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Last Modified : 10 JANUARY 2004


もう一つの憧れの武器

ポストを覗くと、Ccさんから「ピピラの塩焼き」が二つ届いていた。不意打ちのダメージ増に繋がるDEX(素早さ)が上がりながら、更に攻撃力も上げることの出来るシーフにとって最高の食べ物である。だが素材であるピピラという魚自体がなかなか釣れないため、かなり高価な物でもある。

チョコボでジュノに向かいながら、Ccさんと少し真面目な話をする。最近リンクシェルの一部の仲間内と楽しく会話できないと伝えると、「ドルさんは気にし過ぎですよ」と言われる。そうなんだろうかと思う。自分でも神経質なのかなとは思う。「あまり深く考えずに、楽に行きましょ」とか言われたのだが、しかし……私は「気にする」のではなくて、「気になる」のだ。じゃあ気になってしまわないようにするには、どうしたらいいのか。どうしたら、それに対して鈍感になれるのだろう。

何が気になってしまうのかというと、最近は主にレベルの高い人達との会話に感じる価値観・金銭感覚の差だ。彼等は私よりもレベルが高く、それだけ行動範囲も広い。ドルシネアでは行けない危険な場所にも行くことが出来る。より高価なアイテムを入手できる場所での金策が行える訳だ。それによって得た利益をリンクパールを通じて流されると……要するに嫉妬・妬みを覚える。

自らレベル上げを止めたのだから、それは当然背負うべき宿命だ。だが生まれる感情はなかなかコントロールできない。こちらは数千単位で儲けるのがやっとのところを、昨日は数万稼いだなどと楽しげに語られても、こちらはあまり楽しくはないのだ。たまに出る報告なら祝いも出来よう。だがそれを毎日のようにされても、こちらは悶々としてため息を付くばかりである。そしてもう少し察してくれてもいいのにな……とか考えてしまう。だが伝えなければ伝わらない。

ジュノに到着、早速競売所をチェックする。先日来たときには「もう一つの憧れの武器」は出品されてなかったため、盾とマントを新調するに留まった。だが今日はその武器が出品されている。20,000ギルを出してそれを落札。遂に二つとも揃えることが出来た。ようやく手に入れられてホッとしたような、目標を失って気が抜けたような、少し複雑な気分になる。

これから韓国に旅行に行くというCcさんに挨拶をしてから、チョコボを借りてサンドリアに向かう。サンドリアでは白パンを作って調理のスキル上げ。なかなか美味しそうだ。焼き上がった白パンは黒パンの時と同様に、NPCのお店に売りさばく。買わされるNPCも可哀想なもんである。白パンを山のように抱えたドルシネアが扉を開くのは、あちらにしてみれば悪魔の襲来であろう。

サンドリアの競売で弾丸99発を購入し、手に入れた武器の試射に出掛けた。そう、「もう一つの憧れの武器」とは、銃であった。

画像・ドルシネアの銃。
ようやく手に入れた憧れの武器・パイレートガン。

昔、確かまだジュノにすら行っていない頃、銃の存在をウィンダスの競売所で知った。狩人しか装備できないものと思っていたそれには、ごく一部であるがシーフにも装備できる物が存在していた。それ以来出品状況をちょくちょくチェックしていたのだが、ウィンダスの競売にはなかなか出ることがなかった。ある日遂にそれが出品されたのだが、当時のドルシネアにとって10,000ギルを超す買物は到底無理な話だった。もしかして落札できないだろうかと、当時の10,000ギルにも満たない所持金を全部出して入札してみたりもした。もちろん落札など出来なかった。

ロンフォールで、そしてユグホトの岩屋まで出掛けて銃を撃つ。なかなかヒットしない。それはそうである、今まで銃など撃ったことがないのだ。射撃スキルが全くないのである。ターン、ターンと長い攻撃間隔を空けて銃を撃つ。時折モンスターに弾丸が当たり、ぴろっとスキルが上昇する。銃弾はとても高価なアイテムで、購入した一番安い銃弾でも99発一セットで5,000ギルもした。お金に余裕がなければ到底使えない。狩人が「銭投げジョブ」と呼ばれる所以である。

銃にも必殺技であるウェポンスキルは存在するが、それを使えるのは狩人だけ。シーフは幾ら射撃スキルを上げてもウェポンスキルは使えない。ドルシネアで銃を使うのは、完全に趣味の話である。昔々叶えられなかった、銃を買って撃つという夢を叶えるための、悔いなく終わりを迎えるための趣味である。

99発撃ち終わり、射撃スキルは4まで上がった。どうやらレベルの低いモンスターの方が当たりやすく、スキルも上げられやすいようだ。またお金を貯めて、弾丸を買って遊ぶとしよう。取りあえず今は、お金がすっからかんである。


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