1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 19 MAY 2004


ブブリムの奮戦

単品で出品したネビムナイトが順調に売れた。残るネビムナイトは一ダース……最初に出品し、売れ残って返されたネビムナイトである。やはりダースではそうそう売れないか。これも単品売りに回すとする。だがドルシネアが現在滞在しているのは故郷のウィンダス。ウィンダスは競売所の相場は全体的に高めで、その辺を承知している者は別の国で購入するだろう。だとしたら安く売らなければならないことを考慮しても、売り切るために出品するのは別の国が良いに違いない。

ネビムナイトが売れたおかげで、所持金も遂に10万ギルの大台を超えた。バザーに出していたメロンパイが一ダース売れたりもして、調理に回す費用に余裕が出来た。そこで料理を作っては知り合いに配る。前衛陣にはミスラ風山の幸串焼きを、後衛陣にはヤグードドリンクを。狩りに充分役立つであろう物を作られて、気後れせずに送られるのは気分がいい。お金稼ぎに奔走しているメンバーに、ネビムナイトを一匹ずつ送って、競売所への出品を勧める。売れれば2,000ギルだ。

今日のドルシネアは釣り道具を持ってマウラまで来ていた。だがいつもと違い船には乗らない。久し振りにマウラでの釣りだ。狙う魚はイエローグローブ。先日、ウィンダスでばったり会ったミスラのモンク、Stさんが錬金術を始めたと聞いた。だとすれば、すぐにこのイエローグローブを使った毒素作りになるだろう。ちょいと勝手に、協力することにした。

二日連続のイエローグローブ釣り。一日目は釣りを始めて少し経つと日が変わり、月齢、曜日共に釣りには最悪な条件となってしまった。枯れてしまったのか、さっぱりかからなくなる。さびき針を使うと最高三匹まで一度にかかって、爽快なんだがなぁ。その日は諦めてウィンダスへの帰途についた。

画像・ブブリムのドル猫。
ドル猫、雨のブブリムを横断中。

マウラを出るとそこはブブリム半島だ。両日共にトラブルの場に出くわした。マウラ前で狩りをしていたパーティ。これに絡んだゴブリンの処理をこちらで引き受けたり。ブブリムの雨を久し振りに楽しんでいると、ゴブリンと接戦中のレベル20・タルタルシーフを発見。二時間ジョブアビリティ・絶対回避をも駆使して何とか勝利したタルタルの戦いを見届け、「ナイスファイトー!」と賞賛と共に回復魔法・ケアルを送った。同じシーフだが、打たれ弱いタルタルとなると更に大変だろう。応援したいものだ。

翌日、徒歩でマウラへと向かう中、ゴブリンとの戦闘から逃げ出すタルタルを発見する。『天国への階段』こと「とんずら」で駆けつけ、ダメージを追ったタルタルにケアルを掛けることでゴブリンの注意をこちらに引き付ける。だがゴブリンは既にタルタルが戦闘中となっていて、ドルシネアから攻撃は出来ない。このゴブリンに打たれるままにして、タルタルにゴブリンを倒して貰うことにする。

ところがそこに別のゴブリンがリンクした。そちらのゴブリンはドルシネアが叩く。ようやく二体のゴブリンを始末した、そう思ってタルタルを振り向いたとき、更に新手のゴブリンがタルタルに襲いかかるではないか。すかさず弱体魔法・ディアを撃ち込んでゴブリンをこちらに引き寄せる。だがタルタルも、そしてドルシネアも戦い終わったばかりなのだ。体力とMPを消費しているのである。しかもこいつはブブリム半島最強クラスのゴブリン、少々厳しい。タルタルが北西、タロンギ大峡谷方面へ逃げ出すのを見て、こちらは逆のマウラへと逃走を開始した。

逃げながら、荷物の中にヤグードドリンクを持っていることを思い出した。知り合いに送った後で、自分の護身用に一本こさえてあった物だ。今こそこれを使うとき! マウラの門前で振り返り、ヤグドリを飲んでゴブリンを迎え撃つ。ヤグドリの効果、急速なMP回復のおかげで、なんとかゴブリンを撃破した。それにしてもあのタルタル、えらく絡まれていたものだ。……無事にタロンギまで、辿り着いていればいいが。ふっと一息ついてから、釣り道具を持ってマウラへと入っていった。


一人を選ぶ理由

「シャクラミでの鍵取りを手伝って欲しい」とギデアスにいる私に求められたとき、まず感じたことを正直に記すと、「面倒くさい」というものであった。つくづく自分は、一人でいるのが好きな人間なのだなと思う。

