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  3. ドルシネア・ダイアリィ 第四部・目次

Last Modified : 8 FEBRUARY 2004


霧を背になびかせて

からしせんべい作りで調理スキルが59に上がる。更に骨の矢尻を作って骨細工スキルもめきめきアップだ。タロンギ大峡谷へと向かう途中、サルタバルタを走っているとバザーからダルメルステーキが売れた。珍しい。前方を走る買ってくれたタルタルをサーチすると、彼はレベル6のモンクである。追い抜きざまに「ありがとうー」とお礼を言っておいた。ステーキよ、彼の力になっておくれ。

以前は一度の狩りでレベルを一つ上げられたものだが、最近はそこまで稼げない。一緒にデジョンを習得しようとしているTkさんは、主にパーティで経験値を稼いでいる。ソロで上げている私とは一度の狩りで稼ぐ経験値が随分違う。一気に二つ以上もレベルを上げることが出来るだろう。今のところ黒魔道士のレベルは私が先行しているが、あっさり追い付き追い越されないように、経験値をこまめに稼いでおかなければならない。まぁ、デジョンまではあと一レベル、頑張ろう。

「同じくらいの強さ」、通称「おなつよ」のキリンに苦戦しつつ、二時間ほどの狩りを終える。レベルアップには至らず、あまりアイテムも出なかった。まぁ前進。次の狩りでレベルアップできるだろう。そう考えて区切りとし、ウィンダスへの帰途に付いた。

タロンギからサルタバルタに入ると、高いレベルのナイトがイモムシを狩っているのに出くわした。イモムシは高価な絹糸を出すので、低レベルな冒険者にも高レベルの者にも狙われるモンスターである。ウィンダスに向かうドルシネアに続くようにして、そのナイトさんもサルタバルタを南下するようだった。

崖を飛び降り、川を渡る。自然といつものように視線を左右に振る。その辺はイモムシのノートリアスモンスターが出現する場所だからだ。今までも何回か目撃していたが、戦うことが出来たのは白魔道士でパーティに参加した帰りの一度だけだった。タロンギからウィンダスへ向かう最短距離にあるここを、今まで一体何度走り過ぎただろう。その度に目はイモムシの姿を求めているのだ。いつも抱くちょっとした期待感を乗せたドルシネアの視線は、その時ピタリと意中の存在を探し当てていた。

その名に目が留まる。「Spiny Spipi」……いたーッ! ノートリアスモンスター出たーッ! ええとええと今のドルシネアは黒魔道士の……レベル16だっけ? 行けるかな? ハッ! さっきのナイト! ヤツが後ろから来るぞッ! と、取られるッ! 急げえぇーッ!!

画像・早く撃て!
Spipiに向けて魔法詠唱。ナイトよりも早く届けーッ!
画像・Spipiゲット!
やったあぁー! Spipiいただきぃーッ!!

無事にSpipiをゲットしたはいいものの、ちゃんと倒せる相手なのだろうか。取りあえず黒魔法はちゃんと相手に効いているようだ。問題ない。まぁ、やはりSpipiはノートリアスモンスター。相手の体力が減る割合いは通常のイモムシよりも少ないようだ。幾分気分を落ち着けながら、相手の攻撃に合わせて魔法を次々に撃ち込んでいく。うむ、きっちり相手の体力は減っていく。大丈夫だ。

そうしてSpipiの体力が半分程度まで減ったときに、ある重大なことに気が付いた。ノートリアスモンスターは体力が多い。体力が多いということは、それだけ倒すのに必要なダメージ量が多いということだ。そして自分はいま黒魔道士である。黒魔道士のダメージ源は黒魔法。そして黒魔法を撃ち出すにはMPが必要だ。……MPは有限だ。無限に振られる剣で攻撃すればいいシーフの時とは違うのだ。MPが切れたら、黒魔道士はお終いなのだ。……MPは足りるのか?

ドルシネアが最後のMPで放ったストーンによって、丁度Spipiの体力もゼロになった。ぎ、ぎりぎり倒せた……怖かったよ。冷や汗タラタラである。後でよくよく考えると、黒魔道士の二時間ジョブアビリティ・魔力の泉を使うことによって、ドルシネアはMPの消費無しにしばらく魔法を使えたのだが、それはその時思い浮かばなかった。正に九死に一生を得た気分を味わっていたのである。

Spipiが落とした戦利品を見て、一瞬息が止まる。絹糸、そして「ミストシルクケープ」。出たーッ! Spipiの当たりアイテムだ。レベルの低い魔道士が羽織ることの出来る、高性能な背中装備のケープである。これこれ、これがSpipiから欲しかった!

早速ミストシルクケープを背に纏う。あいにくFFXIでは、背中の装備が絵として表示されることはない。しかしその時の私のイメージの中では、霧のようにきめ細やかなシルクのケープが確かにドルシネアの背に揺れていた。

とはいえ、デジョンさえ習得できれば、もう黒魔道士として狩りに出ることはなくなるだろう。シーフの時はもっと高性能なマントを羽織るし、何よりケープはシーフで装備できない物だ。やっと手に入れたケープだが、身に付ける期間は随分短い間で終わってしまいそうである。その点は少しだけ残念だが……ともかく今は嬉しい、とても嬉しい。

想像の中で風にケープをなびかせて、ドル猫は改めてウィンダスへの帰途に付いた。


言葉が穿つ溝

前日手に入れたミストシルクケープを背に、今日もドルシネアはタロンギ大峡谷を目指してサルタバルタを走っていた。だがいつもと違ったことが一つだけある。……とても不機嫌だったのだ。

