関係に、大した価値を感じない。

やれやれ……前にも言われたように、私は考え過ぎなのだろうか。どうしてこう、不安ばかり感じるのだろう。リンクシェルのメンバーが見られるネット上の掲示板に、今夜の団体行動における憂慮点を記した後、どうにも浮かない気分で就寝した。


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