それはFFXIの中で限って思う感情ではない。私はいつも自分の思うとおりに動きたいと思っていて、それ故待たされること、自由に動けない状態を非常に嫌う。散髪などは椅子に座ったまま身動きがとれないので大嫌いだ。三十分で終えられる散髪屋でいつも済ませるが、それでも一人でも待ち行列があるのを外から見ると、その日は諦めて帰宅する。そんな人間だからこそ、パーティを組むのに長い時間を必要とし、六人ものメンバーで離れず一緒に行動し、一つの場所に陣取って身動きせずに狩りを続けるFFXIのパーティプレイが、自身に馴染まなかったのではないかと考えている。

面倒くさいと反射的に感じたものの、その誘いは私にとってまたと無い、集団行動の機会であった。声を掛けてくれたのは赤魔道士タルタルのNmさん。知り合いとの行動だ、見知らぬ人とパーティを組むよりずっと気軽でいられるだろう。しかも経験値稼ぎの狩りではないから、そこに息の詰まる効率の追求はない。誘いに承諾を返し、ギデアス奥地でクエスト用の名水を汲んだ後で、呪符デジョンを用いてウィンダスへと帰還した。

光曜日の満月の下、チョコボを駆ってサルタバルタを北上。タロンギ大峡谷を抜け、ブブリム半島にてNmさんと合流した。


解説・種族装備

Nmさんと共にいたのは、銀髪のエルヴァーン女性・Vnさんだった。私のサブキャラクター・ヌナイと同じフェイスタイプだが、髪の色が違う。エルヴァーンは肌の色が黒め。ヌナイのような黒髪よりも、Vnさんのような銀髪の方がコントラストが生まれて美しいように思う。そんなことを話のネタにして、初対面のVnさんと言葉を交わす。

三人でパーティを組み、ブブリム側の入り口からシャクラミの地下迷宮に入る。私はその入り口の存在を知っていたが、具体的な場所までは知らなかった。想像していたのとは随分違う場所にあり、大いに驚く。その近くまでは一人で探検し、来たことがあったからだ。むしろその時に気づけなかったことを悔しく感じた。

このシャクラミで行うことは、Vnさんのための鍵取りだ。Vnさんは赤魔道士で、レベルは30台。その辺りとなると「種族装備」が必要となる頃だ。その種族装備を得るためには、各地の迷宮で宝箱を開ける必要がある。その宝箱を開けるためには、同じ迷宮内でモンスターから得られる「鍵」が必要になる……という訳だ。

「種族装備」とは、ミスラやエルヴァーンなどの各種族に対して専用に存在する防具群のことである。それぞれ見た目はキャラクター作成時に装備している「初期装備」に酷似している。初期装備とは色が異なり、微妙にデザインが凝っていたりする辺りでしか、見た目の違いは存在しない。例えばミスラの場合、初期装備は白だが種族装備は赤。他は首元などの装飾が少し凝っているくらいの違いがある。

見た目はその程度の違いしかないが、その性能は比べものにならない。レベル30前後から装備できるようになる種族装備はそれなりの防御力を持ち、何より強力な特殊能力が付加されている。特殊能力……それは各種族の短所を補うステータスボーナスだ。体力の少ないタルタルの場合は体力(HP)を、魔法が苦手なエルヴァーンやガルカの場合はMPを、種族装備を身に付ければ大幅に向上させる事が出来る。

FFXIにおけるパーティプレイは効率が重要だ。特に自らの種族に不向きなジョブを選んだ場合、パーティに参加するには種族装備が不可欠となるだろう。Vnさんはエルヴァーンであり、赤魔道士を選んだ。MPを必要とする魔道士であるならば、種族装備は早い内に揃えておきたい筈だ。そう考えると、少し気が引き締まる。

まぁ、レベル30に満たないドルシネアでは大した戦力にはならないが。ましてや、これから相手するシャクラミのモンスターは、ドルシネアから見ると明らかに格上の相手らしい。「シーフがいないと不安だったので」とNmさん。なるほど、シーフのジョブ特性「トレジャーハンター」によるアイテム獲得率向上でありますな。頑張ろう! って、頑張ろうにも自分でアイテムを引き出す訳じゃあないのだ。敵を倒した瞬間にアイテムが出ることを、祈るしかあるまい。

祈る他に出来ること……それは喋り。色々ネタを探しつつ、面白可笑しくなるように喋りながら、三人でシャクラミへと入っていった。


鍵取りの中の再認識

シャクラミの地下迷宮に入って洞窟を少し進むと、僅かに丸く広がった空間があった。そこにはコウモリやイモムシ、ゴブリンが数匹ずつ彷徨いている。ドルシネアから見るとやはり同レベルから上、とても一人では戦えない。そもそも「数匹」いるのである。戦いを挑めばあっさりリンクされ、一対多となってボコボコにされるだろう。こりゃ近付くことすら出来たものではない。Vnさんも同様に、それほど余裕持って叩けるレベルではないようだ。

我々二人に対して、レベル50を超えるNmさんはこれらの敵に絡まれない。よって戦略はこうなる。Nmさんが絡まれないことを利用して単独で進入し、リンクしないようなモンスターを選びケンカを吹っかけ、我々の元に連れてくる。後は三人でボコボコに……という具合だ。

