Last Modified : 7 MARCH 2004
From Dulcinea's diary Part.4 "March for the Dulcet Wind".
ドルシネア、サンドリアに起床。フレンドのMtさんから、送った水の塊に対するお礼のメッセージが届いていた。「アップルジュース目指してがんばります」とのこと。まぁ、水のクリスタルは安いので送ることもないかなとは思ったのだが……折角入手した物だしね。
ポストを覗くと、前日競売所に出品していた「錆びたキャップ」の代金が届いていた。なんとこれが3,000ギルである。昨夜競売の落札履歴を確認した時にもその相場の高さに驚いたのだが、売れると改めて驚きである。今まで釣り上げた魚には、一匹でこんなに高い値が付く物は一つもなかった。これまで引っかかった錆びた装備品にしても同様である。ハズレの筈の錆びたシリーズがこんなに高価な物だとは!
これには理由があった。これまで釣り上げた物はどれもレベル1で身に付けられる、低レベル冒険者用の装備品だった。錆びた装備品は光のクリスタルで修繕する事が出来、それで普通の装備品に蘇る。しかし低レベル用の錆びた装備品を直したところで、当然その性能も低い。ところが今回の「錆びたキャップ」はレベル30台中盤で装備できる物で、これを修繕すると更に性能がぐんと上がる。それなりに価値のある物なのだ。だからそれなりの額で取り引きされているのだろう。なかなかにおいしい。
今日もドルシネアは釣竿を持ってラテーヌ高原へと向かう。いえ、ナマズ釣りですよ? 釣りの腕前を上げるためですし。ナマズだって一匹200ギルで売れて、いい収入源なんですよ、ええ。スキルを上げて、お金も稼ぐことが出来るんです、いいでしょう? これでも釣り人なんですから、はい。
そう自らに言い聞かせるほどに……釣り人に相応しくない物を狙うよこしまな気持ちを、自分の胸に感じていた。
エアーエレメンタルを狩ったりしながら釣り場に到着。ナマズもキャップもなかなか釣れないことにやきもきしていると、バザーからおにぎりが二つ売れた。サーチして調べると、買ってくれたのはレベル18の暗黒騎士さんだ。おにぎりを頬張る暗黒騎士さんにお礼を言うと、「おにぎり美味しかったです^^」という返答があった。そう言っていただけると、握ったこっちも嬉しく楽しい。
釣果の思わしくない釣りに飽きたので、ジャグナー森林まで足を伸ばした。珍しく晴天だ。カブトムシ、ヒツジ、獣人・オーク等を、強さを注意深く調べつつ狩る。実はシーフの次のレベル、レベル29が目前になっていたのである。五月にレベル上げを止めて以来、レベルが上がる事なんて考えてもいなかった。事実、五月以降で上がったレベルは一つだけだった。
レベルアップまでの残り経験値を170としたところで、これまた飽きたので狩りを終了。ラテーヌに戻って釣りを再開する。錆びたキャップが釣れた。思わずガッツポーズが出る。釣果はナマズ五匹にキャップが二つ。単純計算で7,000ギルというところか。こりゃ素敵。
サンドリアに帰り、キャップと風の塊を競売所に出品。バザーから安い蟲の卵を買い込んでこの夜は就寝した。
翌日、ポストから競売所の売り上げを受け取る。風の塊×3、錆びたキャップ×2、その売り上げは合わせて9,000ギルにもなった。所持金は37,025ギルに。少し前に大きな買物をしてガクンと減った所持金も、結構取り戻してきた。出来れば常時50,000ギルくらいは貯めておきたい……なんとなくそう思っている。
スモークドサーモンをサンドリアのお店「不死鳥の止まり木」にて購入。これを材料にしたおにぎりを握った。前から作ってみたかったのだ、「鮭おにぎり」。競売所にて出品されていた「月見団子」も購入する。これは十五夜のイベントで得られたという食べ物だ。私自身は参加していないので得られなかった。大した効能もないようで、100ギルという安値で落札できた。チョコボを借りて、ジャグナー森林へと向かう。
ジャグナーでチョコボを降り、おもむろに鮭おにぎりをパクついた。今日こそここでシーフのレベル29を獲得するのだ。
数回戦った後、ラテーヌへの切替え地点に近い場所でしゃがみ込みヒーリングする。そのまま席を離れ、しばし後に戻ってきてみて驚いた。休んでいる筈のドルシネアがオークに殴られているではないか。
慌ててコントローラを手に取り応戦する。見ると二重の驚きが。まだこちらからは攻撃していないオークの体力が既に減っているのだ。つまりそのオークは、手負いだったのである。考えるに、この場所故の出来事だったのかもしれない。誰かがこのオークと戦った後、勝てないと踏んで逃走に転じた。向かうは隣のエリア、ラテーヌ高原。エリア切替えさえしてしまえば、オークはその向こうまでは追ってこられない。そしてその逃走は成功し、恐らく逃げ切られたのだろう。標的を失ったオークは、以前居た場所に戻ろうとする。その途中で、しゃがみ込んでいるドルシネアを見つけたという訳だ。
回復途中で殴られて、先手の不意打ちを入れられないというハンデを背負った戦闘になった。ドルシネアの方が強い。故に負けはないにしろ、少々キツめの戦いだった。戦闘中に一人のタルタルが通り掛かる。そしてドルシネアにケアルを飛ばしてくれた。これでハンデも帳消しだ。無事にオークを退治できた。歩み寄ってきたタルタルさんにお礼の言葉を贈る。
しばし二人でお話しをする。実はタルタルさんは、ドルシネアを助けることを少し躊躇ったという。というのも、私自身もよくやる今回のような「辻ケアル」を嫌う人もいるからだ。自分自身の力のみで敵と戦いたいという考えの人もいる。その様な人にとっては、頼んでもいない助けはむしろ迷惑と感じるのだ。私には経験はないが、恐らくタルタルさんはその様な苦情を貰ったことがあるのだろう。
オークに襲われた経緯を説明し、改めてお礼を返す。そしてレベル上げに来たことを話すと、タルタルさんは応援してくれた。気分良くお別れした後で狩りを再開。羊やカブトムシ相手に、残りの経験値を稼ぐ。
これにて狩り終了、ラテーヌへ釣りをしに戻る。特に報告していなかったドルシネアのレベルアップに、フレンドの仲間達が気付いて祝いの言葉をくれる。嬉しいものだ。月見団子を食べながら、釣りとエレメンタル狩り。サンドリアへの帰り道では、久し振りに虹を見ることが出来た。
今日のレベルアップは、ドルシネアにとって本当に最後のレベルアップとなるだろう。もうシーフ以外のジョブをやる気はないし、そのシーフもレベル30になることを望んでいない、むしろなりたくないからだ。レベル30で習得するジョブアビリティ「だましうち」は、私の思うシーフ像を逸脱するものだ。冒険者を辞めたドルシネアをその状態にさせるのは、忍びない。
ロンフォールの森で、毒で死にかけのレベル4白魔道士のタルタルを間一髪で救う。やはりレベルの低い内は、毒は致命傷となるのだ。多くの冒険者がジュノを拠点とするのとは対称的に、今後もドルシネアはこの様な三国周辺を彷徨くことになるだろう。