経緯はこうだ。ドルシネアはその時ゲルスバ野営陣にいた。一昨日、昨日とレベル上げを頑張った。レベル上げは集中するので随分疲れる。ここらで一息付いて、今日はのんびり過ごすことにしよう。そう決めて釣りをしていたのだ。ウィンダスの漁師ギルドで釣りの上級サポートを受けてやる気満々である。30分余りで0.4もスキルが上がり、釣りを楽しく満喫していた。

そんな中、リンクパールを通じてTkさんの声が届いた。ついさっきまで参加していた野良パーティで黒魔道士のレベルを一気に上げ、遂にデジョンを習得可能なレベル17に到達したという。前日まで黒魔道士のレベルはドルシネアがリードしていた。やはりパーティを組むと効率が違う。

デジョンの魔法スクロールはバストゥークにおいて発生するクエストを解決することで入手することが出来る。だがそれ以前に各種のクエストは、その国での冒険者の「名声」の高さによって発生したりしなかったりするのだ。「名声」はその国でクエストを解いていくことで上げられる。こまめにクエストをこなしていくことが、より多くのクエストを受けられるために必要なのだ。

私はクエストを解くのが好きなのでこまめにこなしている。デジョンを得られるためのクエストも問題なく発生していた。だがTkさんは普段あまりクエストを解決していない。何らかのクエストを発生させられなくて困ったときに、知り合いと一緒にクエストクリアに世界を奔走していることがたまにある。この時もデジョンのクエストが発生するかどうかが心配であったが、バストゥークで確認したところ無事に発生したという。それは何より。となると一緒にデジョンを覚えるに必要な条件は、後はドルシネアのレベルだけということになる訳だ。

私はそのまま釣りを続けようとした。だがこの時、バストゥークにTkさんと共にいた方がリンクパールを通じてこう言ったのだ。
「Tkさん、やることなくて暇そうなんだけれど」
私に向けられたであろう、こちらの都合を考えないこの言葉に私はカチンときた。

私のレベルが足りないことはそれまでのパールを通じた会話で分かっていた筈。だからその言葉は私にレベル上げを強いることになる。Tkさんがレベルを上げてデジョン習得の条件を満たしたのはついさっきである。Tkさんを放って一週間も待たせているとかいう話ではないのだ。約束を交わしているTkさんに求められるのならまだいい。そうではなく第三者である人が、私に対して時間とパワーの消費を気軽に求めたことに腹が立ったのだ。Tkさんを重んじて私を軽んじたのが腹立たしかったのだ。

「だったら先にデジョンを覚えてしまっても構いませんよ」と返す。無論これはTkさんに対した、文字通りの言葉ではない。先程の言葉に対する嫌味である。しかしそのまま釣りを続ける気分ではなくなったので、渋々レベル上げに行くことにした。サンドリアに戻ってNPCのテレポでサルタバルタへ。草原を走るドルシネアに、TkさんのTellが入った。「ごめんなさい、待ってますから」という恐縮した言葉に、「いや、別にTkさんに怒っている訳ではないから、気にしないで」と返した。

彼の人からの言葉は何もない。溝は深まる一方だった。


デジョンのデュエット

次のレベルまでに残された経験値を得るのと共に、悪かった機嫌を直すにも一時間あれば充分だった。ドルシネア、黒魔道士のレベルが17に。

画像・レベルアップ!
キリンを倒して、遂に目標のレベルに到達。

急いでウィンダスへと駆け戻る。サルタバルタで初期装備に風切り帽子を被ったミスラを見掛けて、懐かしく思う。ウィンダス港のNPCにテレポを受けて、北グスタベルグのアウトポストへと飛んだ。更に走ってバストゥークへ。大工房の前で、一人Tkさんが待っていた。お互いのレベル上げを労い、見慣れない魔道士姿を笑い合いながら、二人で中へと足を運んだ。

クエストの依頼主であるNPCガルカにアイテムを渡し、私とTkさんは無事にデジョンの魔法スクロールを入手した。これを同時に使い、それぞれデジョンを習得する。作ってきたオレンジジュースで乾杯、祝い合う。Tkさんに渡したのは、先程作ったハイクオリティ品のオレンジジュースだ。

覚えた魔法は当然使いたくなるものだ。早速二人で初デジョンである。

画像・初詠唱。
二人で同時に初デジョン!

呪文の詠唱によって発生した黒い空間に、Tkさんとドルシネアの身体が包み込まれる。画面暗転。データのロードが終わると、ドルシネアは設定していたホームポイントであるウィンダス・森の区、モグハウス前に姿を現した。デジョン成功である。一方のTkさんはサンドリアへ移動を終えたようだ。これで移動が随分と楽になるだろう。二人で喜び合う。

一方その頃、タルタルモンクのGzさんは念願のウェポンスキル・乱撃をマスターしたそうである。手と足の連続した打撃を一気に撃ち込むという乱撃、タルタルならば相当に可愛いことだろう。以前からGzさんが、乱撃を覚えたいと言うのを聞いていた。同時にタルタルのモンクはパーティに誘われないという嘆きも聞いていた。それだけに喜びもひとしおだろう。

Gzさんの喜びは、私にとっての喜びでもある。そして喜びの具現化の手段として、ドルシネアは調理を持っている。お祝いのため、雪山のロランベリーとミスラ風山の幸串焼きを作り、Gzさんへと送った。本当に、おめでとう。


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