ところが狩りを始めるなり大惨事。ちょいと前に出たVnさんをゴブリンが発見してしまったのだ。更に別のゴブリンが参戦、あっという間にVnさんが袋叩きにされてしまう。Nmさんは獲物を求めて離れた場所まで行っていて救援できず。レベルの低いドルシネアは、為す術もなく、少し離れた場所からVnさんの死を見取るしかなかったのだった。もう尻尾を震わせて「あわわ」と立ち尽くすのみである。

後から考えると、二時間ジョブアビリティ・絶対回避を行使して接近、不意打ちによる大ダメージでゴブリンの注意を引いてVnさん脱出の時間を稼ぎ、自分は呪符デジョンで脱出……なんていうシナリオも浮かんだりした。しかしパーティプレイの経験が浅い私の緊急事態への対処能力は、やはりあまりにも少ないものであった。

死んでしまったVnさん。その遺体の周囲には、先程のゴブリン達や別のモンスターが徘徊している。例えその場で蘇生魔法・レイズをかけても、生き返った瞬間にまた殺されてしまうだろう。どうしたものかと立っていると、Nmさんの魔法・トラクタによる救出劇が始まった。

画像・トラクタ。
Nmさんによる死体回収作業が始まる。

「トラクタ」とは、死んでしまった仲間を術者の元へ移動させるという一風変わった魔法である。用途は既に記したとおり、危険地帯からの死体搬送だ。私自身、トラクタの使用を見るのは初めて。死体をズルズル引きずるのだろうかと思ったが、実際は手元までテレポートさせるという感じの効果だった。あまり遠くの対象には魔法が届かないらしく、Nmさんは数回に分けてVnさんの遺体をドルシネアが控える安全地帯まで運んでくる。死んでしまったVnさんには悪いが、「トラクタが見られた、ちょいとラッキー」とか思ったりしていたドル猫である。

画像・レイズ。
Nmさんの蘇生魔法でVnさん復活。

取りあえず、踏み込むと本当にヤバイことは実感できた。Vnさんと共にNmさんが獲物を連れてくるのをじっくりと待つ。主なターゲットはイモムシだ。こいつが目当ての鍵を持っているらしい。連れてきたイモムシを三人でしばく。レベル30に満たないシーフの攻撃力など、たかが知れている。そこそこマシなダメージは、一分間に一度の不意打ちでしか与えられないと考えて良い。もっとも下手にダメージを与えてしまうと、防御力の薄いドルシネアが敵の注意を引きつけてしまい、大きなダメージを被ることになる。そうなるよりはちまちまとしたダメージを与える程度で充分と言える。今夜のドルシネアの役割は、いるだけで発揮される「トレジャーハンター」の発現なのだから。

いるだけで発揮される……筈なのだが、鍵はその影すら見当たらない。黙々とイモムシを屠る我々だが、そのイモムシすら時折確保できなくなる。Nmさんの報告によると、どうやら狩りのライバルがいるそうだ。ただ待つだけなのも何なので、「トレジャーハンターがある筈なのに……」と出ないこと自体をネタにして、会話を続けてみたりする。

ふと気が付くと、我々の後ろに新たなパーティの姿が現れた。ドルシネアより少しレベルが高い、四人パーティ。どうやらレベル上げパーティのようだが、このレベル帯の冒険者がこの場所で行う狩りなんて聞いたことがない。珍しいなと思っていたら、そのメンバーにエルヴァーン紳士・Lxさんの姿が。話を聞くと、六人分のメンバーが集まらない上、メンバーにフランス人のプレイヤーがいて会話がちょいと面倒なので、こういうことになったらしい。本当に珍しいケースのようだ。彼等は主にコウモリを狩っていく様子である。

画像・ヒーリング中。
Vnさんの隣でヒーリング中のドルシネア。後ろではLxさんのパーティも休憩中。

久し振りに格上の相手との戦いとなり、使っていた片手剣のスキルが上昇していく。新たなウェポンスキルも習得できた。これはとても有り難い。Lxさん達が戦闘中に新手のコウモリが出現し絡まれため、Vnさんと二人で救援に行ったりする。

想定していた時間を大幅に過ぎたが、なんとか鍵もゲット。三人でウィンダスへと帰還する。途中のタロンギを走る最中、護身用に持っていたヤグードドリンクをVnさんに手渡した。赤魔道士なら、緊急時などに力になるだろう。そしてこれが、調理師として私に出来る貢献である。

久し振りのパーティ、強い敵と戦えて爽快だった。Vnさんという初めて会った人との会話も、新鮮な刺激に溢れていた。そう……いつだって、大抵はそうだったのだ。最初に面倒と感じていても、実際に参加してからは本当に楽しいものなのである。


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