Last Modified : 10 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.3 "Dulcet Wind to Heaven".
例によってシャクラミの地下迷宮にてサソリと戦うドルシネアである。今日のサソリは事前の「調べる」によると「丁度いい強さ」の相手。だが剣とハサミを交える間に、相手の強さは「丁度いい」敵の中でも弱い部類に入るものであるに違いないと、こちらは感じていた。そしてそれを証明するように、ジョブアビリティ・絶対回避を用いずにサソリに勝利することが出来たのである。
勝利の瞬間から視線はログウィンドウに釘付けとなる。得た経験値の次に得たアイテムが表示される。土のクリスタル、そして……「大サソリの針」が! 遂に出た! 「針」が出た! 遂に目的の、サソリの針が手に入ったのである! 思わず画面のこちら側で拳を握る。
喜びの叫びをキーボードから打ち込んで、しかしEnterキーを打つ前にふと手を止めて、結局Escキーを押してその文章を消してしまう。最近、仲間内での自慢のような言葉に辟易気味なのだ。リンクパールに自らそれを流すこともないだろう。そう思い、喜びは自分の胸の中に押し込むことにする。戦いの場となっていたシャクラミの高台を一度振り返ってから、ウィンダスへの帰途に付く。
早速ウィンダス・森の区の池にいるNPCに針を持っていく。それを見て、サソリにまつわる言い伝えとの接点に気付き興奮する、NPCのタルタル冒険者とその相棒のミスラ。彼等の消えていた冒険心が蘇っていく様を見ながら、私は彼等に感謝していた。この半月に及ぶサソリとの戦いは、冒険者を辞めたドルシネアにとって久し振りの「冒険」だった。それを味合わせてくれたことに、深い感謝を覚える。私にとってこのクエストは、シャクラミという地を心に刻む、とても印象深いものとなった。
その日以来、ウィンダス・森の区のモグハウスを出て競売所や外へ続く門へと向かうとき、池の脇に彼等の姿を見る度に、胸の奥にある冒険心がほのかに灯るのを感じるのである。
サンドリアのレンタルハウスにて起床。競売所を覗くと、調理で必要な炎のクリスタルが一ダースで2,000ギルになっている。高くて辛いがこれがないことには始まらない。購入して今日も白パンを焼く。作り置きしておいたセルビナバターが切れると今度はバター作りだ。
南サンドリアの「レンブロワ食料品店」にて白パンを黙々と焼いていると、町にパーティ仲間を募るShoutが響いた。レベル上げパーティのShoutではない。サンドリアならではの、「パーティの心得」クエストのための仲間集めである。
「パーティの心得」とはサンドリアで受けられる一連のクエストで、初級、中級、上級の三つが連続して起こるクエストである。それぞれ同じ所属国、同じ種族、同じジョブで六人パーティを組んでいけばクリアできるクエストだ。現在募っているのは初級編、それもウィンダスに所属する冒険者を求めているようだ。
このクエストをドルシネアは未だ初級もクリアしていない。このShoutを聞いたのも何かの縁、いっちょ参加してみましょうか。取りあえずクエストが発生することを確かめてから、Shout元の冒険者にTellを送った。
パーティに加わり程なくして、六人のウィンダス所属の冒険者が揃った。何とそのうちドルシネアを含む三人は、全く同じフェイスタイプのミスラである。並んで写真を撮ったり、アビリティを見せ合ったりして笑い合う。いい雰囲気だ。
楽しく雑談などしながら、ささっとクエストクリア。パーティも解散だ。考えてみれば、知らない人同士の野良パーティは久し振り。もちろん狩りなどはなかったのだが、終始いい雰囲気で楽しかった。
この日はその後も白パン作りを続けたのだが、また「パーティの心得」Shoutがあったのでこれに参加した。中級、上級と一気に終わらせることが出来たのだが、残念ながらこちらのパーティは雰囲気イマイチ。なんというか、事務的な感じであった。レベル上げのパーティでなくとも、色々なパーティがあるようである。
白パンをパクつきながら上げた調理スキルは44に。そろそろ白パン作りも卒業だ。